♯1 部結成
高校化学教員兼吹奏楽部副顧問をしている主人公の飛鳥悠。
今日は部結成の日。
白銀高校吹奏楽部の掟で『4月1日から部結成当日までは顧問は部室に来てはいけない。』とあるため、彼は着任してから一度も音楽室に足を運んでない。
社会人1年目だから全てが初めてである悠は緊張して職員室で待機している。
クドいようですが
この作品はフィクションです。
悠:「緊張するな〜。」
美也虎:「お前なぁ、もう良い年した大人だろうが。これしきのことで緊張するな。」
悠:「社会を経験してないんですよ。緊張しますよ。」
美也虎:「卒業してから母校に来ないからこうなるんだ。というか、社会の経験は関係ない。」
悠:「失礼な。大学1年の夏までは白銀に顔を出してましたよ。」
美也虎:「そのときに現役だった部員達はみんな卒業したから意味ないだろう。」
悠:「確かにそうですね。母校が勤務先になるなんて盲点でしたよ。顔出しておけば良かった。」
美也虎:「あんた、勤務先が白銀じゃなかったら絶対に今よりも緊張してるぞ。」
悠:「他校だとOBにならないから緊張しないと思いますよ。」
美也虎:「私なら他校の方が緊張すると思うけどな。おっと、もうこんな時間か。そろそろ行くぞ。」
悠:「わかりました。」
渋々と職員室を出て行く。
今日は部結成の日。
部活で新入生を迎えて、今年はこのメンバーで部活動をするという部内での式みたいなものだ。
そして、顧問と生徒のファーストコンタクトでもある日だ。
卒業してから白銀高校に来たのは3年半前。
そのときの現役生は卒業している。
全く知らない人だらけだ。
そのうえ、9月以降は水谷先生は居ない。
美也虎:「よし、ドアを開けるぞ。」
いろいろ考えていたらもう音楽室ドアを目の前に水谷先生と立っていた。
ええぃ、ここまで来たら自棄だ。為せば成る。
悠:「行きましょう。」
水谷先生が音楽室に入った後に続いて入る。
音楽室には1年生を含める、沢山の部員が円になっていた。
部員:「先生方はそちらにお座り下さい。」
そう言って、二人分のピアノ椅子を置かれ座る。
生徒達の円に入ることなく。
円に入れないのは、やっぱり生徒と教師の差なのかな?
でも、このことは俺の学生時代と変わってない。
この伝統は俺が居た代から続いているみたいだ。
部長:「今から部結成を始めます。まず、3年から自己紹介をしていきます。」
このやり方も変わってないな。
そう思うとなんか嬉しい。
部長:「部長の長沢 癒理嘉です。パートはユーホニウムです。出身中学は極西中です。結構抜けてる部長だけど、今後とも宜しくお願いします。」
パチパチパチパチ(拍手)
副部長男:「副部長の古田 雅彌です。パートはホルンです。出身中学は室山中です。これから大変かもしれないけど、音楽を通じて一緒に頑張っていこう。」
パチパチパチパチ(拍手)
副部長女:「同じく副部長を務めます、木村 聯です。パートはオーボエです。出身中学は尾平中です。吹奏楽初心者は初めのうちは大変だけど、それを乗り越えたら楽器が楽しくなるから頑張っていきましょう。」
パチパチパチパチ(拍手)
コンマス:「コンサートマスターをやってます、増田 響平です。パートはサックスで、基本アルトサックスをしてます。出身中学は水沢西中です。これからお願いします。」
パチパチパチパチ(拍手)
・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・。
新入生を含めた部員75人の自己紹介が終わった。
癒理嘉:「では次に顧問の先生の自己紹介をお願いします。」
美也虎:「先にするか?」
小さな声で先生は訪ねてきた。
悠:「いえ、先生が先にしてください。」
そう答えるとと先生は頷き、生徒達と同じようにその場に起立した。
美也虎:「顧問の林谷 美也虎です。阿倉川中学、神林高校、三重大学出身です。パートはパーカッションをしていました。私は1年生の全クラスの教科を持ってるから新入生のみんなは私を知ってるよね。」
顔は笑ってるけど声は笑ってない。
・・・あれ?今、先生は何て言った。
「はやしや みやこ」。
そうか、結婚したから苗字が変わったんだ。
社会人になったのに水谷先生って何度も呼んで俺が無知みたいじゃないか。
実際知らなかったけど、言ってくれよ、先生。何も言わないからてっきり婿入りだと思ってたじゃないか。
美也虎:「という事で今後とも宜しく。」
パチパチパチパチ(拍手)
俺の番か。
起立してと。
悠:「副顧問の飛鳥 悠です。東部中学、白銀高校、三重北勢大学出身です。」
男子部員A:「今、白銀高校って言ったよな。」
女子部員A:「白銀の卒業生が白銀で先生できるの。」
女子部員B:「でも、なってるじゃない。」
男子部員B:「あの人シロガネの定期演奏会で指揮してなかったか。」
ざわざわ。
やっぱりこうなるよな。
ここで働く事については自分が一番驚いたよ。
癒理嘉:「はーい、静かに。トーキングタイムはこの後に設けてあるら。」
ざわざわ。
・・・・。
悠:「え〜っと。楽器はコントラバスをしてました。指導や指揮などはみず・・・、じゃない、林谷先生ほど上手くないですが、自分なりに頑張ってみんなと関係を深くしていきたいなと思います。この部活を通じて高校生活を大いに楽しんで、この部活に入らなかった人が『吹奏楽部に入れば良かったな』って思わせるぐらい楽しんでください。改めて、これから宜しくお願いします。」
パチパチパチパチ(拍手)
癒理嘉:「自己紹介も終わったし、新入生歓迎会をするので場所を移ります。部員の後について来て下さい。」
移動いた先は学校の食堂だった。
聯:「適当に机の前に着いてください。」
雅彌:「コップに飲み物を注ぎ回ってるのでない人は言ってください。」
顧問は蚊帳の外みたいだ。
部員α:「先生方は飲み物は何にしますか?」
美也虎:「私はジンジャーエールで。」
悠:「俺はサイダーをお願い。」
部員α:「緑茶がたくさん余ってるので緑茶をどうぞ。」
美也虎:「私らは残り物の処理班かい!」
悠:「っていうか、残り物って決まってるなら聞くなよ!」
部員α:「お〜、先生方ツッコミ速いですね。コンビ組まないんですか?」
美也虎:「旦那が居るからしない。」
悠:「ツッコミだけでは漫才は成り立たない。」
部員α:「勿体無い。やればいいのに。もう直に始まるので戻りますね。」
・・・・・・・・。
癒理嘉:「今から新入生歓迎会、兼御菓子パーティーをします。改めて、吹奏楽部に入部してくれてありがとうございます。面倒なんで長々と喋りません。これから共に頑張っていきましょう。乾杯!」
音楽室で同じこと言ってるよ。学生らしいから良いか。
一同:「カンパーイ。」
やっと本編を書き終えました。
いろいろ書きたいことがありますが、
まずは
美也虎先生の苗字がPROLOGUEと違うこと。
PROLOGUEでは[林谷]ではなく、[水谷]と書かれていたが、これは悠の知識で語られている。すなわち、結婚して苗字が変わった事を知らないから違うのです。
作者のミスではありません。
次に
美也虎先生の苗字の[林谷]について。
『三重の風林火山』
これは三重県の偉大な吹奏楽講師の苗字を取って出来た名称です。
風登
林谷
火浦
山元
三重県ということもあり、この4人の苗字の頭文字を合わせて『三重の風林火山』と呼ばれている。
美也虎先生は4人の内の1人、林谷さんと結婚し、苗字が変わったという事ですね。
次に
白銀高校吹奏楽部員数について。
1年、25人。2、3年、50人。
コンクールは2年、3年全員が参加し、A編成で出場予定。
次に
フィクションとはいえ学校名や固有名詞が多くて御免なさい。
最後に登場キャラの紹介を書かせてもらって終わります。
[長沢 癒理嘉]
年齢:17歳
身長:157cm
趣味:御菓子作り
その他
白銀高校吹奏楽部所属。
兼部長。
ほのぼのして面倒な事は好まないのんびり屋。
[古田 雅彌]
年齢:17歳
身長:168cm
趣味:ボードゲーム
その他
白銀高校吹奏楽部所属。
兼副部長。
何かといろんな事に巻き込まれる。
[木村 聯]
年齢:17歳
身長:159cm
趣味:音楽
その他
白銀高校吹奏楽部所属。
兼副部長。
実家はお金持ちで、礼儀正しいお嬢様。
[増田 響平]
年齢:17歳
身長:167cm
趣味:テレビ、漫画、ゲーム
その他
白銀高校吹奏楽部所属。
兼コンサートマスター。
アニメオタクで遊び人。




