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白い肌の男
むかしむかし。
とある村に、それはたいそう肌の白い男がおりました。
他の村人と同じに野良仕事をしても、その男の肌は日に焼けることは無く、まあ赤くなることはありましたが、黒くなることはありませんでした。
男はそれを内心自慢に思っておりました。
若い娘がいる時はもちろん、衿を開け袖をまくり、その白い肌を見せつけましたし、それは見目麗しいと評判の庄屋の女房の前でも行われました。
ある日のその庄屋の女房との逢瀬の後のことでございます。
その男と庄屋の女房は共に風呂に入っておりました。
庄屋の女房は男の白い肌をたいへん気に入っておりましたので、自分の美容法を男に試したのでございます。
神様は怒りました。
「それ光毒性あるから!!」
神様の怒りはその白い肌の男に降り注ぎ、男はもやしにされてしまいました。
悲しんだ庄屋の女房が泣きながらそれを茹でて和えたのが、きゅうりともやしの和え物の始まりとされています。