スキルを覚えよう。
予約での投稿練習です。
間違いは無いんだろうけど…。
これは、29日の0時に投稿予定です。
アスタールと別れて、それぞれの覚えたいスキルの場所へと向かうことにする。
私はタンク用のスキル、ヘイトを上げたり出来るスキルを覚えるために騎士団へと向かった。
ソルティは教会。
アスタールは、戦士団の詰め所。
天音は魔術ギルド。
他にも、鍛治や服飾や料理のギルドもある。
中に入ると、受付へと向かう。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」
「スキルを覚えに来ました。」
「では、中庭の方へ行かれてください。」
中庭には、沢山のプレイヤーが武器を振ったり盾で殴ったりしていた。
夕方だから、みな同じ考えなのだろう。
リアルの12時に合わせてスキルを覚えて、ログアウトして食事をし、朝に合わせて戻ってくるつもりなのだろう。
教官という名前のNPCがいたので、話しかけた。
安直過ぎて笑えてくる。
もうちょっと考えてやればいいのに。
「スキルを覚えに来ました。講習お願いします。」
「我輩が教官である!覚えたいスキルをリストから選ぶがよい!」
声がでかい。目の前にいるんだから、小さな声で話してもらいたいものだ。
どっかの狩りのゲームを思い出すな。
飛ばないが、唾が飛んできそうだ。
「では、ヘイトとバッシュとシールドバッシュでお願いします。」
本当だったら、もう少し覚えられたはずだったんだが…。
最初のステータスでミスしたのが微妙に響いてるようだ…。
剣も盾も持てなかったから、熟練度が上がってない。
「では、バッシュとシールドバッシュはそこの案山子で練習しなさい。ヘイトに関しては、この紙を読みなさい。覚えたら使えるようになるだろう。」
ヘイトは紙での座学なのか?
中身を読むと、私は頭を抱えた。
[お前の母ちゃん出べそ~。ばーか。アーホ。間抜けー。]
等々、小学生でも使わないような罵詈雑言である。
運営は何を考えているのだろうか…。
近くに座って紙を真剣に見つめている男女が何人かいる。
きっと、ヘイトの紙なんだろう。
皆、真剣に読んでいる。そんなに真剣に読むものだったか?
なかなか、面白い光景だった。
複数回練習する必要があるが、覚えたら思うだけで発動できるようだ。
毎回唱えないといけなかったら盾を辞めてるとこだった。
気を取り直して、バッシュとシールドバッシュの練習をする。
頭の片隅で、先々のスキルを考えながら…。
「防御上昇のスキルとか、どんなことさせられるやら…。」
殴られて覚えるとかだったら、泣けてくる。
毒や麻痺の耐性もあるから、可能性が高い。
盾職を選んだのは、かなりの苦行だと思う。
まあ、嫁や息子たちにはやらせられないな。
それはそれで有りだな。
そんなことを考えながら練習してる私の横を、プレイヤーが手に紙を持って通りすぎた。
冒頭に[敵愾心の上げかた]とあるのが一瞬目に入った。
流そうと思ったところで違和感を感じて、プレイヤーに話しかけた。
「すいません、その紙を見せてもらえませんか?」
「あぁ、いいですよ。敵愾心の上げ方について書かれてます。」
「すいません、ありがとうございます。」
優しいプレイヤーに感謝しながら私は素早く本文に目を通した。
[敵愾心の上げかた]
モンスターは嗅覚が発達してるものが大半である。
嫌な臭い等を身に付け、相手の敵愾心を上げましょう。
大半のモンスターは動物であるため、歯を剥く行為は敵対行動ととられます。
視覚があるモンスターには、有効な手段でしょう。
表情によって、敵愾心の上昇度は変わってきます。
一部モンスターには、人型もいます。
騎士道精神がある場合、手袋を投げつける特殊な場合も存在します。
言語が通用するモンスターは、ごく一部です。
スキルを覚えるためには、その一部の敵を見つけないといけないでしょう。
数回~数十回練習したら、敵愾心上昇のスキルが学べます。
クラクラする頭を押さえながらプレイヤーに礼を言った。
「ありがとうございます。ためになりました…。」
「いえ、いいんですが…。顔色悪いですよ。大丈夫ですか?」
「あはは、顔が悪いより百倍ましですね…。大丈夫ですよ。お手を煩わせました…。ありがとうございます。」
腑に落ちない表情をするプレイヤーに礼を言って別れた。
運営は、私を目の敵にしてるのだろうか。
悪意が半端ない。
少々どころか、全く別物である。
真剣に読んでた男女をバカにできない。
これは、真面目に考えないといけない案件だ。
運営に通報するべきだろうか?
私に渡された紙は文章のみだった。
つまり、言語で敵愾心を上げないといけないのか?
とりあえず、前回のステータスは自業自得だ。下に書かれてたことの重要性を考えていなかったのだから…。
今回は、私の前に数十のプレイヤーが紙を受け取っている。
いや、初心者講習としてスキルが5%上がるクエストもある。
私達が狩りをしている間に講習を受けているプレイヤーも多いだろう。
こんな馬鹿げた経験をしているプレイヤーが何人いるだろうか…。
きっと、INTがゼロの私だけだと思う。
公式には、500万人が参加と書かれている。
盾の割合が少なかったとしても、20万人はいるんじゃないだろうか?
少なくとも、1万は切らないだろう。
運が悪かったとしか言えないのかもしれない。
Lucの値もゼロだからな!
そこは、色々なステータスがゼロの弊害として受け止めるしかないのかもしれない。
INTがゼロだから、分かりやすく書かれてるのかもしれない。
現実とステータスは別物であり、ゲーム内では親切のためにINTに合わせてるのかもしれない。
[猿でもわかる、ヘイトの上げかた]
なのかもしれない。
今までしてきたゲームに関する常識が崩れていく。
自由度高すぎじゃないか!
キャラクタークリエイト段階でも、見落としてる穴があるのかもしれない。
Luc特化の場合はどうなっていたのか、すごく気になってしかたがない。
混乱する頭で様々な考察を考えながら、必死になってバッシュと、シールドバッシュを覚えようと剣を振る。盾で殴る。
周りの人は、私より数段早く離れていく。
ゼロの弊害が顕著に現れる瞬間だった。
心で涙を浮かべながら、私は一生懸命練習する。
他の人が数回で済むところを、何十回も剣を振る。
ようやく一通り覚えたので宿に戻り、ログアウトする。
ご飯を食べて、またログインしよう…。
このままだと、前線プレイヤーすら危ういんじゃないのか?
家族に申し訳ない気持ちで、私の心は一杯だった…。
本当にできてるのか心配です。
なんせ、酔っ払いですから!
本日もまことにありがとうございます。
皆様のお陰で頑張っていけます。






