表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇女殿下の飛空艇  作者: うにおいくら
第3章 嘆きの迷宮

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/40

ギルドにて

 その日、クロード達冒険者パーティ一行はモルタリア帝国首都のデークハーゲンのギルドに居た。

冒険者パーティ全員でギルド内のレストランで昼食を取っていたが、先に食い終わったクロードとブラウンがギルドの掲示板を食い入るように見ていた。この二人の特技は早食いだった。ちなみにこれはもちろんスキルなんかではなく単なる彼らの特技だった。

 

 彼ら冒険者パーティがここに来た一番の理由は、ここの掲示板から面白そうなクエストを探す事だった。


「クロードさぁ、なんか良いのあったぁ?」

とブラウンが掲示板の張り紙を眺めながら聞いた。


「う~ん」

とクロードは掲示板を見つめながら首を傾げていた。彼もブラウンと同じように、掲示板に貼ってある多くのクエストの依頼書を順番に見ていた。しかしなかなか気に入ったクエストは見つからなかった。


「せっかく、シルバー級冒険者になったんだからなぁ。なんか今までと違うクエストをやりたいよなぁ」

とブラウンが掲示板を見ながら言った。


「そうだよなぁ……あ!」

と突然クロードが声をあげた。


「なんだ? 面白そうなのがあったのか?」


「いや、これなんだけど」

とクロードは一枚の依頼書を掲示板から剥がして手に取った。


「うん?」

とブラウンが覗き込むとそこには『炎龍退治』と書かれていた。


「ん? 炎龍かぁ……確かに高額案件だけどなぁ……」

とため息交じりにブラウンが答えた。彼はあまり気乗りしなさそうだった。


「そうなんだよなぁ……つい最近やったばかりだし、また艇長がドヴァリンのオッサンに怒鳴られるからなぁ……」

とクロードも今一つ乗り気でなかった。


「だなぁ……シバの旦那……『一撃離脱だ!!』て突っ込むの大好きだからなぁ。オージーのオッサンも好きだもんなぁ。それにカーンのオッサンなんかすぐに砲撃(ぶっぱなす)し、あのオッサン連中を誰も止めようがない」

とブラウンはうんざりした様な表情で言った。嫌いではないが彼も『炎龍退治』にはもう一つ気乗りしない。ドヴァリンの艇長たちへの説教は他のクルーたちにも伝播する。すなわちとばっちりである。彼らにとっては身に覚えのない火の粉が降りかかるようなものだった。


『お前らも黙って見てないで止めろ!』

と二人同時にドヴァリンの怒鳴り声が聞こえたような気がした。


「本当に止めようがないよなぁ。それにあんなデカい図体の戦艦だぞぉ。あんなもんで急降下・急上昇なんて、普通あり得ないだろう?」

シバはいつもミカサの事を『飛空艇』と呼んでいるが、実質は航空戦艦である。それも最新式の戦艦でもある。


「それはそうだけどさぁ……クロード、艇長の前で『戦艦』とか言うなよ」

とブラウンが眉間に皺を寄せて言った。


「おっと、そうだった。でもミカサはどう見ても航空戦艦だよなぁ。三連装の砲塔はあるし、機銃も4門装備しているしどう見ても戦闘艦だよな。それも最新鋭の……。あんな武器を積んでいる飛空艇なんかないぞ。それにデカいし……」

とクロードは愚痴った。彼の憤りはもっともだった。


 この時代の航空戦艦は単発の固定砲だった。航空戦艦の両脇に単発の大砲が何門か横並びに備え付けられているという代物だった。機関銃も装備していなかった。艦内からライフリング加工もされていない単発銃での攻撃が関の山だった。


 そんな中にあってミカサは、どう見ても世界最強・最新鋭の航空戦闘艦である。それを『飛空艇』と言い張るシバのこだわりをクロードは理解できなかった。もっともそれはクロードだけでなく他の誰も理解できなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ