ぶらり旅3
「親父、どっか行こう。」
ギャンブルも飽きたのか天音が言ってくる。
「あぁ、どこ行きたい?」
「コロシアム!」
そこもギャンブルじゃないか…。
ちなみに、天音の負け分は取り返した。
北のドンライへと向かう。
ここは城よりも大きなコロシアムがあり、連日熱いバトルが繰り広げられている。
到着した今もリングでは獅子のようなモンスターと筋肉ムキムキの男が戦っていた。
って、アレはグッドマンじゃねえか…。
上半身裸で武器も持たず、正面から殴っている。
あ、今背後に回って首を絞め始めた。数分も経たず、泡を吹いて倒れる獅子。
「グーーーーーーーーッド!!」
人差し指をたてて両手を上に高々と掲げる。
プロレスラーかよ。
周囲はすごい熱狂に包まれている。人気あるんだな…。
「親父!出場しないか?」
「嫌だ、攻撃力が低いから不利すぎる。」
「ほら、この後ファイアーボール耐久バトルがあるよ!」
「誰が出るんだそんなもん…。それに、魔法防御はようやく人並みだから弱いぞ。」
「こっちでもいいよ、電流爆破金網デスマッチ!」
「お前は私を殺したいのか?」
次のバトルはモンスター同士のバトルか。
適当に賭けながら遊ぶ。
スライムって弱いイメージしかなかったが、包み込んでだんだん溶かしていくのがすごいグロかった。
衝撃を水のような体で逃して、コアが無事なら倒れない。
オッズが3倍なのも頷けるな。
私は外した…。龍謎の知識が前面に出るからな…。
「あっ、この後出番だから行ってくるわ。」
「ん?参加登録したのか?」
「プレイヤーの魔術師限定バトルロイヤル行ってくるよ。僕に賭けといてね!勝ったら全額頂戴!」
「わかったわかった、頑張れよ。」
1M賭けておけばいいか。
2試合観戦した後に天音の出番となった。
総勢10人に及ぶ大乱戦、どうなることやら…。
開始と共に魔力球を数十個自分の周囲に展開する天音。クルクルと周囲を回っている。
瞬時にアレだけの数を展開できるとは凄いな。
他の奴らはなにも行動できてないのに…。
あとアレって、直線で動くんじゃなくてあんなこともできるんだな。
かなり研究してたしな。
他の奴らは警戒してるのか、今だ動かない。
ド派手な魔法ぶっぱなしまくればいいのにな…。つまらん。
相手の一人が詠唱を始める。
その相手に対して天音が指差しておそらく「バンッ」と言ったのだと思う、口が動いた。
魔力球が1つ物凄いスピードで放たれ、相手の胸を貫いてそのまま壁に穴を開けた。
なんぞあれ?あんな威力なかったはずだが…。
他の魔術師達も慌てたように詠唱にはいるが、すでに展開している魔法が放たれる方が早い。
天音が両手を体の前に広げた瞬間、解き放たれたように周囲の魔力球が放たれた。
なすすべもなく、風穴を開けられ他のプレイヤーはすぐに全員倒れた。
あまりにも静かな殺戮に、観客はシンと静まり返っている。
プレイヤー達は光となって消えていった。
歓声が起こらないのが不満そうな顔をしながら天音が帰っていった。
「ただいまー、勝ってきたよ。」
「ドン引きだわ。なんだよアレは。」
帰ってきた天音を見て、周囲の観客が離れて空間が出来上がった。
「初期の魔力球だよ。」
「あの威力の説明求む。」
「最近完成したんだけどね、まず魔力球を線状で出して円を描きます。この時に、少々で壊れないように強度を出来るだけ上げます。」
実演を始める天音。
「よくわかった。後は高速回転させたって事だな。」
「正解!これだけで良く解ったね。」
「初期魔法の消費魔力で数段上の威力とかウケる。」
「少し消費魔力は多いよ。強度や回転させてるから。」
「レーザーとどっちが強いんだ?」
「相手次第かな?あっちは線でこっちは点だもん。レーザーも改良中で、螺旋を描くように抉っていくようにしたいんだよね。」
「凶悪だな。」
「ちなみに、薄く広げて回転させることも出来るんだよ。」
「龍玉の禿げの技じゃねーか!」
剃ってるだけだったっけ?
「強度を上げないとただの魔力球だからね。かなり難しかったよ。」
暇さえあれば、スレインとなんかしてたもんな。
「それはそれとして、幾らになった?」
「6Mちょいだな。」
初出場で前評判が特になくて6倍は十分高額だな。
「ひゃっほーい、これでなにしよう!」
「魔法系の名前付きアイテムが出たときのために貯めたほうがいいぞ。」
「だよね、今みんなすごく稼いでるからね。」
また今度パーティーで城ダンジョン回って宝箱回収しよう。
金は幾らあっても足りない。
「次はスレインを出場させて、たっぷり賭けよう!」
「ギルドが同じ時点で警戒されると思うぞ?」
「でも、他のメンバー達は教えてないから大丈夫だと思うけどな…。」
あぁ、ギルドWorldの名前があったな…。
倍率6倍なのはその辺もあったのかもしれない。
一応、最大ギルドだしな。
「さて、僕も頑張ったから次は親父が頑張る番だね!この剣山デスマッチとかどうよ?」
「ぜってーやだ!」
本日も誠にありがとうございます。




