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皇女殿下の飛空艇~皇女殿下は鬼畜な艇長にしごかれています~  作者: うにおいくら
第3章 嘆きの迷宮

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目的達成

「ソフィア!!」

と叫んでクロードがソフィアを庇うように、ファイアエレメンタルに剣を向け対峙した。


「大丈夫。ちょっと油断したわ」

ソフィアの傷は深手ではなかったようだ。


 すぐにフローラが


「ヒール!」

と叫んでソフィアに処置を施した。おかげでソフィアは立ち上がる事が出来た。


「思った以上に動きが早い。気を付けて」

とマリアがそう叫ぶと


「ディレイ!」

と遅延魔法を発した。


ファイアエレメンタルの動きが緩やかになった。


「効いているぞ。今のうちにブラウン!」


「分かっているって!」

とブラウンはクロードの声に応えると


「アクアランス!!」

と叫んで水の槍を十数発連打した。流石に一度にこれだけの攻撃を受けると、ファイアエレメンタルの炎の身体が一回り小さくなってきた。

ブラウンの魔法が効いているのは誰の目にも明らかだった。


「このまま押し切るぞ!」

とブラウンが叫んだ。


 ファイアエレメンタルは人の形から丸く収縮し変形した。クロードはそれがブラウンの攻撃のせいではなく、自ら力を溜めるように収縮したように見えた。


「コーネル! ソフィアの前で盾だ! マリア! 水の壁だ! 急いで!」

とクロードが慌てたように叫んだ!


 マリアが慌てて

「ウォータープリズン!!」

と叫びファイアエレメンタルを水の牢で包み込んだ瞬間、


「エクスプローション」

と地の底から湧き出るような腹に響くような重い声と共にファイアエレメンタルが自爆した。


 マリアが出した水の牢は消し飛び、パーティメンバーは一気に大量の水を浴びる羽目になったが、最後の自爆の巻き添えは回避できた。


「よく自爆すると分かったな……」

とコーネルが自爆の跡を見つめながらクロードに聞いた。


「うん。あの収縮がブラウンの攻撃によるものだけではないような気がしたから、何か仕掛けてくると思ったんだけど、とにかく全員無事で良かったよ」

とクロードは安堵したように笑顔を見せて言った。


「コーネル。ありがとう。助かりました」

とソフィアがコーネルのそばに来て礼を述べた。


「いえ。ソフィア様。あれは彼の指示です」

とクロードに改めて視線を送りながら言った。


――あれを一瞬で見極めて、瞬時に指示を出したのか? なんて奴だ――


とコーネルはパーティリーダーの器の意味を感じながら見つめていた。


 コーネル自体の騎士としての戦闘力は高いものであったが、冒険者としてダンジョンを攻略するのはこれが初めてだった。しかしながら自分だけでなく常に他の仲間の動きも察知しながら指示を出す事が、如何に難しい事かぐらいは察しが付くだけの経験は積んでいた。


「さて、あの宝箱は何が入っているかなぁ」

とクロードは緊張感のない声で宝箱に手を掛けた。


「おい。クロード。見え透いた宝箱に安易に手を掛けるな」

とブラウンがたしなめる様に声を掛けた。


「大丈夫だって!」

と全く意に介さないようにクロードは自信ありげに言った。


と宝箱の箱を開けた瞬間、

ぐわっと蓋が更に大きく開きクロードの身体を挟み込んだ。


「痛いよぉ。何すんだよぉ」

とクロードは泣き言を叫んでいた。


「お約束かぁ……」

とうんざりした表情でブラウンは墓のメンバーの顔を見回した。

みんな呆れた表情を浮かべてその様子を見守っていた。


コーネルは


「開けても開けなくても出たな」

と一人悟りでも開いたかのような何の感情も感じられない声で呟いた。


「はぁ」

とブラウンはため息をつくと、その宝箱を槍を突き刺し粉砕した。


「いつまでも遊んでいるんじゃねえよ。今日はここで引き上げるぞ」

とだらしなく床にぶっ倒れているクロードに言い放った。


「さあって、さっさと帰るかぁ……」

とぞろぞろと皆クロードを見捨てて扉に向かって歩き出した。


「今度はいつ来ようか?」


「あまり間隔は空けたくないよねえ」


「そうだなぁ……これから先に行くためにも、もう少しソフィア達にもダンジョンに慣れてもらわないとだよね」

と完全にクロードの存在など忘れたように各々勝手な事を言いながら歩きだした。


「ちょっとぉ。置いていかないでよぉ……」

と情けない声を上げてクロードは仲間の後を慌てて追いかけて行った。




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