質疑応答 part3
「おばあちゃん!?」
え、ソレアのおばあちゃん?
……確かによく見ると、一度会った事のある人みたいだけど。
「おばあちゃん、ここに入ってきちゃダメよ!」
「人前では、占い師の師匠として『サリー様』と呼べと何度言ったら分かるんじゃ!!」
老婆……もといサリーさんは、ソレアにきつく言い聞かした後、私の前に来て。
「孫が無礼を働いた事、ワシが身を持って償う故、どうか許してやって下されっ!!」
「土下座なんてしないで下さいっ! ソレアとは少し思い違いがあっただけで、全然無礼な事はしてませんから!」
いやいや、自分よりも年上の人に土下座されるのって、かなり焦るんだよ!?
「サリー婆、もういいじゃないか。これも、反乱軍の皆にスノーの事をしっかり説明せずに、捕らえられた私が悪いのだ。」
そうか……って、じゃあ……。
「私の事って、反乱軍の方々は良く思ってないんですね。」
「すまぬのぅ……何度弁解しようとしても、老婆の言う事なんぞ誰も聞かん。この様な時に限って、占いとは信じられないものだ。」
サリーさん、すっかり肩を落としている。
「サリー婆にだけ、先にスノーが失踪した理由を話したのだ。」
「おばあちゃんの言っていた事、本当だったんだ。てっきり100歳過ぎてボケたのかと。」
「ワシはまだまだ現役じゃ!今だって、水晶玉を覗いたらここにいるのが分かったんじゃよ。」
そんな事まで分かるんだ……流石は城に仕える占い師。
というか、100歳過ぎてるのか。
で、結局、王様・お父様・お母様・ライ・ソレア・サリーさんと私で、話の続きをする事になった。
「では、私が12歳になった時から、コントラストの兵をシエドーで見なくなったのは、なぜですか?」
「シエドーにいたのか……スノーを探すために、コントラストから少しだけ兵をシエドーに送ったのだが、ドラゴンが出始めてからは、退治に人手が足りずに引き上げさせたのだ。その後もシエドーと協力して、魔界の生物をコントラスト内で倒そうとしたり、シエナとの事もあり……。」
なるほど、疑問が解決していくというのは、清々しいものだ。
「シエナとは、いつ会ったんですか?」
「1年程前だ。城に1人で来て、迷わず私が避難している部屋を見つけ出した。一目見た時に、娘が生き返ったと喜んだが、シエナの話を聞けば聞く程恐ろしく思えた。」
確かに愛娘があんな状態になってしまうのは……。
「だが……犠牲者には申し訳ないが、どうしても娘がこの様な事を
するとは考えられん。自分でああ言っていたが、何かに操られているのではないかと……思ってしまうのだ。」
……王様が言った事は、私にもほんの少し希望を与えた。
今まで考えた事がなかった『操られている』という、新たな可能性。
この線は『希望』として、頭に入れておくのが良いかもしれない。
「私が聞きたい事は、大体分かりました。新たな疑問が出れば、その時に聞きます。」
「……じゃあ、俺からの質問だ。」
ライ?
「何を知りたい…っ!?」
「……馬鹿、いくら心配したと思ってんだ!!」
ずっと大人しくしていたライは、立ち上がって……座っている私を抱きしめた。
腕と声は震えている。
「……ごめんね、凄く心配かけているって思ってた。」
私はライの背中をポンポンと叩く。
「じゃあ、なんで帰って来なかった。俺よりも賢いお前なら、あの場で逃げるのは得策じゃないと分かってただろ?」
……5年前とは全く違う、ライはとても成長している。
見た目も中身も、本当に変わった。
「……私には、約束があったの。勇者なんてモノになれば、破る事になるかもしれない約束が。」
「その約束って?」
「……今から話すわ、とてもとても……長い話になるけれど。」
私は今日初めて、柚とアーサー以外に『転生』の話をする。




