表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
涙が出る理由を私達はまだ知らない  作者: nana
『人』と関わるという事
1/2

初めての学校




8月1日。

ルシダリア国首都ノワール。


首都に入ると車が長蛇の列を作っていた。今日から新学期というので無理もない。

この首都にあるのはセント・ルミニス・アカデミー。

この国1番の名門校であり、数多の界隈で名を馳せている家の子供が通っているからだ。

6歳から18歳の子供が通っているのでこの車の量も納得だ。入学試験も国内最難関と言われておりこの学校に入学すれば将来安泰はほぼ確定と言ってもいいだろう。

私は()()()()()の為にこの学校に編入するのだ。


校舎の中に入り車を降りる。保護者変わりのライラックと一緒に案内人に案内されながら校舎の中を進んでいく。


「学園長ライラックです。」


豪華な扉だなと思ったら学園長室だったらしい。ライラックに手招きされ一緒に部屋に入る。

扉の豪華さに比べて中の部屋は案外質素だった。


「アザレア、この方が学園長のアルヴィス先生だよ。今日からは僕と連絡取るのも難しくなるから何か起きたらこの方に相談しなさい。」


学園長のアルヴィス先生は白髪でずいぶん歳を召していたが、すごく優しそうな顔をしている。 

アルヴィス、アルヴィス……………。

頭の中に入っているデータを探して遡る。


リアム・アルヴィス(75歳)

家族構成 妻 長男 長女 次女

35歳で学園長に就任 逮捕履歴なし


この人が私の任務の支障になることはないだろう。ライラックがしたう理由がわかる気がした。


「ライラックから聞いて会えるのをとても楽しみにしていました!これからよろしくお願いします!!」

「はい。私のために受け入れを許可していただいたことを感謝します。」

「そんなに畏まらなくても良いんですが……。始業まで時間があるからこの学校について説明しておきましょう。こちらに座って下さい。」


学園長の話によると、この学園では一学年SからDクラスに分けられていて、Sから順に成績がいい順番に並べられているらしい。私が編入するのは落ちこぼれのDクラスだ。Dクラスの生徒を卒業まで導くのが私の任務だ。


「事前に生徒の資料は見たのですがDクラスの方たちがどのような問題を起こしたのかは書かれてませんでした。具体的にどんな問題があったのですか?」


「そうでした!資料を取ってくるので少し待って下さい。」


重たそうな腰を上げ、紙がたくさん敷き詰まった棚から資料を引っ張り出していた。紙の雪崩が起きそうだったがどうやらそんな災害は免れたらしい。


差し出された資料を見てみる。


シラン 誕生日5月17日  11歳

7年前協会に捨てられたため教会で育つ 元Sクラス

授業態度に問題がありD降格


ルドベキア・エーデル    誕生日7月21日 13歳

エーデル財閥の末の娘   元Sクラス

クラスメイトとの喧嘩によりD降格


カトレア・ヘンドラー   誕生日11月24日 12歳

商家の娘   元Aクラス

成績不良によりD降格



ラナンキュラス・クラマー 誕生日1月29日  12歳

商家の次男 言動に問題あり 

元Aクラス 暴力行為によりD降格


シオン・ボルジア     誕生日9月9日  12歳

教皇の一人息子  元Sクラス

多数の女子とのトラブルによりD降格



なるほど、見事な問題児である。

多数の女子とのトラブルとか本当に12歳児でありえる問題なのだろうか。大人びすぎてないか?

何か問題を抱えているのか、元Aクラスなのに成績不良によりD降格も気になる。


「なかなかにクセがありますね。」

「そうなんです!!!クセがありすぎるのです!!天下のルミナス生プライドの高さは世界一!喧嘩がないことの方が珍しいです。この前も保護者から苦情が来ました……。こんなに頑張ってるのに!!!」


どうやら学園長も相当苦労してきたらしい。

一限目5分前のチャイムがちょうど鳴る。このクセの強いクラスメイトとご対面する時間がきた。

なかなか難しい任務になるだろうが私にはやり遂げるしか道がない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ