体調不良
戦斧のところに向かって、装備を受け取った。
それに確保しているステータスが上がる宝石を組み込んでいく。
一気にINTが上がった反動で、認識速度の違いから気分が悪くなってくる。
ここで判断を間違った…。
「すまん、意識の加速に耐えられない。気分が悪くなってきたから暫く休ませてほしい。」
一気に知力が上がったせいか、体感の差が変わって気持ち悪くなってきた。
車酔いのようなもんだな。
「おう、これまでも何人かそういう奴もいるからな、少し休んでまた頑張ってくれよ!」
戦斧の一言が優しくて癒されるな…。
その言葉をありがたく受け取り、微睡みへと落ちていくのだった。
奥の座敷で暫し休憩がてら一眠りして目を開ける。。
職人たちの休憩場所のような広々とした、12畳くらいの広間に布団をしいて横になっていた。
目が覚めると、ソルティが横でウツラウツラと頭が揺れていた。
心配をさせてしまったようだ。
そういや、オーリが言ってたの忘れてた…。
一気に上げるのは良くないって…。
強くなれることにテンションが上がってしまった。
色々なステータスを総計で一気に100ポイントくらい上げたからな…。
誤差の反動が酷すぎるから、今日は何も出来ないかもな…。
布団から身を起こし、ソルティに毛布をかけて外に出る。
歩くだけでも一苦労だな…。
できるだけ平均的なステータスにしたが、簡単にいくものではないな…。
剣を片手に素振り等をして、動きのトレースをする。
付けた宝石は外せないからな…。
不便なものだ…。
でも、装備を減らした状態でやっても慣れるまで時間がかかりすぎてしまう。
その間は狩りも出来ないからな…今夜の戦争に間に合えば良いが…。
今の状態で、一気に慣らすしかないか…。
そんなこんなで、身体に覚え込ませていく。
ついでに、身体の力の流れを意識しつつ改善していく。
地道な努力が強くなる第一歩だからな…。
飽きるけど…。
正面に相手が居るように想像しながら剣を振ったり、避ける妄想を続ける。
どっかのグラップラーではないから、身体に傷が出来るほどの妄想力はないがな!
「騎龍ちゃん、もういいの?」
ソルティが目を覚ましたようで尋ねてくる。
「本調子ではないが、まぁまぁいいよ。ソルティは大丈夫なの?」
「あたしはたいして上げてないからね。どうするか悩んでいるし…。」
つまり、深く考えずに一気に上げたのは私だけか…。
学習能力ねぇなぁ…。
素振りを続けていると、アスタールと天音も合流してきた。
「お、親父。起きたんだな。大丈夫だった?」
「私は問題ないが、二人はどうなんだ?」
「僕達はまだ悩んでるとこだからね。徐々に状況や先の様子を見て上げていくよ。」
「いまのままでも、問題はないからね。」
二人の言葉にハッと気づかされた。
宝石をいれてなかったら、
「私はあと2回の変身を残している!」とか
「100%中の100%!」
とかが出来たかもしれないのに!
まぁ、体調不良で動けなくなるから無理か…。
「騎龍ちゃんが、またバカなこと考えてる顔してる。」
「いつもじゃないか。」
「激しく同意。」
相変わらず、家族は優しくて涙が出てくるわ…。
ゲーム内の12時、昼御飯を食べていると咲夜達が合流してきた。
「どうしたんですか?顔色が悪いですよ?」
「戦斧から装備を受け取って、宝石をガッツリ嵌め込んだから、感覚がずれて体調不良なんだよ…。咲夜達は気を付けろよ?」
「うわぁ…。仕事が忙しくても、情報集めないと駄目ですよ?攻略掲示板で、その話は上がってるから有名ですよ?」
そんなに有名なら、教えてくれれば良いのに…。
家族と同じく、酷いな…。
「騎龍さんなら大丈夫かと思ったのに、駄目だったんですね。」
「私をなんだと思ってるんだ…。」
「心臓に毛が生えてる…んー…。」
「その沈黙がすべて語ってるよね!!」
別に良いけどね、子供の同級生からはおじちゃんだし…。
「それはそれとして、何の用なんだ?今日は体調が悪いから、あんまり本気のとこは行けないよ?」
「それは大丈夫っす。すでに掲示板に上がってるとこに行きたいって話なんで!70のパーティーダンジョン行かないっすか?」
ウッドが声を弾ませて頼んでくる。
「ちょい待って、攻略掲示板読むから!」
情報もなく、即決できないからな!
そう思って、探してみるが失敗の情報ばかりが目につく。
70ダンジョンはタイムアタック+メインを張るNPCを守りつつ、言葉によるコミュニケーションが必要なようだ。
メインを張るNPCはランダムで決まるらしい。
失敗の情報ばかりが多いのは仕方ないな…。
なんと、メインを張るNPCの80%が男性らしい。
そのうえ、78%はガチムチらしい。
残りの1%は男の娘でイケメンの普通の性癖のNPCは1%しかいないと言う。
それだけでゲーマー男子の心の大半が、ここで折られてやりなおすらしい…。
どうせなら、可愛い女の子が良いもんな!
残り20%は女性だが、筋骨粒々な偉丈夫がその18%を占めると言う。
残る2%は見目麗しい女性である。
ただし、1%は百合らしい。
見目麗しいNPCでVR内とはいえ、仲良くなれそうな普通の女性のNPCに出会える確率は1%しかないということだ!
普通じゃない性癖の持ち主だったら、ウハウハだろうがな…。
「説明を読むだけでやる気が失せる…。」
私の率直な感想はこうである。
もしワクワクしてくる人がいたら、是非お近づきになりたくないので遠くに離れていただきたい。
「ナナミとかが、凄くワクワクしてるんすよね!頑張ってみないっすか?」
「別に私は否定はしないから別に良いけどな…。二人はそれで良いのか?」
自分の彼女が腐ってても良いのだろうか…。
私はストーリーとかを重視するから、男と男の絡みは気にしないが…。
「内面も含めて、ナナミなので構いませんよ。」
スレインが男前な台詞をいってくる。
御馳走様です!
とりあえず、どんな会話をしたら良いのか大体わかったから行くか…。
面倒くさそうで、あまりやりたくはないが…。
本日も誠にありがとうございます。




