表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
第3章:愛はさ、ダメさ、ダメは死
50/176

★#050:決着かっ(あるいは、YAPだねキタミくん!)


<決着ぅぅぅぅぅぅっ!! 水窪ミズクボ選手のっ、KO勝ちだぁぁぁぁっ!! 最終戦にふさわしい、見事な駆け引きと、気力と体力と技術のぶつかり合い!! 良かったです! 運営的にもとってもとっても良かった!!>


 歓声がブースの外で爆発したのが私にも感じ取れた。実況黄色が、珍しく弾んだ声でそう締めようとする。そだねー。そんな一面もあるよねー。


 が、が。


 ……これで終わったら、私の予選突破が無くなるっつうの。私はまたしても疲労で重くなりつつある体に鞭打って、リングの真ん中らへんで、煌々としたライトに照らされて仰臥しているユズランの元へと歩み寄る。


<何と! 戦い終えた勝者が、健闘した敗者を助け起こそうとしています……っ!! 感動、そう、足りなかったのはこんな感動……っ!! いま、水窪選手が……覇武ハブ選手の両脚を抱え上げ……コーナーポストの方へと、ずるずると、頭をマットにごとごとと打ち付けながら引きずっ……ええええ、違うッ!! 思てたんと違う!!>


「……ただの敗北には興味ありません……この中に、精神破砕・神経摩砕・人格爆砕を望む者がいたら私のところまで来なさい……以上……」


<何かまたぶつぶつ呟き始めた!! 何でなん! 何で大人しゅう終わらせられへんのっ!?>


 私は、意識が飛んでいるユズランの体を一度逆さの体勢にしてから、その胴に両手を回して、がっきとハッグすると、


「おおおおおおおおおおおお」


 残る渾身の力を込め、上下逆さのまま持ち上げた。そのまま慎重に後退すると、コーナーポストの二段目までバランスを取りながらゆっくりと登る。


<ああーっとお、これまた、これまた伝説の……っ! またしても嫌な予感しかしないィィィィっ!!>


 実況の裏返った声の中、私の眼下にあるユズランが目覚めた気配がした。構わず続ける。


ユズ「お、お金ならすべて差し上げます……そして私もここで棄権いたしますわよ……、ね、ねえ、それで貴女の望む全てが手に入りますわ……それ以上の公開処刑は無意味を通り越して最早意味不明ですわよ? さ、さあ思い直して早く私を降ろしてくださいな」


ワカ「……意味、か……わしらが生きている意味とは、……人生とはいったい何なのかのう……」


黄色<き、聞いてないっ!! いや鼓膜に届いてはいるけど、脊髄以上の中枢には全く響いていないっ!! そうでした、何を言っても全部無駄! 彼女は最初から……殺る気だっ、一直線の殺意のベクトルが私にも見えますっ!! 見えまくりやがってますっ!!>


ワカ「……この『アルティメット若草・OPPIROGE MAN 29 ドライバー』にて、我が『裏自尊心怪文書うらじそんしんかいもんじょ』は完遂さる……」


黄色<お、教えてっ!! その怪文書の出どころと存在意義をッ!! そしてやっぱり出ちゃった狂気のフェイバリットホールドぉぉぉぉぉっ!! 黒服さぁああああんッ!! 止めてぇぇぇぇっ>


ユズ「っ助けてください!! っ助けてくださいですわぁぁぁぁぁっ!!」


ワカ「……だからもう大脳で考えちゃあいないのよ、この私はぁ。助けるか助けないかは……」


 私は両膝に力を溜めると、そのままの体勢を保ったまま、前方へ向けて跳躍した。


「……脊髄にっ!! 聞いてみろぁぁああああああああああっ!!」


 暗転。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ