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(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
最終章:ダメ息の花だけ束ねた風景
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#089:接続かっ(あるいは、凝縮!刹那1WEEK)


 そんなこんなで、遂に始まってしまうのだけれど。ぐるりを巡る歓声が、やばいくらいに私の体に響いて揺さぶってくる。五角形の「リング」を囲むのは、私を含んだ10人の対局者。各々を警戒してか、ほぼほぼ等間隔で、円周を描くようにそれぞれ立ち尽くしている。


 対局者間の距離はおおよそ5m弱くらい。ま、割と近いけど、ひと飛びで躍りかかるのは無理めな距離感だ。であれば、攻撃の予兆みたいなものは簡単に察知されてしまうってわけね……乱戦必至とは言え、それはやりづらいかも。


<言い忘れたことがありました!! 『ダブルBET』および『トリプルBET』を宣言して、2倍3倍の額を『ホルダー』からシュートすると!! その『交換した時間』においては、『プロテクター』および『スーツ』が貴方の動きに合わせてサポートを行い!! 通常時の2倍3倍の速さで動くことが出来ます!! これが肝!! 『武器にもなる』と言ったのは、このことなんです!!>


 言い忘れたのか、後付けであるのか、それを今、詮索している場合ではない、「2倍3倍」の速さで動けるのであれば……繰り出すパンチやキックの威力も相当なものとなると踏んだ。


 そうか……それがあると考えると、より「上位者」には仕掛けにくい。こちらの攻撃をあっさり交わして、余裕のカウンターを撃ち込むなんて芸当が簡単に出来てしまいそうだ。


 それにここの参加者……程度差はあるけど、みんな格闘系の訓練を積んでいるんだろう。重量級から軽量級まで、何というか立ち姿にそれぞれの自信というか、ゆるぎなさみたいなものが感じ取れる。ただ相対しているだけで。


 いよいよのっぴきならなさを大脳から延髄に至るまでの全てで感じ始めている私の中では、同時にのっぴきならないコトやって出し抜いてやる的な思考も生まれ始めている。


 思考の埒外を、突ければ。そんなことを考えていた私の耳に、柔らかながらよく響く声が飛び込んでくる。


<ではでは! もぉうーやってしまいましょう!! やってみないと分からないことだらけですからね!! 対局開始、10秒前ぇぇっ!!>


 実況ハツマの仕切りは、最早投げやり気味にも聞こえてくるのだけれど、予測つかないってことは、私にもチャンスがあるってことに他ならなくない? 元老内の造反やらを考慮した結果、この混戦乱戦こそが最適と見越したのかも知れないけど、そこに付け入る隙が少しでもあれば。


 私は真っすぐに深呼吸をする……頭に冷たい血が上るようにして。体は逆に「動ける熱」を持たせるように、軽く首、手足首を動かしてほぐしておく。身体に着けた何とかプロテクターは思わぬ伸縮力を見せ、体の稼働をほとんど妨げない。


 「動かす」となったら、本当に動いてくれそうだ。


 とにかく、周りは全員「敵」と認識しろ。その上での、最適な初っ端の一手は何だ?


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