70のパーティーダンジョン1
そんなこんなで準備を済ませ、70ダンジョンへと突入する。
とりあえずクリア前提だから、タイムはあまり考えないで行くことにした。
タイムオーバーさえしなければ、別にいい。
出現した先は広々とした草原。
ダンジョンはどこ行った…。
「あら、やっといらっしゃったのね。待ちくたびれましたわ。」
後ろから野太い声が聞こえて振り替えると、身長190cmくらいの筋骨粒々の金髪縦ロールをした漢が立っていた。
相変わらず、運営の思考がわからない…。
「あら貴方、なかなか好みな顔立ちね。ときめいちゃう!」
視線を向けられたアスタールが一瞬で20mくらい後方に逃げていった。
顔が真っ青である。
「貴方も、ワイルドな髪型が素敵!」
視線を向けられたウッドが咲夜の背後に隠れる。
「騎龍さん!死に戻りで、リトライしたいっす!」
身体の危機を感じているようだ。
H&Mな案件はいらない…。
ちなみに、ナナミは目を見開き脳内に記憶しようと凄い目を向けている。
なんかブツブツとスクショだとかなんか呟いてるが、気にしないでおこう。
君はそれで良いのだろうか…。もっとカッコいいCPが普通だろうに…。
とりあえず、声をかけて話を進めてもらおう。
「あー、隊長。時間がないので早急に仕事にかかろう。」
「あん、いけずー。そんなんじゃモテないわよ。でも、そんなストイックさが素敵!」
無視して進めたいが、無視したら駄目なんだよな…これ…。
クリア報酬が減らされてしまう…。
運営の悪意を感じるわ…。
「もー、わかったわよ。そんな目で見ないでちょうだい。感じちゃうから!」
やばい、私も帰りたくなってきた…。
「んじゃ、説明するわね。すでに見えているけど、魔物の軍勢が王都に向かって進軍中なの。
数は約10万で、ここに来るまで1時間くらいかしらね?。
可能なら殲滅、無理だとしても援軍が来るまでここで押し止めてほしいの。
援軍が来るまで5時間、それまで耐えたらいいわ!」
ちなみに、援軍が来た場合はクリア報酬が減らされてしまう。
実質失敗と似たようなもんだ…。
「質問です。隊長は戦闘中は何をなさるんですか?」
「いやん、マリーって呼んで!」
こいつ、ぶん殴ったら駄目だろうか…。
気を取り直して頑張ろう…。流石に私の忍耐とかSAN値とかが無くなりそうになってきたが…。
「では、マリーは戦闘中は何をするんですか?」
「見ての通り回復よ!色々すんごいんだから!!」
どこをどう見ても、前衛としか思えないわ!!
そう突っ込みたかったが、言葉を飲み込んだ。
「了解しました。では早急に敵の殲滅に向かいましょう。」
「いやん、素っ気ないのも素敵!」
こんなのを守りながら頑張らないといけないとは…。
ちなみに、大体80%はこんなNPCであるらしい。女性だったりする場合もあるが…。
やり直してる暇があるなら、我慢して進めた方が時間効率がいい。
「では、早急に殲滅に向かう。魔法の範囲に入ったら、天音とスレインはデカいのを叩き込んでくれ!」
「あいあい。」
「わかりました。」
返事でどっちがどっちかわかるな…。
「あとオーリ。適当にミニを連れて削ってきてくれ。遠距離が危ないようなら、帰ってきて構わない。」
「フハハハハ、我に任せるがよい!」
颯爽と飛んでいったのはいいが、逆に不安になるのはなんでだ…。
「さてっと、ダンジョンで使う機会があるとは思わなかったが、馬車で行こうかね。」
「反対だ!」
「絶対にイヤっす!」
アスタールとウッドが凄い勢いで反対してきた。
マリーを警戒してるのが露骨にわかる。
「二人は御者席ならいいだろ。私は外で馬(?)に乗っとくよ。」
元々、馬車は6人乗りだから乗りきれない。
「待ってよ!僕たちはどうなるの!?」
天音が悲鳴をあげて抗議してくる。
「今のとこ、好意を向けられてないんだから大丈夫だろ?」
「3人に好意向けてる時点で、全く信用できないよ!」
ワガママな奴だな。いや、当然の反応か…。
私でもイヤだ。
「では、MP消費が少し大きくなるが男は馬(?)で向かおうかね。」
「いやよ!イケメン成分が補給できないじゃない!」
殴っちゃ駄目かな…、駄目だよね…。
流石に70までくると、報酬が洒落にならなくなってくるからな…。
「隊長の意向により、私ともう1人は馬車と言うことで…。」
親として、体を張らねばならないときもある…。
「なら、アスタール君がいいわ!」
「いーやーだー!!」
息子よ、耐えねばならぬときが人生には多々あるのだ。
世の不条理を今のうちに学べ…。
「これが、失敗率が高い理由か…。心が折れる…。」
生ぬるい目で見てくる2人と、ハァハァと息を荒げて目を血走らせてる1人…。
世界の終わりのような顔をした2人と、晴れ晴れとした顔の3人。
馬車が棺桶に見えてくる…。
今後は体力温存のためだろうが、馬車は絶対に出さないと心に誓った。
親父がやっと退院しました。
約3ヶ月。
長い道のりだった…。
一日に3回呼ばれたときは、キレそうになったのもいい思い出です。(ほんとか?)
本日も誠にありがとうございます。




