ぶらり旅1
何度も出入りしてるが、私はいまだにゆっくりと回ったことのないライクスの町を家族で散歩している。
「とりあえず最初は服だな!」
いつも鎧を着ているから、普段着を買ってない。
「服がないのは父さんだけね。俺たちはあるよ。」
仕方ないじゃないか、お前達のように観光は殆どしてないんだから!
近場の店でジーパンと黒系のシャツを買う。
「リアルとあんまり変わらないの買うね。もっと別なの買えばいいのに。」
いいじゃないか別に…。
着替えを終えて、ブラブラと散策する。
手には肉の串とビールが握られている。
完全に観光客状態だ。
「騎龍ちゃん、あれ食べたい!」
「好きに食べろよ、金はあるだろうが。」
ソルティが指差したのはチュロスだった。
片手には私と同じくビールが握られている。
「えー、旦那が買ってくれるのがいいんじゃん。」
「そうか、なら買おう。」
腕を組んで引っ張られる。付き合いたてかよ…。
「どっか、面白いとこないかなー。」
そう言う天音の手には最新版の店舗マップが握られている。
露天にしろ店舗にしろ、入れ替わりが激しいから1日で変わる。
「そうだ、カジノ行こうぜ!」
「なんでだ?こういう日に室内かよ。」
「親父がいるんだから、いいじゃん。」
「まぁいいけど、掛け金は自分の財布からな。」
「えー、小遣いはないの?」
「20Mくらい持ってるやつにやるか!」
1M=100万である。
「というか、観光する時間あっただろ?その間に行かなかったの?」
「僕は一応良い子だから行ってないよ。保護者居なかったし。」
…あれ?
「ソルティ?」
「黙秘権を行使します!」
「よし、十分わかった。小遣いは私が1Mまでは許可する。遊びにいこうか!」
「流石親父、太っ腹!」
腹は未だに出てないがな。
ソルティは多分自由行動で飲んでたな…。
そんな感じでブラブラと遊んで回る。
一応、収支は家族でプラスだった。
「たまにはこうして遊ぶのも良いもんだな。」
「父さんは詰め込みすぎなんだよ。」
「ずっと、狩りや仕事してたからなー。にしても、観光名所的な所って特にないな。」
「噴水だの過去の偉人だのに、父さんは興味がないからね。」
「興味がないわけではないが、造形の方が気になる。
さっきの教会のステンドグラスや神像はよかったぞ。」
ファンタジーが好きだから、歴史は割りと好きである。
「さてっと、次に行こうかね。」
「次はどこ行くの?」
「西のアスディスでも行って寺院巡り。」
「好きだよね、そういうの。」
「現実だと彫りとかを見入るけど、VRだとグラフィックの美しさだな!」
「うん、仏像とか美しくて良いのだが…。柱に彫られた落書きはなんだ?」
「どこでもDQNは居るってことでしょ。」
「現実にしろVRにしろ、やっていいことと悪いことがあるくらいわかってほしいわな…。」
アンコールワットに残された日本人の落書きとかな…。
年月が経てば歴史的価値も出るだろうが、日記帳にでも書けば良いものを…。
夜、適当な露天に入って夕飯を食べる。
ゲームだから、どこも大差がないのが悲しいな。
「今日はよく遊んだな。」
「といっても、まだ月曜の午前中だよ。」
アスタールがリアルを持ち出す。
「現実に戻さないでくれよ…。」
「親父、午後はどうするの?」
「そうだな…。もう、一日中ブラブラと自由行動するか。」
「さんせーい、今まで十分頑張ったもんね。」
ソルティが両手を挙げて賛同する。
「ソルティはどうするんだ?」
「ダイアとか、暇な女性メンバーで女子会しようかな?買い物したり。」
収入がリアルと比べ物にならないからな。
好きなものを買ったらいい。
「俺はデートの下見。」
アスタールは相変わらずマメだな。
「僕は特にないから、親父とカジノ三昧で良いよ。」
それは特にないと言うのか?絶対に私の財布で遊ぶ気だろ。
「オッケー、天音以外は問題ないな。」
「えー、いいじゃん!」
「冗談だ、別にいいぞ。私もギャンブルは好きだからな。」
現実じゃなく、ゲームくらい少々使っても問題ないからな。
天音のギャンブル好きは私の血だろうな…。
んじゃま、今日は一日楽しく遊びましょうかね。
本日も誠にありがとうございます。




