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楽園のディストピア  作者: カワキリ マヤ
始まり
3/3

002

「あ、そう言えば私今日は委員会あるから遅くなる」


もぐもぐと口にパンを頬張りながら(かわいい)沙優はそう告げてくる。

妹の沙優は小学生ながら、『楽園』内の警備、万が一街に侵入した“敵”の殲滅を主な活動とする、学園主導の民間組織『委員会』のメンバーだ。

別に妹は滅茶苦茶強いって訳でもないんだが委員会は強くなくとも、街の住民を護りたいという気持ちがあれば余程弱くない限り入れるんだと。

この辺りが、何だかいかにも日本人ビバボランティア精神という感じがして気持ちが悪く、俺は好きじゃない。

あ、別に沙優が気持ち悪いって訳じゃなくて委員会の思想理念が気持ち悪いってだけで、寧ろ俺みたいなひねくれてなく純粋に誰かを守ろうと必死に頑張る沙優は自慢の妹だし好きですはい(早口)。可愛いしね。あと可愛い。


「分かった。気を付けろよ」


脳内キモキモ独り言を悟られないように俺はそう返しつつ、自分の唇の端を指で2回トントンとたたき、沙優にイチゴジャム付いてるぞとジェスチャーで教える。

しかし、沙優の帰りが遅くなるのなら夕飯は自分で用意しないとな。

何にしようか。

沙優の好きなハンバーグを作っておき、お兄ちゃん大好き作戦を決行するのもありっちゃありか

とか何とか考えていたが、ふと先程の会話での気になる点を見つけた。


「そういや、委員会ってことは何かあったのか?」


そう、委員会は警備や“敵”の殲滅とは言ったものの、結局のところ民間組織止まりだ。やれる事などたかが知れている。

基本的には学園内でも16歳以上しか入れない、学園ではなく国が主導の軍事組織『サークル』が楽園内の防衛を行っている。

なので委員会の仕事と言っても、その実やっている事は街の見回り程度だ。放課後1時間程度で終わるその業務でわざわざ遅くなるとは言わない。

つまりその見回り以外で、何かしら『サークル』より要請があったのだろう。沙優の口振りから緊急の案件って感じではないが、妹が面倒ごとに巻き込まれそうになっているのはお兄ちゃん的には気になるな。

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