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No.01

1993年4月9日(金)


満開を過ぎた桜、冷えたアスファルトを朝露あさつゆと一緒に散り落ちた花弁で彩り始めた朝。


世間は新生活、希望に満ち溢れた学生たち、不安がいっぱいで緊張感で硬くなった新入社員、今年も変わらずマンネリにうんざりする人たち、そんな思いの人たちを詰め込んだ電車は9時を過ぎ、穏やかな車内に変わってきだしたお昼前の午前11時。


大阪環状線の車内、ガラガラに空いた座席に座らず列車の先頭、運転席の後ろから眺めれる窓から列車から見える遠い先をずっと見つめている女が居た。


私の名前は、ムカイミユウ。美しく結ぶと書いてみゆうと読む、母親、小さなころから友人からはミューとよく呼ばれていた。みゆ!と呼ぶ子も居たが親しき人からはミューと今でもよんでもらっている。


大阪に出てきて8年。最初は私も希望に満ち溢れていた広島の田舎町から出てきて人の多さと慌ただしさに圧倒され、阪神タイガースが21年ぶりの優勝、日航機の事故、いろんな出来事があった年で今も鮮明に当時の事を思い出させる。


私も最初はこの電車で、満員の電車に揉まれていた。ドラマで憧れていた大企業でのOL。必死に勉強して入社した。でもそれは1年経らずで消してしまった。よくある人間関係とかではなく、たった1年だったが当時に仲良くしたいたOL仲間もよく今でも会っている。


辞めた理由は食費。こんな理由恥ずかしくて誰にも言えないし理解もしてくれないだろう。食べても食べても足らない。挙句は食べ物を買うために借金までして。取り立てに来た怖いお兄さんから「風俗でもして働いたらどうだ?」と酷いことを言われたが、本当にそうなってしまった。


大企業からの転落して今では風俗嬢


私の名前は、ムカイミュー


今はあまりその名前を自ら発することはない、今では色んな名前でお店に言っている。先月男が去っていったので更に本名を言う機会は少なくなった

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