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(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
最終章:ダメ息の花だけ束ねた風景
125/176

#125:伝心かっ(あるいは、タングス/天むす/バッキング)


 場には、奇妙な静寂のようなものが空気よりも重い感じで、下へ下へと揺蕩っていくかのように感じられているのですわ。卓を囲うシマ大佐さん、塗魚トザカナさんも、それぞれ小綺麗だったお顔を弛緩させ、もはや口をあんぐりと開けたまま、わたくしたちを見やるだけなのですの。


 奇抜な二身一体となった自分と志木シギさんの姿を煌々と照らしてくるスポットライトに、わたくしは記憶の遥か彼方に感じられるほどになった「予選」でのリング上でのことを思い出しているのですわ……いえ、「若草」が覚醒していましたから、「わたくし」は薄ぼんやりとうたた寝をするように意識の水の中を揺蕩うようにしていただけでしたけど。


 遥か高みから、リングを俯瞰しているような意識も確かに持ち得ていましたのよ……そしてSATSURIKUのGOサインを出したこともおぼろげながら思い出されてきましたのですわ。


 しかして。未遂未達に終わった「バスター級奥義」。それにも何らかの決着をつけずんば、決児を得ず……


 わたくしの持つ「50%」の技の掛け方と、若草の持つ「50%」のそれが組み合わされてミクスアップされた時。


 袋小路に迷い込んでいた混迷に、一縷の光が射しこむ。そう信じておりますのよ。わたくしは志木さんの体を上部に固めたままで、身体を預けているキャスター付きの椅子をしょわしょわとその滑り心地を確かめるように前後させたりしてみますの。OKですわ。そして。


 ……飛ぼうとしていたビルの屋上で、人が出入りしているだろう気配を感じさせてくれたこれと同じ形状の椅子のビジョンが、脳裡に舞い浮かびますの。


 原風景の一部のように、それはわたくし達の心の片隅で鎮座していますのよ。


 既にわたくし達のメンタルは異次元レベルまで飛んでいる状態でしたけれど、そしてそれに何らかの心地よさを感じているのも確かなのですけれど。


 そろそろまたわたくしは眠りにつく時間なのかも知れませんわ。でもその前に。


……「奥義」はわたくしと貴女、ふたりのツープラトンで解を導き出しましょう。いえ、それプラス……


ハツ<ど、どうしたというのでしょう……シギ選手を担ぎ上げたまま、いい微笑みを浮かべて硬直していますけど……水窪ミズクボ選手? どう……>


ワカ「が…ガニメデよ、イオよ、そしてカリストっているすべてのエウロパ……このオラらに、ほんのちょっとずつだけ『溜気リュウキ』をわけてくれ…!!」


ハツ<何かまたつぶやき始めた! そして得体の知れない何かを集めようとしているよこわいよぉぉぉぉぉっ>


 実況さんの震え絶叫を肌で感じ取りながらも、わたくし達の身体に得も言われぬ摩訶不思議なパゥワァーが集まってきていることも感じているのですわ。



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