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質疑応答 part2

……そのうち思い出すか。



「勇者というのは、600年前に魔王を倒し世界を救った、一人の青年だけが与えられた称号。その勇者に匹敵する『新勇者』がスノーだった。ドラゴンが魔界に生息していると知るのは、世界でも王族とそれぞれの国の要人だけ。新勇者が見つかったという情報は、コントラスト内の要人に伝わり始めてしまい……。」


「私に何の説明もなく、大勢の前で勇者として紹介したってか。」


「本当に申し訳ない……我が子のように想い可愛がってきたのに。早く正式に勇者に任命しなければ、国王としての立場が危うくなる事を恐れて、自己中心的な行動をしてしまった。」


そっか……じゃあ、大学の教授が急にいなくなったのは、ただの偶然って事か。

オリジナルの憑依魔法を使ったせいだと思ってた。


「なぜ私が勇者に任命されたか……理由が分かってすっきりしました。あそこで逃げてしまったのは、良い行動ではなかったと反省しています。」


「いや……私の行動が原因で、スノーを追い詰めてしまった事に変わりはない。そのせいで、宝石よりも美しかった青い瞳を奪ってしまった……。」


ああ、きっと……この五年間で、何度も自分を責め続けたのだろう。

私の今の容姿を見て、さらに拍車がかかってしまう。

それは、お父様もお母様も。


「この傷は、私の不注意で負ったんです。陛下のせいではありません、自分の未熟さが招いたモノ……だから気にしないで下さい。」


「だが、国を出て行ってしまったのは、すべて私のせいだ。」


王様……。


「いいえ、私がスノーを城へ連れて行ったのが悪いのです!」


お父様……。


「それは違います、スノーの気持ちを聞かなかった私が悪いのです!」


お母様……。


「あたしも、ごめんなさい。」


ソレア……。


「おばあちゃんの占いはとても当たるの。勇者っていう、とんでもない名誉を手に入れれるというのに、玉座の間から逃げ出した……スノー様のせいで国が破滅の道へ進んでいると思ったの。」


確かに占い師の孫として、あの日玉座の間にいたとしたら、私は『裏切者』と思われてもしょうがない。

私も事情を知らなかったけれど、ソレアも事情を知らなかったんだ。


「……スノーって呼んで、様なんて付けなくてもいいよ。」


「分かったわ……スノー。」


こういうの、凄い久しぶりな気がする。

旅先では、身分がバレない様に偽名使ったり、人と親しくなり過ぎない様にしていたから……。

……私とソレアが和解したその時だった。


「こらぁぁぁぁっ!!」


突如、部屋の扉が開いて、一人の老婆が怒鳴りながら入ってきた。

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