第一章 モンスターとともに 第一話 異世界転生
あたりからは湿ったにおいがしてくる。背中が濡れている感触がする。
俺はここがどこか意識がもうろうとしている中で自分の状況を確認するため起き上がった。
ここは、いったいどこだったか? 周りは巨大な木で囲まれているようだ。
ふと頭の中にバカ天使の挑発的な顔がよぎった。
そうだった!あのバカ天使この世界にもサポート役でいる、とか言ってたな。
次あったら絶対に許さねえ!チョップ以上の痛い目にあわせてやる!
俺はそう固く誓った。
とりあえず今は自分の持ち物とかを見よう。
俺はナイフが持たされていることを思い出しナイフを探すことにした。
腰や俺が寝ていた場所の周囲を見てみた。ん?ナイフがどこにもないけど。
いやいや流石にバカ天使でも最低限のことはするよな。
そう思いもう一度くまなく探すことにした。やっぱないんだけど。
俺は絶望感を覚え現実を見ないようにしようと体操座りでいじけようと
体制を変えとした時にふと気づいた。
なんだこれ、左上のほうにボタンがあることに気づいた。
俺はそれが何なのか確かめるため試しに触ってみた。
うお、なんかRPGのメニューみたいなのが開いた。
いくつかの項目が書かれたメニューにはプロフィールと持ち物という欄があった。
俺は試しにプロフィールという欄を押してみた
プロフィール
名前 ヒイラギミノル
性別 男
年齢 十四歳
属性 無属性
普通にプロフィールが書いてあるだけだな。てか無属性ってはずれじゃないか?
無属性って言われても強いイメージがないけどな...
俺は少し残念に思いながらもナイフが入っているであろう持ち物の欄を押してみた。
持ち物
ナイフ 高貴な天使からの手紙
よかった、ナイフちゃんとあった。てかなんだよ高貴な天使からの手紙って。
俺は嫌な気しかしないと思って高貴な天使からの手紙を押してみた。
調子はどうですか?実ちゃん。高貴な天使システィーが特別にアドバイスを伝えようと思います。
無属性であることを残念に感じていると思いますが、無属性の特徴としては
本人の努力次第では、ほかの属性の人よりもかけ離れた身体能力を得ることができます。
ぜひ周りの強力なモンスターを倒して強くなってくださいね。
なんだ珍しくまじめなことが書いてあるな。
俺が感心しているとまだ手紙には続きがあるようだ
P.S.
次に会う時が楽しみです実ちゃん。まあ美少女なのは変わらないでしょうけど。
なんでこいつは最後に挑発的になっちゃうかな!一瞬まじめな面もあるんだと思った
俺の気持ちを台無しにしやがって!やっぱりバカ天使はバカ天使だ!
俺は怒りを覚えながらもナイフの欄を押した。
すると俺の手の上にナイフが出てきた。なんだこれ便利すぎないか。
俺はナイフを手に取り試しに振ってみることにした。
なるほど。日本にいた時よりも体が軽い。これが無属性の力か。
俺が感動を覚えナイフを振ったりジャンプをしたり少し走ったり体を慣らしていると、
近くの草むらからガサガサと音がした。なんだ?と草むらのほうにナイフ構え戦闘の用意をした。