第一話 真の男になるために!
「あーあ、死んじゃったねお嬢ちゃん。」
目の前には金色のショートボブの髪を輝かせ
まるで天使のような美少女が顔を突いていた。
てか頭に天使の輪っかみたいなのが浮いているんだが...
「あのー、顔を突くのやめてくれませんか?
地味に痛いです。あとお嬢ちゃんではなく男です。」
これはあれか?よくある死んだ後に
あなたは死んでしまいました。可哀想なあなたにはチートスキルをつけて異世界へと転生させてあげましょうってやつか?
そんなことを考えていると、
「いやいや、男なわけないでしょ。そんなにサラサラした銀色のロングヘアーに、整った顔立ち、華奢な体からして。もしかして男になりたい女の子とかですかね?」
と挑発的な態度で言う天使風美少女。
俺はその挑発的な態度に対して苛立ちを覚えながらも
「いや男になりたい女の子じゃなくて、れっきとした男だからね俺。重要だから覚えとけ!」
天使風美少女はきっと心に刻んだことだろう...
うん、そんな素振り微塵も感じられないな。
全くそんな素振りも見せず
口笛を吹いている天使風美少女を無視し、
話を進めようと俺は尋ねてみた。
「で、お前は何者なんだ?」
気だるそうにその天使風美少女は
「いや、どっからどうみても天使でしょ。え?天使知らない人なんているの?驚きです。」
いやどっからどうみてもって言われても天使のコスプレにしか見えないが…
あと天使ぐらい知ってるわ!
と思いながら怒りを抑え俺は
「その挑発的な態度に苛立ちしか覚えないが俺は死んだってことでいいのか?」
俺は目の前にいる天使風の美少女を睨みながら言った。
「まあそういうことですね。はい、あなたは死にました。具体的にどうやって死んだのかは知らされていませんが死にました。」
いや知らされてないってそれでも天使かこいつ。
「あとそんなに睨んでも美少女が睨むと怖くないですまったく、むしろ可愛いですよ。」
「お前は俺に喧嘩売っていんのか⁉︎あと男ってさっきも言ったよな!!」
「まあそれはさておき、ここからは重要なお話ですからちゃんと聞いてくださいね。」
華麗なスルーをかましやがったこいつ。
重要な話といった天使は懐からマニュアルのようなものを取り出した。
てかマニュアルだよなあれ。天使にもマニュアルがあるのかよ。
「これも仕事ですのでしっかりと説明させてもいますまずお亡くなりになられた柊実さん
日本で暮らし、高校2年生の16歳でよろしいですね。私の名前は天使システィーといいます。
亡くなられた実さんは神様がお気に入りに登録されたので異世界への転生をすることができます。」
お気に入りシステムで決められんの異世界転生って。神様適当すぎないか?
と独り言ちていると、
「転生先ですが転生される実さんの希望に応じた場所へと転生できます。
別になりたいことでもやってみたいことでもいいですよ。」
システィーが笑顔で俺に向けて言ってきた。
俺の希望かぁ。まあ一つしかないな。
俺は自分の希望が何なのか決心しシスティーに言った。
「誰もが俺のことを見て男の中の男と思える真の男になりたい!!」