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(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
第2章:たったひとつの、ダメなやりかた
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#028:直面かっ(あるいは、ルールか……新手なの?)


 「対局服」と称されていた、そのスリット入りまくりの全身タイツ状のスーツのまま、私は更衣室を飛び出し、廊下を駆け抜けますの。「残り30秒」との無情のアナウンスが響く中、「対局場」とプレートが掛かった大扉を、肩も使って押し込むようにして何とか開けましたわ。時間切れで負けなんて、最悪ですもの。


「!!」


 扉の向こうに開けていた「対局場」は、思ったよりも広く、天井も高く、左右に長い空間でしたのよ。


 リング。ボクシングとかプロレスとかで見たことのある、水色に近い青のキャンバス。が三つ横に並んでいましたの。頑丈そうなロープも三本平行に張られ……本格的な仕様ですのよ。実物を拝見したことはないのですけれども。ギラギラとした照明が、高みに渡された鉄骨から、眩さと熱とを降り注がせていますわ。


 何となく、気分が高揚してくる感じ……悪くありませんわ。でも私の中のケダモノも同じように喜悦を感じてますのよ。抑えませんと。と、


「こっちだっ、あねさん!!」


 アオナギさんの声が右手の方から聞こえてきますの。見ると、向かって右側のリング脇に、御三方が集まっておいでですわ。そちらですのね、行きますわよ。


<全六名のスタンバイを確認……それでは本対局の説明をする>


 厳かな声……先ほどからのアナウンスの方のですけども、有無を言わさぬ響きは相変わらずでして。


「ルールは毎度毎度ころころ変わるから絶対に聞き逃すな」との先だってのカワミナミ様のご助言に従い、私はその「ハツマ」と呼ばれていたアナウンスの方の言葉に全神経を集中させますの。


<……対局は『ダメパート』と『格闘パート』を交互に行っていく。各パートは全て『三分』単位で行われる。『ダメパート』は各自『持ち時間一分』。手元の『着手ボタン』を押し込んでいる時だけ、音声は拾われ、その放たれた『DEP』に『評価者』からの評価がつけられる。そして『評価値』は、『電流』へと変換され、対局相手のシートに流される>


 えーとえーと、事前にカワミナミ様からある程度のレクチャーは受けてはいましたけれど、改めてその異次元単語の多さに、理解が追いつきませんのよ。


 つまり、「ボタンを押して一分の間に、自分のダメエピソードを言う」ということでよろしいのでしょうか?


<先手を取った方のDEP評価から『五秒間』のみ、後手が『相殺』できる機会が与えられる。先にDEPを受けた方は、その五秒の間に、『着手ボタン』を押せば、『相殺』に挑むことを許可されるということです>


 最後、なぜか丁寧な喋り方になりましたけれど。「ハツマ」さん……何か無理をされているようにも思えますわ。


 あ、いえ、集中して理解しないと。後手に回ったら相殺、と。ここまでは何とかついていけてますのよ。


<『相殺』モードに移ると、出揃った各自のDEP評価値が比較され、結果、低い方へと、差し引き分の電流が流される。喰らった電流に耐えきれず、シートから体を離した時点で、その者を負けと見なす>


 うーん、先手後手、どちらが有利なのかは全くもってわかりませんわ。と私が少し考えていますと、


<今回はDEPで競り勝った方に、アドバンテージを与えることとした。勝利者は『オフェンス』『ディフェンス』どちらかを選び、その恩恵を受けて、次の『格闘パート』に臨むことが出来る。これが今までと異なるところだ>


 いきなり新ルールがぶっ込まれましたのよ。不安になって隣の御三方を見やる私ですけども、三者三様の真顔で固まっていますわ。


 その姿に、いやが応にも動揺を促進されますけれども、私も精一杯の真顔で平然とやり過ごそうとしますの。先が思いやられるのですわ。


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