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(Nooooo!!)ダメ×人×間×コン×テス×ト×V★2  作者: gaction9969
最終章:ダメ息の花だけ束ねた風景
119/176

#119:紫檀かっ(あるいは、紡爆/鮮度/アクチュレーター)


 ぴぽん、と「DEP成立」のチャイムが鳴り、私のアガリが確定されるやいなや、


「『三連サンレン一色イーソー』……『2000』は『2300』」


 キメっぽくそんなアガリ役を呟き気味に言い放った私だけど、まあ安手は安手。でも大事な大事な「過程」ではあるわけで。


 ちなみに「本場」は親でも親以外でも、アガればアガるほど場に積まれていく仕様だそうで、「300」も塵積チリツモで、後半になればなるほどバカに出来なくなっていくことが分かる。いや事前に説明はするべきだろうとは思うが。


 東三局:二本場

 西:シマ   :赤:20200

 北:トザカナ :黒:16000

 東:ミズクボ :緑: 4400

 南:シギ   :紫: 9700 >


 兎にも角にも、シギを自分と同じ4桁代に引きずり下ろし、そして一撃死からは少し遠のいた私だが、それは些末事。過程に過ぎない。


「……」


 親番を引き寄せもしたけど、それは他家ツモアガリ時のリスクも増すということだ。でも気は抜けないけど、立ち止まるわけにもいかない。


 割とフラットな精神状態に落ち着いた私は、ツモ山に手を伸ばすと、引き絞るように、ぐいと牌を持ってくる。


 【キャバリアキングチャールズスパニエル】(赤:2)


 「キャバリア」でも通ずるとは思うけどの、正式名称だ。そして胸焼けを催すほどに、そして逆に清々しいほどに、「犬種牌」……しかも私は結構この鼻ぺちゃは犬の中では好きな部類……部類……部類……


 そんな滅裂思考が大脳を満たしていくけど、今の私は脊髄メインの直感シフトだ。目は「赤:2」の方へと向けられている。


 絶好のヒキだ。おそらく運営は私がこれら「犬牌」を使いこなせないと見ての送り込みなのだろうが、そいつぁ甘々よ。


 どこで私がアガるかまでは予測できないと思うから、ピンポイントでの積み込みは不可能と思われる。ならば……「犬種牌」は、今ツモられている塗魚トザカナの山にパンパンに詰め込まれていると見て、間違いない。


 私のアガリの制限、および手牌を腐らせる、運営側のイカサマじみた仕込みだとは思うけど、それって自分らの首も絞めてるよね。明らかに長丁場になりつつあるもの。そしてそっちがイカサマ上等で来るっていうんなら。


 ……こっちも、しこたまサマるまでだっつうの。


 「正統」「造反」も今は休戦状態なのか? 先ほどまでの対局・対戦ではえらいやり合ってた両陣営だけど、今は両巨頭―大佐アンド塗魚は、点数のやり取りも無く、ただただ場を回すためだけに座っているかのように思われる。


 「優勝」が今この卓に座る「4人」に絞られている状況だ。そろそろやばいと感じて来ている。私がこれ以上勝ち進むことを。賞金……2億がとこの大金が、「部外者」の手に渡ってしまう可能性が高まってきたから。


 だからここで私を敗退させるつもりと見た。邪魔者がいなくなった時点で、「正統」「造反」のケリをつけようと、そんな事でも考えているのだろう。利害はとりあえずは一致しているってわけだ。


 甘いな。だからズルズルと場が流れていっている。紛れなく一撃で私をトバそうとか考えているのだろうけど。


 ……はっきりそれは傲慢なる油断ってことを、思い知らせてやるよ。


 私は相変わらず「犬牌」を打ち出すだけで、全く仕掛けてこない他3名を見やって、そう決意を固める。「6分の1」のギャンブル、その渡り方を見せてやる。



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