ダンジョンに潜ろう1
道具や装備を揃えて、晩御飯用の携帯食料を準備する。
「さーて、まずは入ったら天音の転移ができるか確認だな。
それによって、行動が変わるからな。」
「ほいほい、座標登録済みだからすぐここに戻れるよ。」
「んじゃ、行こっかね。」
門を開き中に入っていくと、建設物のような煉瓦造りの壁と通路が続いていく。
突き当たりまで進むと、魔方陣と壁に文章が書いてあった。
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この先は城所有のギルド専用インスタントダンジョンとなっております。
魔方陣に乗ることによって、適した地点へ移動することが可能です。
ダンジョンの奥にはレイドが存在し、倒すと報酬が得られます。
深い階層ほど、良いものが得られます。
御武運をお祈りします。
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…。
ゲームだなぁ…。
緊張して損した…。
「さてっと、魔方陣に乗って行こうか。」
返事を返す皆と共に乗ると目の前に文章が浮かび上がる。
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行き先を選択してください。
レベル10
レベル20
レベル30
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レベル100
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レベルによって分けられてるのか…。
「レベル30でいいか?」
「どうせなら、50くらいいかね?うちら家族の技術と経験なら適正なら問題ないし。たまには苦戦したい」
「あー、死亡時のペナルティもたいして重くないし…。いいか。」
たまには面白く苦戦して遊ぶのも面白いな。
「よし、本日は20レベルくらい上を相手にする!
普通に狩れると思うな。今までの倍近いレベルなんだ。
自分の実力を信じろ。私の家族ならこれくらい問題ない!
では、行くぞ!」
50レベルか…。家族なら問題ないはず…。
そう思いながら選択を選ぶのだった。
転移した先は洞窟のような場所だった…。
出現位置に魔方陣があり、これに乗れば帰還できると書き込まれていた。
「天音、転移はどうだ?」
「だめだね。戻らないと転移はできないようだよ。」
「そうか、なら仕方ないな…。」
「さて、じっくり進むよ…。ウッド、罠の発見はどんな感じなのかな?」
「光って見えるから問題ないっす。レベルが足りなくて見つけられない場合もあるので注意っす。」
「なら、全員壁には触らないように。先頭に私が歩いて漢探知するわ。ウッドは罠があるとこ教えてね。」
「了解っす!」
漢探知とは、豊富なHPを利用して罠を踏んだ場合でも気合いで耐える。実に男気溢れる探知なのだ!
じわじわと進みつつ、周囲の警戒は怠らない。
「ここは踏んだらダメっす。」
静かにウッドが話してくる。
周囲のモンスターが音に反応して近ずいたら困るからな…。
「ソルティ、マッピングは問題ないか?」
「問題ないはずだよ。今のところ直線だし。」
十字路に近ずいた瞬間、ウッドが声をかけてきた。
「足音が聞こえたっす…。右から敵が来るっすよ…。」
「了解、陣形取るよ…。」
出来るだけ静かに行動する。
人の姿が十字路に差し掛かってくる。
運良く反対の方向を見た瞬間、私は駆け出した。
「ダブルステップ…。」
出来るだけ小声で言う。言わなくてもいいんだけど、回りの仲間が認識するからな。
瞬時に詰めて、スタンをいれる。
相手はオークか…。豚面の巨体だ。
確認した瞬間、敵の背後にウッドが現れる。
「ハイドアンドシーク、インスタントキル!」
首を一瞬で掻き切る!
盗賊もかっこいいな…。一瞬で背後に回って首を掻き切るとかカッコいい。
どちらかと言うと、暗殺者だよな…。
そうしてウッドに向けてる視線の片隅に影が差す…。
やばい、単独と思い込んでた。
そこに瞬時に影が割り込んでくる。
「ダッシュスラッシュ!」
流石長男!
私が一瞬の隙を見せる瞬間が良く解っている。
剣を降り下ろす腕をぶったぎる。
瞬時に魔法が降り注ぐ。
「フレイムダガーレイン!」
流石兄弟、連携が取れてるな。
ただし、父は敵の目の前に居るぞ!
「ダブルステップ!」
「ハイドアンドシーク!」
スキルで下がった瞬間違和感を感じた。
ハイドアンドシークは敵の背後に出現するスキルなはず…。
つまり、3体目か!!
やばい…。4匹目がいたらウッドが2匹以上に囲まれる!
炎の剣の雨の降る数秒が過ぎるのを待ち、止んだ瞬間通路に突っ込む。
片腕を無くしたウッドが片膝を付いて3匹のオークと対峙していた。
5匹居たのか…。
「ステップ!ノックバック!」
どんな時でも冷静に、数歩の距離を詰めてスキルによって体当たりしつつ右側の敵を数m下がらせる。
すぐ左隣の敵に対して盾で殴り付ける。
「シールドスタン!」
麻痺して力が入らないオークが壁に叩きつけられる。
そのままウッドに剣を降り下ろそうとするオークに体当たりをする。
「下がれ!」
転がりながら下がるウッド。
入れ替わるように詰めてくるアスタール。
「ダッシュスラッシュ!父さん、そのまましゃがんで!」
目の前の攻撃体制のオークをスキルで殴り、1秒ほどのスキル発動時間を確保しつつ私に告げてくる。
瞬時に重力に任せて座りこむ。
「オーラブレード!」
5m程刀身が伸びて周囲を破壊し、他の3匹のオークも地に倒れ伏す。
「危なかったね~。」
ソルティが拾った腕を繋げながら言ってくる。
「ゴメン、あそこで範囲魔法はなかったね。」
「自分も悪かったっす、複数居ること言ってなかったんで。」
「注意していこう。2段階上なんだからな。」
一戦しかしてないが、ウッドが片手落とすような事態になった。
判断ミスしたら全滅コースだわ…。
「十字路か、右手法でいこうかね。」
まだまだ始まったばかりだ…。気を付けて進もう。
本日も誠にありがとうございます!
なんとびっくり50話!
私にしては続いてるな。