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皇女殿下の飛空艇  作者: うにおいくら
第2章 皇女様の飛空艇

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基地の中

 別荘風の建物に見えたのはこの飛空艇の拠点であり、飛空艇誘導の為の管制塔でもあった。ここはこの世界に数カ所あるシバたちの飛空艇の整備基地の一つであったが、ここが一応本拠地として機能していたし規模も一番大きかった。


「レイチェル。少しいいか?」

と別荘と呼ばれる本部に向かう通路でシバは一人の女性の部下に声を掛けた。彼女はこの基地内でのシバの副官と言う立場だったが単なる『お側付き(メイド)』とも仲間内から言われていたりした。元々はミカサに乗艦しており、アキトの代わりにシバに助言する事もある立場だった。シバが信頼を置いているクルーの一人だった。


「おかえりなさい艇長。何でしょうか?」

とレイチェルは、はきはきとした口調で笑顔で応えた。


「このソフィアたち三人を部屋に案内してあげてくれないか。これから彼女たちはクロード達と一緒に冒険をする事になる」


「そうなんですね。判りました。パーティメンバーが増えてクロード達も心強いですね。ではお三方、こちらへ。今からご案内します」

とレイチェルはソフィア・マリア・コーネルの三人に笑顔を向けると、手慣れたように連れて行った。


 その様子を見ながらアキトが

「お前は昨日の酒がまだ抜けきってないだろう?」

とシバに声を掛けた。昨夜シバとアキトとフレデリックの三人は夜遅くまでというか、朝方近くまで飲み明かしていた。久しぶりに積もる話に花が咲いたという状況だった。


「まぁな……」

とシバは硬い表情で三人の後姿を見つめたまま生返事をした。


「どうした? 何か気になる事でもあるのか?」

とアキトも視線を三人に移した。


「いや、何でもない……が、『本当にフェリーがソフィアを俺たちに預ける気になったんだなぁ』っと思っただけさ」

そういってシバは軽く首を振った。


「それなぁ……俺なら躊躇するかもなぁ……」

とアキトもシバの言葉に色々と思いを巡らせているようだった。


「だろう? よくあの親バカが決断したなぁと思ったのさ。そんな事よりお前はクララとサラに早く会いたいだろう?」

とシバは話題を変えた。それほど深刻な話でもないので、これ以上の詮索は止め、話題をアキトの家族にふった。アキトはこっちの世界の人間と結婚して家庭を持っていた。


「うむ。そうだな。二人の顔を見るのも久しぶりだからな」

とアキトは満面の笑みを浮かべて言った。彼の言葉通り家族に会うの半年ぶりだった。


「じゃあ、俺はひと眠りするから、後で俺の部屋に来てくれるか?」


「判った。時間になったら起こしてやるよ」

とアキトは笑った。


「頼む。それじゃあ、クララによろしくな」

と言ってシバはアキトと別れた。


 その後シバはベッドに倒れこんで爆睡した。


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