表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇女殿下の飛空艇  作者: うにおいくら
第1章 炎龍退治

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/21

皇女殿下ソフィア

「あれ? なんだが人が増えていますね……クロードとフローラ、それにブラウン以外に一人いますよ」

ショーンが驚いたように声を上げた。


「うむ。お客様のご乗艦予約は聞いてはいないんだが……まぁ、ある意味予想通りか……」

とシバも怪訝な顔をしながら窓から地上を見つめていた。

地上にはいつものメンバー以外に長い髪をなびかせた女性が立っていた。


「あれは絶対に貴族様だな。王族の騎士に今日の酒!」

とシバが唐突に叫んだ。


「じゃあ、俺は剣士か単なる冒険者に賭ける!」

とアキトが慣れたようにそれに答えた。




 飛空艇の左舷のカーゴドアが勢いよく横滑りして開いた。

扉を開けたのは、さっきの戦闘で左舷機銃座に座っていたシルフだった。


「よぉ。クロード! お疲れ!!」

と草原で飛空艇を見上げている四人に声を掛けた。


「ナイスタイミングで助かったよ」

とクロードが片手を上げて言った。


「それにしても、ドラゴン退治をやるなんて聞いてなかったぞ!」


「おいらも予想外だったよ」

とクロードは笑いながら言った。


「まあ、無事にご帰還で何よりだ。でもなんだ? お客様がいるのか?」

とシルフは首をかしげながら聞いた。


「うん。ソフィア姫……だよ」

とクロードはシルフに向かって叫んだ。


「そっかぁ……ソフィア姫かぁ……って、もしかしてモルタリア帝国の皇女様だってぇ?……」

とシルフは驚いたように叫んだ。


「うん」

とクロードは笑った。


 そこへシバもカーゴドアから顔を出して

「クロード、ご苦労。でもありゃなんだ? 炎竜まで引き連れてくるとは聞いてなかったぞ」

とシルフと同じような事を聞いた。


「本当にね。僕も驚いたよ。でも流石艇長だ。助かったよ」

とクロードは笑みを浮かべて言った。

それを受けてシバも笑いながら


「礼ならカーンに言え。一発で仕留めたからな」

と返した。


「そうだね。後で言っておくよ」

とクロードは笑顔を見せた。


「なんにせよ無事でよかった。どういう経緯(いきさつ)でこうなったか聞きたいもんだな」



「その件は後で詳しく報告するよ」

安堵の表情を浮かべながらクロードは答えた。


「分かった。で、今回はお客様連れなんだな?……」

とシバは聞いた。


「まあね……」

クロードは苦笑いしながら言った。

シバはうなずくと黙ってクロードの隣に立っている女性に視線を移した。


「ソフィア。この人がこの(ふね)のシバ艇長だよ」

とクロードがシバを紹介した。


 ソフィアは軽くうなずくと

「私はモルタリア帝国第一皇女ソフィアです。この度は助かりました」

とシバに頭を下げた。


「いえいえ。危ないところだったようですね。とにかく、無事で何よりです皇女殿下。詳しいお話はあとで伺いましょう」

とシドは慌てる様子もなく落ち着いて応えた。しかし右手の拳は力強く握られており、表情には『してやったり』と満足そうな笑みが浮かんでいた。今日の酒はアキトの奢りが確定した。


 その二人のやり取りを見てクロードが

「という事で全員の乗艦許可貰えるかな?」

とシバに聞いた。


「当然だ。許可する」

とシバは笑った。


「後で艇長室に報告に行くよ」

とクロードがシバを見上げながら聞いた。


「分かった……俺の部屋に来てくれ」

そう言うとシバは艇内に消えた。


草原にいた四人はシルフに促されて飛空艇に乗艦した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ