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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

JKスパイの裏事情

作者: UReI

初投稿という訳ではありませんがよろしくお願いします


黒丸より下は三人称視点となります

「雪華、私と付き合ってくれない?」


私は、美女子(・・・)に壁ドンをされている。この状況は一体全体どうしてこうなったんだろう。思い返してみよう今までの自分の人生を





私の名前は、文月 雪華(ふみつき せつか)


今は高校生をやりながらスパイをやっています。私は生まれてすぐに孤児院に捨てられて親の顔は、全く知らない。私に生きる術を与えてくれたのは孤児院を経営している組織だった。その組織は表向きは慈善団体でありながら、裏では、国の汚点となるものを取り除くために情報を集めたり、ときには直接排除することもある


孤児院では、0~18歳の子供が住んでいて、裏ではカーストが存在しているため、年上の子供が年下の子供を配下にしたりしていた。結果、大人にバレていないからこそ、行動は過激で暴力によって支配されることも多かった。ただひたすらに、幼い子供はストレスのはけ口にされていた。私もその例に漏れることなく暴力のはけ口にされていた


そんな中、私は3歳で才能を見出されて訓練を受けることになった。その訓練は、幼い子供がするには過酷すぎる内容だった。しかし、それでも私は生きるために必死だった。訓練を受けなければ孤児院に戻されてしまうから。命を守るためには、組織に認められなければならなかった。だから、私は常に一番を目指した。誰よりも全ての訓練を集中して技術を自分のものにした。そうして、私は学生スパイとして一番になった。ちなみに訓練は3~12歳まで続いたので小学校には行っていない。中学生になってからは楽しかった。色々と出来ていなかったことを体験した。それに、友達も多く出来た。スパイ仲間はいるけれど、彼らはどっちかと言うと家族というイメージが強い。小さい頃、とても仲の良かった女の子がいたけれど、別の施設で訓練を受けることになって、移動していった。そのまま、今までの任務でも会えていない


そして、私は高校生になった。中学の友達と別れてしまったけれど、友達も新しく出来て楽しく学生生活を送っている。それと並行してスパイ活動もしている。最近は、政治家の横領の証拠を抑えて組織に提出した。この任務もなかなか大変で、あと一歩のところで危うく見つかって捕まるところだった。ちなみに、私は任務成功率は100%だ


学生の間はあまり任務はないと組織に言われているので、青春を謳歌することが出来ている。彼氏はいないけど、というか友達と遊ぶのが忙しすぎて彼氏を作るという気にならなかった。まあ、孤児院で男の子に虐められすぎて、やや男性不信になってるから彼氏なんていらないけど。それに組織が恋人を持つのは、任務に支障があるからNGと言われてるしね


そして、冒頭に戻る。私が高校に入ってからもう既に季節が一周しようとしている。私がよく遊ぶ女子3人は、来海 玲香(くるみ れいか) 高崎 七海(たかさき ななみ) 和田 咲(わだ さき)だ。この中でも特に玲香とは『親友の誓』を結ぶほど仲がいい


今日は、七海と咲が生徒会で一緒に帰れないから日直の仕事がある玲香を、私は教室で待っていた。中々帰って来ないな~と思いながら教室で机に突っ伏していると


「雪華。何をしてるの?」


「先生。玲香を待ってるだけですよ」


私に声をかけてきたのは、ウチのクラスの担任霧影 杏香(きりかげ きょうか)にして、私の直属の上司。組織の幹部らしい。うちの組織では自称は全く当てにならない。そして、この人はかなり権力があるはずだけど、全く威張ることはないから私はこの人の部下で良かったと思っている


「あら、本当に2人は仲がいいわね」


「そうですか?」


「組織の学生組最強にして、一番クールなあなたが玲香の前では、リラックスして笑顔を見せたり笑ったりして、感情を表に出してるのがね。まあ、組織の中では、完璧でいつ続けようとしてくれているから外では、そういう一面があった方がいいと思うけれど」


「そんなに、分かりやすく顔にでてますか?」


隠せてるつもりだったのに。と言うか、私クールキャラを演じてるつもりないんだけどな。私はそんなことを考えながら、頬を引っ張って表情筋を伸ばそうとした。それを見た先生は笑いながら


「あなたは少し肩の荷をおらしなさいな。ひとりくらい真面目な子がいるとありがたいけどね。そうそう、今度うちに新メンバーが入ることになったから」


「へー、何の担当ですか?」


「情報よ。今まで私だけだったから負担が大きかったのよね。だから、追加を組織に頼んだのよ」


「了解です」


廊下から足音が聞こえてきた。それに気づいた先生は


「今度の招集は全員参加だからよろしくね。あと、途中からひとり暮し始めたけど大丈夫なの?」


「大丈夫ですよ。問題ありません」


「それならいいのだけどね。私は、ひと仕事してくるわ」


そう言って先生は、教室を出ていった。足音は全く聞こえなかったけれど


先生と入れ替わるように入って来たのは、玲香だった


「雪華、ごめんおまたせ。杏香先生のとこに行ったら仕事を押し付けられて。それなのに、あの先生は雪華のところにきてるなんて」


「それは、災難だったね。玲香、今日はどこに行く?」


「その前に、雪華。窓閉めてくれない?」


「OK」


私は、開けてあった窓を閉めに行った。そして、最後の窓を閉めて振り向くと、すぐそこに玲香がいた。私の方をじっとみている


「どうしたの玲香?」


私がそう聞くと、玲香は急に私の方に近寄ってきて、手を伸ばした。そして、後ろの窓からドンという音が聞こえた。その後にはピシという音も


私は、この状況になって気づいた。自分の心臓がバクバクと音を立てていることに。いつもの任務では、緊張してもこんなことにならないのに!これは、所謂、壁ドンというやつではなかろうか。後ろは窓だから窓ドンかな?そんなことを考えていたら


「雪華、私と付き合ってくれない?」


やっぱりーーーーーー!男子から告白されたことはあったけど、女子からはなかったな…ってそんな場合じゃない


「玲香、それは勿論『Like』じゃなくて『Love』という意味でだよね」


「もちろん。そうじゃなかったら、こんなに恥ずかしいことしないわよ…それで………」


「えっと……」


間近で見た玲香の顔はとても綺麗だった。綺麗な黒目黒髪をみてるだけで1日を過ごせると思う。それに性格をいいし、気遣いもできるし、頭もいいし、たまに子供っぽいところもあるけどそこも………………


それに、私をとっっっっっっっても大事にしてくれるから言われて嫌な気はしないけど、でも組織のこともあるし……てか私、玲香のこと好きすぎない?もしや、これは私もLoveなのでは……


私が心の中で迷っていると、玲香は悲しそうな表情をして


「私は好きじゃない?」


「そ、そんなことはないよ」


泣きそうな顔はずるい。心がキュンとしてしまう


「玲香の気持ちは嬉しいけど………」


「だめなの?」


「うっ」


やばい。本格的に泣きそうだ。どうかしないとでも、組織のこと話せないし


「親からまだ早いって言われてて」


「雪華、親いないじゃん」


しまった。墓穴を堀た。この返しは不味かった


「今は、そういうことは考えたくないんだ。もう少し大人になってからにしたいな~って」


「私には魅力がないの?」


玲香の目は涙が目尻に集まってきた。そして、玲香は少し俯いてから、諦めた顔をして


「なら、この話は忘れて。帰ろっか」


そう言って、伸ばしてた手を引っ込めてそのまま、自分の荷物を取るために席に向かって歩いて行った。私はその姿をみて行動を起こさずにはいられなかった


「そんなことない。私は玲香のことが大好きだよ」


私は玲香に後ろから抱きついた。本能からの行動だった。普段なら絶対にしないのに。そして、玲香の耳元で


「もう少し経ってからでいい?」


と言うと、玲香は耳まで真っ赤にして


「うん」


と言った


玲香は私が抱きついた状態から、私の方を向いて私と同じように抱きしめた。そして、


「待ってるよ。でも、なるはやでお願い」


「うん」


私達は、抱きしめ合いながら無言だった。5分ぐらいたったところで


「ほんとに2人の仲がいいのは分かるけどそれは学校でやるべきではないと思うわよ」


「「ふぇ!?」」


先生が扉のところにもたれかかっていた。こっちをニヤニヤした顔で見ていた。てか、気配に全く気付かなかった!


「にゃ、にゃんでいるんですか?」


驚きすぎて私の言動がおかしくなった。それを聞いて


「『にゃんで』って。あっははははははははは」


先生はお腹を抱えて笑った。それを見たらイラッとした


「な・ん・で・い・る・ん・で・す・か?」


「あぁ、苦しかった。なんでって、帰ったかな~と思ってね。それで雪華はどうするの?ちゃんと返答してないでしょ」


「そうですけど。ってか先生、名前で呼んでる」


先生と2人の時以外は苗字で呼ぶのに


「あっ、そうだった」


先生は、ドジっ子がやるように舌を出して、テヘッとした。玲香はそれを見て


「母さん、雪華を虐めないであげてよ。それに、雪華は私の大切な親友で恋人(仮)なんだから」


玲香は私を自分の方に引き寄せてそう言った。私はそれを聞いて嬉しく思った。それに、玲香の腕の中に収まるとき顔が熱くなった……うん?ちょっと待って今なんて言った


「母さん?先生が玲香の母さん?」


「そうよ、この人が私の母さんよ」


?????


「そうなの!?先生」


「そうよ。それに新メンバーはこの子よ」


「えっーーーーーーーーーーーーーーー!」


私は開いた口が塞がらなかった


「なら、玲香も組織に入ってるの?」


「もちのろん」


「それなら、組織の規定があるって言おうと思ったけど、そういえば組織内ではいいんだっけ」


「そうよ。まあ、あなたを試したってのもあるけどね」


「それなら、さっきの言葉は嘘?」


「それはないよ。私の雪華に対する心は誰にも負けないから」


それなら良かった。もし、嘘だったら泣いてしまうとこだった。ただその言葉を聞いて少し恥ずかしくなってしまった。心無しか頬も赤くなってる気がする。私はそれを隠すように玲香から視線を逸らした。逸らした先で先生が笑っている


「まあ、あなた達なら公私の区別はつくから大丈夫でしょ。それに、このお転婆な娘には雪華ぐらい落ち着いた子が必要だしね。雪華は私の娘みたいなものだから今更違和感ないし」


「なんで結婚が前提みたいに、まだ付き合ってもないのに」


「あらあら?あなた達あんだけ仲が良いのにそれを言うのかしら?それに、そんな生易しい気持ちで好きって言ったのかしら?」


「そんなことはないです。けど……」


「あなたがあそこに戻らないようにするために、小さい頃から頑張ってるのは知ってるし、その所為で任務第一になってしまったのはこちらの落ち度なのだからね……」


先生は悩ましげに髪をクシャッとした。それから、私の頭を撫でなでた。私はこの先生から頭を撫でられるのが嬉しい。親から私は愛を受けたことがない。だから親の代わりとして接してくれている先生が任務に成功した時や試験に合格した時に頭を撫でてくれるのがたまらなく嬉しい。たまに、先生は自分が何かを隠してる時や動揺してる時に自分の髪を崩してから私の頭を撫でることがあるから今回はこっちのパターンだ。先生は何かを決心したような顔をして


「よし。今日から一緒に暮らしましょう。どうせ、あなた達は結婚まで行きそうだし。それに、あなたの体調が不安だし」


???


「それいいね。雪華が一人暮らし始めてから少し髪の質が落ちた気がするし。もふもふ具合が少なくなったからね」


?????


「引越し業者を手配して、住所を変更して、学校の書類もいじっておかないと。やること多いからちゃっちゃっと片付けるわよ」


「了解、母さん」


「ちょっと待った!」


「何?どうしたの?」


「なんで、私の同意なしで話が進んでいくの?!」


「あなたの体調を考えてよ。それに、今度にすると今のあなたの部屋の状況がわからないでしょ?あなたはきっと取り繕うだろうから。さあ、という訳で行くわよ」


私は、先生と玲香に引きづられて家に連行されて行った……抵抗したらしたで上司権限を使われて、手も足も出せなくなった……









引越しが終わり、私達は霧影家にいる。ここは大きな一軒家で、部屋があり余っているらしく、二階の一室が今日から私の部屋になった。現在は先生じゃなかったお義母さんの作った夕食を食べて一息着いたところである。呼び方については、学校から私の元自宅に行く時に、なにか名状しがたい圧で『お義母さん』と呼ばざるおえない状況になった。その時のお義母さんの顔は道端を歩いていた子供が見た瞬間号泣するレベルだった。あれは、しばらく夢に見そうだ。というか、親子のはずの玲香ですら堪らず目を逸らしていたから、正面から受け止めた私を褒めて欲しい。そう思っていたら、お義母さんが業者に対応している間に、玲香がハグして褒めてくれた


お義母さんが洗い物から戻ってきて、顔合わせとなった……が他のメンバーはどうやら自分のことで忙しいらしく結局、私と玲香とお義母さんだけで行うこととなった


「うちのチームは自由人が多いとは言え、ここまで集まらないのは珍しいですね」


「今日の招集は雪華と玲香がメインだから遠慮したんでしょ。他のメンバーは基本的にあなた達の仲の良さを知ってるしね」


「どういうことですか?」


なんで、他の人が知ってるの!というかそもそも、告白されたの今日だし


「あなた達はかなりというか普通の親友よりは距離が近いのよ。それを私が話したらちょくちょく学校に二人を見に来てたの。まあ、玲香をうちのグループに入れるから性格や容姿を確認しに来たってのも大きいでしょうけど。いやー、玲香と一緒の時の雪華を見た他のメンバー全員、驚きすぎて固まってたもの。あん時の表情…誰思い出しても笑いが止まんなくなるよね」


「私はまだ誰ともあったことないんだよね。ねぇ、母さん。どんな感じだったの?」


「えっとね。みんな最初、見た瞬間は固まっててその後、ある子は号泣、ある子は神に祈り、他には急に毒キノコを食べたみたいに笑いだしたり、私になんかの演出なのかって真顔で詰め寄って来たりしたわね。一人づつ見せたから他の子は知らないけどね」


お義母さんはそう言って笑った。私は話を聞きつつ、今度あったら全員1回締めることを決めた。私が決意してどう締めようかと考えて始めたら、お義母さんは急に真顔になった


「まあ、とりあえず玲香は会えるのを楽しみにしておきなさい」


「うん、そうする。雪華雪華、顔が少々お外に出せない感じになってるよ」


「あっ」


しまった。表情に出ちゃってたか……私もまだまだだな。表情筋を鍛えないと……


「雪華はもう少し、表情を豊かにした方がいいよ。私といる時は柔らかいけど母さん以外の先生と話してる時、めちゃくちゃ怖いよ」


「えっ、そうなの?」


「ほんとほんと。なんか能面みたいに感情が抜け落ちてるみたいになってるからね。ま、笑顔の雪華は私が独占しておきたいけどね」


玲香はそう言って、カップに残っていたホットミルクを飲み干して、おかわりを入れるべく台所に向かった。私はそれを見ながら固まっていた。一体自分は今どんな顔をしているだろうか?頬というか全身が茹でダコみたいに赤くなっていそうだ


「玲香もサラッとあんなセリフを言えるなんて……大人になったわね。そして、雪華、顔真っ赤よ」


「言われなくても、分かってますよ……」


私が口を尖らせてお義母さんにそう言った瞬間


カシャ


「えっ?」


パシャリパシャパシャシャシャシャシャシャ…………


私が驚いて固まっている間にお義母さんは私にスマホを向けて写真を取り続けた


「なっ、なに撮ってるんですか!」


私は怒ってお義母さんの持つスマホを取り上げようとしたけど台所の方に逃げられてしまった。お義母さんはスマホを見ながら


「これで、『雪華、素顔コレクション』に写真が追加できるわ。保険としてクラウドに上げて、透花に送らないと」


なぬ。それは何としても阻止しなければ。透花さんに見られたら散々からかわれる!


玲香が台所から帰ってきて


「母さん!それ私にも見せて」


「いいわよ。あなたも写真持ってたら頂戴。そしたら今なら『雪華の素顔を見守る会』の会員証をあげるわ」


「わかった。送っとく」


そう言って玲香はスマホを操作しだした


「色々言いたいけど取り敢えず、その『雪華の素顔を見守る会』ってなんですか?」


「それはね……」


お義母さんが話そうとした時


プルルルルルルルルルルル


お義母さんのスマホが鳴った


「はい、もしもし。緊急任務?で、どこ?はいはい………………あー、わかったわ。すぐ行く」


お義母さんが電話を切った。その顔はものすごく不機嫌そうだ


「なんですか?」


「どうやら、〈SeekSnake〉が潜入に失敗したらしいわ。その結果、警備が厳重になりすぎたらしく任務が遂行出来なくなったから、うちに回ってきたみたね。まあ、あいつに貸しを作れるならこの任務は楽ね」


「ほかのメンバーに招集かけますか?」


「いらないわ。雪華と玲香の2人で充分よ。さてと、私は車を準備してくるから、仕事着に着替えなさい」


「「了解」」


私達は、着替えにそれぞれの部屋に戻った









家から車に乗ること数十分、とある会社の近くに着いた。移動中に聞いた説明によると、件の会社は、表向きは海外のブランド品を扱っているが、裏では海外のマフィアと繋がっていて海外から仕入れた白い粉や銃火器を日本国内の過激派に横流ししているとの事だ。まだまだ初期段階だったらしく、あまり流れていないようだ。ただ、用心深いのか既に警備員という名の用心棒を増やしているらしく、正面から入るのは不可能に近い。今回は私が中に潜入して横流しの証拠を確保してくることが任務だ



「まさに、ミッ○ョン・インポシッシブルだね」


玲香の言う通りだ。人が会社の敷地を囲むように配置されていて、人の目が届かない場所がほとんどない(・・・・・・)。そうほとんどないのだ。つまり、多少はあるということだ。その穴を突くことで簡単に中に入ることが出来る


「それぞれの役割を伝えます。雪華は内部に潜入、玲香はここから玲香のサポート。いいわね?」


「「了解」」


「それじゃあ、行動開始」


私は、車から出て目的地近くに向かった。服装は、標準装備のシックなメイド服を着ているのだけど。これは最新の技術が盛り沢山で、だいたい1着10万以上するからいつも着るのにドキドキしてる。でも、命には代えられないから割り切りなさいとお義母さんにはよく言われる。ちなみにメイド服なのは組織の上の方の人が言うには『メイド服で潜入ってなんかカッコ良くない』ということだそうな


さてと、そうこうしている間にWeakPoint(潜入場所)に到着したわけだけど、ここだけほんとに綺麗に人が配置されていない。その理由は、3メートル位の壁があるからだろう。ここから侵入する場合は、普通は壁を登らないと行けないが、壁には人が触れると反応するセンサーが付けられているせいですぐに人が来てしまう。それは登ればの話だけど。これぐらいの壁なら、少し助走をつければ簡単に越えられるのにね。という訳で、私は軽く助走をして、壁を綺麗に越えた。着地はしっかりとアニメの忍者のように音が出ないように着地した


敷地の中は警備員もほとんど居ないから後はセンサーなどに注意しなきゃいけないけどここからは…


『〔スノウ〕聞こえる?』


耳に付けている無線から声が聞こえてきた


「はい。感度良好です〔ティーチャー〕」


私達の所属する組織は全員コードネームが与えられている。私は〔スノウ〕お義母さんは〔ティーチャー〕だ。玲香はなんだろ?


『それならいいわ。今回は2人にやってもらうから私はほとんど口出ししないので留意するように』


「了解です」


『よろしい。では、通信を担当に引き続きます。〔ベル〕いいですね?』



『了解。〔スノウ〕聞こえる?』


「聞こえるよ」


『OK。この任務を頑張れば〔ティーチャー〕が〔クラウン〕に話を通してくれるから、正式に一緒に住めるようになるよ』


「それなら、頑張らないと」


『そうだね。頑張ってね、マイハニー』


「っ!」


私は今、顔が真っ赤になってる絶対に。なんで、こんなに息をするように私の欲しい言葉を送ってくれるんだろう。好きな人から応援されるだけでなんでこんなに力が湧いてきてなんでもできる気がするんだろう?


私の心情を知ってか知らぬか〔ベル〕が笑って言った


『ふふ。さてと、ナビゲート始めるよ』


「了解」


私は、スカートの中から取り出した仮面を付けて今宵のダンスフロア(ビルの中)に潜入を開始した





この後、私達の任務が成功したのは言うまでもないのだが……


玲香と暮らし始めて今まで以上に彼女を好きになって行くのは、また別のお話…………













●●●●●●●●●●●●●






雪華と玲香が任務を進めている間、杏香は乗ってきた車から離れたところで街灯に持たれながら何かを待っていた


「遅いわね。時間がかかってるのかしら?ていうか今回はうちが1番大変なのに」


彼女は、スマホを見ながらそう愚痴を漏らした。そこから、5分ほど経って彼女のスマホに着信を告げる通知が現れた。彼女はため息をつきながら通話を開始した


「もしもし」


『ごめんごめん。後処理に手間取っちゃって』


「手間取っちゃってじゃないわよ。そっちが失敗した分うちの負担が増えるの分かってるんでしょうね。私は、あの子たちに負担をまだかけたくないの」


『悪かったって。まさか失敗すると思わなかったのよ。最新鋭のトラップが所狭しと設置されてるのよ!あれをどうやって突破するのよ。〔クラウン〕にしこたま怒られたけど』


「知ってる。それでも貸し1つだからね」


『わかってる。はぁ……あなただけには貸しを作りたくなかった。花には刺があると言うけれど、あなたの〔|FlowerGarden《花園》〕は強すぎない?』


「うちは優秀だからね」


『そうだった。変人が多いけどね。』


「個性が強いと言いなさいな」


『わかったわかった。それじゃ、終わったら連絡、頂戴』


「了解」


電話は終わった。杏香はスマホをしまおうとした。しかし、その時先程とは違うアドレスから着信が……


「何よ?〔クラウン〕あなたが電話をかけてくるなんて珍しい。いつもメールか直接会うかのどっちかなのに」


『なんとなくだよ。任務の進行状況どう?』


「問題ないわよ。あの2人ならどんな任務でも遂行できそうね」


『昔の私達みたいに?』


「そうかもしれないわね。私達はあそこまでではなかったと思うけどね」


『どうだろうね?』


〔クラウン〕と呼ばれた声の主は電話口の奥で笑っているようだ


「あなたはこれからどうするの?本格的に2人には任務を割り振るんでしょ」


『そのつもりだけど……』


「何よ、歯切れが悪いわね。あの子に負担をかけるのが嫌なの?」


『そりゃ、自分の腹を痛めて(・・・・・・・・)産んだ子なんだから当たり前でしょ……』


「まだ孤児院に預けたこと後悔してるの?あれはしょうがなかったじゃない。もし、あのままだったら2人とも死んでたかもしれないのよ!」


『わかってる。だから、その分、今、私の出来る最善を尽くすよ』


「それでいいんじゃない?あなたが前向きじゃないと調子が狂うわね。さてと、そろそろ証拠品(ターゲット)を回収するみたいだから戻るわね。後処理よろしく」


『了解。ねぇ、杏香?』


「何?」


『愛してる』


「私も愛してるわ…………」


最後の杏香の声は近くを通った車の音で掻き消された。電話を切った彼女は、鼻歌を歌いながら車の方へと夜の暗闇を進んで行った

面白ければ評価やコメントお願いします


評価やコメントが多ければ連載にする予定です

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