精一杯の嫌がらせ。
話し合いも終わり、盛大に嫌がらせをしてやる事を心に決め、戦斧の元へと駆けつける。
「戦斧、いるかー!」
もう夜だし、無事に戦斧はログインしていた。
「なんでぇ、相変わらずいきなりだな。」
「なぁ、今回も戦線に出てくるつもりか?」
私の問いに、満面の笑みで戦斧が答えてくれる。
「おうよ、新作の試し撃ちして問題なさそうだしな!」
楽しそうなことで…。
「よし、なら今から全力で防衛設備の作成と設置に取りかかろう!」
「どうした?なんかあったのか?」
「クラウドに数万単位で攻められる可能性がある。」
「ほう、面白そうだな。そこで儂らの出番ってことか。」
やはり戦斧は頭の回転が早いな。
「どうせ街並みは破壊できないんだから、好き放題にやっちゃっていいぞ。」
「ってことは、爆弾に釘を仕込んだりして殺傷力を上げたりしても?」
「問題ないな!」
「はっはっは、なら罠の全てが許可されたようなもんだな!
任せな、職人総出で罠だらけにしてやるよ!」
リアルなら人道的にアウトな兵器でも、ネットの中では関係ないからな。
将来、核なんぞを作ったらどうしよう…。まぁ、無理だろうけど。
「罠だらけにするのは良いが、味方を巻き込まないように地図に記載だけはしっかりしてくれよ。」
「わかったわかった、前回はすまなかったな!」
出来れば戦闘可能範囲全体でしたいが、広すぎるから街中だけに抑える。
「さて、私は更に嫌がらせを考えてくるからソッチは任せたぞ。」
「おうよ、騎龍の出番がなくなるくらいやってやんぜ!」
数万が攻めてきて、死に戻りを考えたらその可能性はほぼ無いな。
戦斧のところを退出し、そのままギルドの地下の魔法開発部(最近名称変更した)に向かう。
なぜなら情報開示以後、ほぼ全魔法使いが暇があれば魔法の開発を行っているからだ。
といっても、暇をしてるギルド員なんてあまりいないんだけどな。
素材集めをしたりしてLv上げたりしてる。
今夜は戦争のせいか、少しだけ込み合ってるかな?
「おっ、向島くんみっけ!」
「見つかったー!って、かくれんぼしてないですよね?」
素敵なノリツッコミをありがとう。
彼は一応地下施設運営委員会を作った時から、ここで開発している頻度が一番高い人間だ。
そのお陰か、指名してないのに纏め役のようなことをやっている。
お陰で開発状況の確認にうってつけなので、重宝している。
「向島くん今夜は戦争なんだが、殺傷能力が高くて範囲が広い魔法とか開発されてないかな?」
「色々ありますよ?天音さんとスレインさんの合成魔法は言うまでもなく、最近は3人で同調して行使する魔法が実用段階に来てますね。」
「3人が同調して使う魔法か…。
名付けるなら、三重奏魔法か?なんかダサいな。」
「名前はなんでも良いですが、それで統一しましょうか?」
それでいいのか?
「さて、相談があるんだが。」
「わかりました。いいですよ。」
…。
「私はまだなにもいってないよね?」
「言ってませんけど、無理は言ってこないので拒否する理由はないですから。」
それはそうかもしれないが、簡単に決めすぎじゃないか?
「んじゃ、もういいや…。
向島君はギルドの魔法使いを適当に見繕って、最初に町の外から攻め込んできた相手の足止めを頼むわ。
広範囲魔法で、バカスカ撃ちまくっちゃって!」
「それだけでいいんですか?」
物足りないかのような返答だな。
「細かい注文は、出来るだけ相手が動けないように仕上げて。
氷漬けとかで、死に戻りができにくいような感じの時間を稼げるので。
当然だがある程度時間が過ぎたら、いつものように城前の橋で防衛に当たってもらうよ。
そのときは連絡するから。」
「畏まりました、頑張らせてもらいますね。」
流石は向島くん。なにも言わずにやるというだけはある。
ちなみに、彼の名前は[向島くん]である。
さんを付けて呼んだら、[向島くんさん]になるんだろうか?
現実でアグネスチャンを呼ぶときは、[アグネスチャンさん]になるようなものかな?
さて、後はどんな嫌がらせをしようかな…。
相手が攻めたくなくなるような、精神攻撃…。
そうだ、盗賊職(暗殺系込み)に襲わせちゃおう!
思い付いたら、すぐに連絡を取る。
【ウッド、盗賊系仲間全員に連絡回してほしいんだ。
今夜の戦争で、街中の裏路地とかから侵入者をこっそり暗殺しまくってくれ。
進軍してたら、一人ずつ消えて死亡していくのとか恐怖だと思うんだ。
無理はしないで良いから、確実に潰していってくれ。
戦端が開かれるまでの時間だけでいいからね。頼んだよ。】
これでヨシッと…。
暫くすると、ウッドからの返信もあったし一安心。
後は私も頑張ろうかな。
上空からミニで熱線打ち込むでも良いし、弓が来るようならもっと高い位置からアイテムボックスに小石を入れて絨毯爆撃でも良いし…。
龍騎士が三人も居れば、なかなか嫌な攻撃になるだろう。
進軍したくなくなるような、嫌がらせを頑張ろうっと!
本日も誠にありがとうございます。




