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皇女殿下の飛空艇  作者: うにおいくら
第3章 嘆きの迷宮

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十階層ボス

 その様子を見て


「ダンジョンに入るのは初めてだったよね」

とクロードが改めて言葉を掛けた。


「うん」


「モンスターを切ったのは?」


「ダンジョンでは初めて。でも今まで戦ったことがあるのはスライムやゴブリン。他は虫系の弱いモンスター位。こんな話しかけてくるモンスターは初めて。本当に嘆きたくなったわ」


「だろう? だからここではモンスターが出たら躊躇(ちゅうちょ)なく叩き斬らないとダメなんだよ。冒険者を続けたいのであればね」


「分かったわ。これからはそうする」

とソフィアは応えた。と同時に


――前の世界ではRPGは得意だったもの。大丈夫――


と自らに言い聞かせていた。


――でも、もし今のが知っている元冒険者のなれの果てだったら……――


と思うと一気に気が重くなった。ソフィアの表情が一気に曇ったのを感じたクロードが


「僕たちはね、知り合いの元冒険者を叩き斬った事もあるよ。最悪の気分になるけど、こればかりは仕方ない。ま、うちのギルドの連中はそういう経験をしている奴が多いよ」

と吐き捨てるように言った。


 クロードにはソフィアが考えている事が手に取るように分かっていた。それは過去に自分自身も同じように経験し同じような事を感じていたからだった。

そしてさっきソフィアに掛けた『冒険者を続けたいのであればね』という言葉は、クロード自身がシバから言われた言葉だった。


 クロードの話を聞いてソフィアは『自分がその場にいたら』と想像して、思わず背筋に冷たいものが流れるのを感じていた。


――相手がもし仲のいい冒険者だったりしたら、私は斬り捨てられるのかしら……いくら何でもそれだけはご免被りたいな――




 十階層の最終地点に到達した。そこにボス部屋らしきものの大きな扉が閉じてあった。

その大きな扉の前で


「ここはアンデッドの親玉デスナイトが待っているよ。一応フロアボスなので今まで出てきたモンスターよりは強いよ。武器もこの階層にしては強力なので、大丈夫だとは思うけど気を付けてね」

とクロードがソフィアに声を掛けた。

ソフィアとマリアは黙ってうなずいた。


「じゃあ、入るね」

とクロードは扉を押し開いた。

『ギィ~』と錆びた蝶番がきしむ音が響いた。


 部屋の中に入ってみると、そこは何もない崩れかけて薄汚れた壁に囲まれた広間のような部屋だった。

その部屋の真ん中あたりに巨体のデスナイトが仁王立ちして待ち構えていた。


「コーネルより大きいわね」

とマリアが呟いた。


 前衛に立つコーネルと見比べると彼が子供に見えるような上背で、圧倒的な威圧感を与えてくる。生前は名のある騎士であったかもしれない。


「こいつは僕とソフィアでやる。コーネルは盾を任せた。あの剣には呪いの付与があるのでマリアはデバフとバフの両方を頼む。ブラウン……お前は何でもいいから真面目にやれ!」

と笑いながらクロードが叫ぶと


「判った」

とコーネルが突進した。

 ブラウンは


「いつも真面目にやっているだろ!!」

と反論しながら後方から魔法で火の槍をデスナイトめがけて打ち込んだ。


 デスナイトは大剣をコーネルに振り下ろした。コーネルはそれを盾でしのいだ。

その瞬間『ガン!』と金属がぶつかり合う猛烈な音が広間中に響いた。ブラウンが放った火の槍がデスナイトの両肩に刺さる。


 二人がデスナイトの動きを封じている一瞬を突いて、マリアがデスナイトの武器の呪いを軽減するためにデバフを発していた。と、同時に素早くソフィアとクロードに防御と攻撃力強化のバフを施した。


 体勢は整った。

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