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皇女殿下の飛空艇  作者: うにおいくら
第3章 嘆きの迷宮

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三十階層到達

 翌朝、宿屋で十分休息を取り体調を整えたパーティは再びダンジョンの攻略を開始した。


二十六階層に入ると洞窟に沼地も現れた。

何度かその沼地のような場所でモンスターと戦う事となったが、二十階層までと違って進むにつれて現れるモンスターもゴーストだけでなく河童や馬の姿をしたケルピーも現れるようになった。


 このクロード達は何度もここを訪れているだけあって苦も無く退治していた。そして新たに増えたパーティメンバーとの連携が思った以上に上手くいっていたので、クロードやブラウン達にとってある意味それは嬉しい誤算だった。


――流石、実力者だな。すべき事を言われなくても理解している――


とクロードは心の中で頼もしい仲間が増えた事を喜んでいた。それはブラウンとフローラも同じだった。


 そして何の問題もなくパーティは三十階層に到達した。

そこはダンジョンではなく、目の前には高い天井と広い洞窟が広がっていた。その洞窟のほとんどを沼のような池が占めていた。クロードには見慣れた風景だった。


――何度この風景を見た事か!――


とクロードは心の中で叫んでいた。


 この洞窟の先を見ると、池の縁の向こうに壁が見え、そこには大きな扉がそびえていた。

その扉を遠くに見つめながら


「いつもこの階層で引き返していたんだよなぁ……」

とクロードがしみじみと感慨深そうな表情を見せて呟いた。やっと今まで溜めた悔しさを一気に晴らす事が出来ると思うと心が躍った。


「さて、行くか」

クロードはそう言って歩き出した。その後を他のメンバーもついて行った。


 ここの階層の通路は、思った以上に道幅が広い。通路というより両側が池や沼に囲まれた街道を歩いていると言った方が適切な表現だった。


 突然、池の淵の草むらからスライムが現れた。見た目は色も形も通常のスライムと同じだが、低階層のスライムとは違って倍ほど大きかった。


「あれはアクアスライムか?」

とコーネルがクロードの前に、盾を構えて立ちふさがった。


「そうだよ。弱い毒性の水を吐くので気を付けてね」

とクロードは答えると


「マリア! 得意の火の玉をお見舞いして!」

と叫んだ。


「別に私はファイアーボールが得意技ではない」

と言いながらもマリアは火の玉を連打してアクアスライムを消滅させた。


「やっぱ、得意じゃん」

とクロードは笑ったがマリアは不満げな表情を見せていた。


 結局この階層も強力なモンスターや魔獣にも出遭わないまま、パーティは大きな沼のような池の前に到達した。

池の向こうには壁があり、大きな扉が見えていた。まるで冒険者の行く手を阻むようにそこに池があった。


「ここは池のふちのあぜ道に沿って、あの扉の前まで行くしかないな」

とコーネルが池の対岸にある大きな扉を眺めながら言った。


「うん、その通りだと思う。コーネルはどっち側の淵を歩く方が良いと思う?」

とクロードが聞いた。

クロードはいつもこの池に到達した時点で引き返していたので、この池の淵のあぜ道を歩いた事が無かった。


「そうだな。池の縁はあぜ道というより土手だな。その上狭いし足場も悪い。池の反対側は沼の様にぬかるんでいる。はまれば足を取られそうだ。ここを一列にかたまって歩くのは危険かもしれん」

とコーネルは答えた。


 彼はこの縁を進みながら、モンスターに襲撃された場合の対応を考えていた。


――間違いなくモンスターはこの池の中から現れる。魔法系か物理攻撃系かによっても対応は変わってくるが……かたまって歩くと、一撃で薙ぎ払われてしまう可能性もある――


 どんなモンスターが現れるのかが判らない今、コーネルは迷っていた。全員がかたまって片側を歩くのと、別れて両側から進むのとどちらが襲われた時の対応が上手くいくのかを考えあぐねていた。出現したモンスターによってその対応は変わる。


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