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(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
萬國最驚天終章:ダメの海にダメの帆をかけたダメ女
158/176

#158:包括的かっ(あるいは、見上げる世界はクリアでスカイ)


 今日の今までを思い返すことで、少し気持ちが落ち着いてきた感はある。特に自分の勝利からは、何より自信みたいな力をもらえるような気がしていて。


 大きく呼吸を繰り返しながら、私は再びの回想に入り込んでいく。


決勝第二戦……は、結構しっちゃかめっちゃかだったと思う。10名によるバトルロイヤル。混戦乱戦の中で「正統元老」「造反元老」の対立(これもやらせだったの?)に挟まれながら、ともかく必死で体を動かしていた。


 VS衣袋イブクロ 音子ネコ……VS志木シギ 寧奈ネイナ……あっさり「格闘」で勝てた感あるけど、格闘パートだけだったら私、結構安定してきてるのかもね……最終戦の、目の前の島大佐との闘いを前に、ほんの少しだけ自信がこみあがってくる。よーしよーし、いい感じだあ。


 決勝第三戦は、「DEPデプジャンモナルカ」という、突拍子もない名前の、突拍子もない特殊麻雀の体を成した対局方法だった。


 イカサマが乱れ飛ぶ展開の中で、私は一体何を見出したのだろう……結局「未来の私」=完璧パーフェクツ姐やんにうまいことシフトさせたことで窮地を逃れたこと、これがいちばんにでかかったのかも知れない……


 そして今は、最終決戦「DEPター=バーニンガー=オルビタ」の場にあり、そしてその中でも最終の決戦が、私と島大佐との間で行われることと相成るわけだ。


 辿り着いたと、言えなくもない。ここに来るまでには様々な相手に、手の内、心の内をさらけ出して、そこに全力の拳を撃ち込んで倒していった。


 そして自分の内面と向かい合い、自分とも折り合いをつけながら、必死こいてもがいて、各世代の人格たちを引きずり出して、自分の過去をさらけ出して共有・拡散していった。


 それによって、私は自分が丸裸になって「世界」と向き合えた。今の私は、自分の身体の中を、世界から吹いてくる風が爽やかに素通り過ぎていくような、そんな感覚。


 魂という物があるとしたのなら。


 その「浄化」とやらは確かに起こったのだろう。いまの私は、ビルの屋上から飛び立とうとしていた、かつての私では無かった。


 私をコケにし、こてんぱんに伸して、どん底まで追い詰めてきやがった「世界」の野郎。


 そいつに立ち向かえる強さ……というか傲岸さ、奔放さを、この戦いを通して確かに受け取った。


 怖れないし、侮らない。それが「世界」との唯一の正しい付き合い方なんだと思う。ニュートラル。全てに対応する、構えの型の名前はニュートラル。


 私はそんな思考と共に、ゆるやかに左手を目線の辺りまで上げる。他はほぼ素立ちの体勢。やる気あんのかと言われそうな構えだけれど、私は悟った。これこそが、私が見つけたニュートラルの型。何に対してでも、最速で最適な応対をしていってやるわ。


 対する大佐も、ようやく私としがらみ無く戦えるということが分かったみたいで、あまり見たことなかった微笑を口許に浮かべながら、華奢な体を気持ち右に流して脇を締め、両拳を目よりも上に上げたくらいのガチガチのスタイルを取る。


 双方準備は整った。後は開始のゴングを待つ、それだけ。


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