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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第4章 要人警護

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積乱雲

 その頃、コックピットでは機長席にダミアンが座り、副機長席にショーンがいつものように座っていた。


「天候はどうだ?」

とシバがショーンに声をかけた。


「今のところ大丈夫そうです。ただこの時期は天気が変わりやすいので予断は許しませんけどね」


「そうか。このまま何事もなく到着できれば良いな」


「そうですね」

とショーンは操縦桿を握りながら応えた。


「ところで、ラシール帝国は来ますかね?」

とダミアンが振り向いてシバに聞いた。


「あの子爵がブリアイル王国へ亡命した事は、ラシール帝国が知らないわけはない。今頃、皇帝が烈火のごとく怒り狂っているかもしれん。このトウイ行きも把握している可能性は大きい。知っていてあの帝国が何もしてこないとは考えにくいのだが……用心に越したことはないな」

とシバもこれから先、どういう展開になるか考えあぐねているようだったが、ラシール帝国が何か仕掛けてくる可能性だけは予感していた。


「ですよねぇ……このまま黙って見逃すほどお人よしの帝国ではないですからね」

とダミアンも同意だった。


「ま、ここまで北航路を取るとは思っていないとは思うが……」

と最後まで一抹の不安をシバもぬぐい切れていなかった。



一日目は何事もなく順調に飛行は続いた。


 翌日、操縦席にはシバとアキトが座っていた。

この飛空艇で基本的に操縦が許されているのはシバ、アキト、ダミアンとショーンの四名と決まっていた。ただ、ダミアンの従弟の甲板員のトニーとブラウンも副操縦士として操縦桿を握る事がたまにあった。もっとも昔からいたクルーは一通りこの飛空艇の業務はこなせるようにはなっていたのでその辺りは融通がきいていた。


「そろそろ代わりましょうか?」

とダミアンが背後からシバに声を掛けた。


「お? もうそんな時間か? ちゃんと寝たか?」


「はい。おかげ様で」

とダミアンは笑顔で応えたが、ダミアンの後ろにはまだ眠そうな顔をしたショーンが立っていた。


「今どの辺ですか?」

とダミアンは操縦席の窓を覗き込むようにしながら聞いた。


「まだまだ北の海上だよ。今のところはすることがない」

とシバは答えた。


「本当にな。お前はほとんどそこで寝ていただけだったからな」

とアキトが呆れた様な口調で言いながら副操縦席をショーンと代わった。


「まあな」

とシバは笑って誤魔化していた。


「ということはそろそろですかねぇ……」

と飛空艇の前方を見つめながらダミアンは言った。


 ミカサの前方に強大な積乱雲が待ち構えているのが見えた。巨大なキノコ雲が前方から迫ってきていた。


「ありゃぁ、迂回しないとですねぇ……でもねぇ……」

とダミアンは言いながらも歯切れが悪い。まだ何か言いたげな表情だった。


「お前にも分かるか?」

同じように前方の積乱雲を睨みながらシバが聞いた。


「そりゃね。こう見えても危険察知は得意技ですから。あんな取ってつけた様なきのこ雲なんて……」

とダミアンは苦笑いを浮かべながら言った。まるであの積乱雲が魔導士の魔法か何かだと言わんばかりの言いようであった。


「そうだった。これは失礼した」

とシバも笑いながら謝った。

ダミアンの盗賊スキルは周辺探査スキルも兼ねていた。シバやアキト並みの広範囲をカヴァーしているのでそれはもう探査というより索敵に近いものでもあった。


 二人は目の前に迫る積乱雲を凝視した。


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