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再会

どういう事なの!?

獣人は存在しても、悪魔なんていうのはおとぎ話のようなモノ。

それなのに、こんな所にいるなんて……。

……いや、今はそんな事考えても仕方がない。

コントラストとしか書かれていなくても、何故か城にヒントがある気がするもの。


私は城門に一番近い茂みに隠れて。


「最大の炎よ、我の持つ剣に憑依せよ!」


「なんだ!?」


「茂みから声が聞こえたぞ!!」


こいつら話せるのか……まあいい、どうせ気絶させるんだから。


「やぁぁぁっ!!」




城内に入っても、どこからやって来たか分からない位沢山の悪魔兵が追いかけてくる。

その度に後ろへ魔法を放つのだが、あまりにも多すぎてキリがない。

それに走れば走る程、城内の異様さを感じる。

あんなに綺麗だった壁は真っ黒で、廊下の壁に飾られた肖像画は、ビリビリに破かれていた。

あと、現在玉座の間に向かっているのだが、近づけば近づく程奇妙な重圧がかかっている。


その重圧は、私の体に圧し掛かるけど、引っ張られる感覚もある。



「着いた……。」


「ニャー。」


城で一番大きな扉が、玉座の間の入り口だ。

ここから逃げ出したのに、また来ているなんて……。

私は中を警戒しながら、ゆっくりと扉を開けた。



「えっ……。」


「フフッ、お久しぶり。そんな恰好でも分かるわよ……スノー。あ、美咲と呼んだ方がいい?」


なんで、なんで玉座に座っているの!?

それに同年代の様な姿で、私と比べ物にならない位、妙な格好だし。


「どうやら、頭の中が疑問でい~っぱい!……みたいね。」


「だって……だって!!」


「私はね、転生したのよ。魔王の子孫として。」


子孫……って。


「冗談はやめて!」


「冗談じゃないわ、魔界で生まれて、魔王直々に私を子孫だと認めたのよ? そうしたら、こんなに成長させてくれたの。」


「魔界なんてもうないでしょう!?」


私が言うと、玉座から立ち上がり、こちらへ歩いてきた。

コツコツとヒールを鳴らし、マントを引きずって。


「それがねぇ、魔界山の火口の中に存在するのよ。かつては魔法使い共に敗れたけれど、数百年の時を経て、魔物達の魔力が強大なモノに戻ったの!!」


「嘘だって言って。」


「嘘じゃない、魔力が上がったから、またこの世界に来れたんじゃない。火口から出るには、か・な・りの魔力が必要だからね。」


ああ、こんな酷い状況になっていただなんて。

もう信じるしかない……信じたくなくても、これが事実なんだから。



「いつ……コントラストへ来たの?」


「ん~っとねぇ……確か、二年位前だったかな? 出て来た時に消費した魔力を取り戻しながら、手下の悪魔と一緒に集落潰しゲームとかやってたよ? 町も潰せばボーナスポイントって!」


ゲーム……あれが?


「私の両親は……? 王様とライは?」


「あ~、逆らってきてぇ、観察したいから地下牢に閉じ込めたよ。毎日見に行くんだけど、その度に説得しようとしてきて、めっちゃウケるんだよねっ!」


「……アーサーは? もしかしたら、ここにいたりする?」


「アーサー……ああ、あの子ね。今は私の執事になってもらってるわ。なんでも出来るし、魔力も一般人より強いからね。ちょっと記憶をいじって、美咲との……ううん、スノーとの思いでを全て消しちゃった。」


「どうして……そんな事が出来るの?」


「私から言えば、どうしてやらないの?って感じ。子孫に生まれたからか、人をとにかく消したいの。今はコントラストだけだけど、この国の後はシエドーとかも滅ぼすつもりっ!一緒にやらない?」


私の目の前でほほ笑むのは、顔に面影は在っても、中身は全然別物の人。

頭からは角が生え、瞳は赤く光り、黒いミニドレスに黒いマント。赤いヒール、金髪ロングヘア。

肩に手を置かれて、一緒にやらないか……と、しつこく誘う声は前世のまま。

なのに、こいつが恐ろしくて、憎くてたまらない。


「やらないんだったら、地下牢に行く?それとも、記憶をいじった方がいいかもっ!」


「断るよ、柚……シエナ……どっちか分からないけど。」


「……なんで?」


「私の知っている柚じゃないから。私は家族と王達を助けて、幸せになりたいの。」


「一緒に幸せになるんでしょ?約束した……よね?」


柚の声が急に低くなる。

肩の上の手は、私の首へと近づいていく。


「……私が約束した相手は、お前の様なヤツじゃないっ!!」


首元に迫る手を払い、玉座の間から地下牢へと駆け出した。

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