攻城戦1
小高い丘の上に陣取っている。
「この立地で他のギルドが出現しないのはおかしいな?」
それに天音が答える。
「ありきたりすぎるんじゃない?他のギルドは街道脇に出現してるよ?」
確かに、すぐに城に突入するにはこの位置は微妙に遠い。
にしても、予想より少ない気がする…。
違和感が半端無い。
「なあ、人が少なすぎないか?」
南の都市の周囲に人がどんどん門の光を潜って到着しているのを見ながら家族に伝える。
グループごとに固まっているから分かりやすい。
「可能性その1、ログイン順にサーバーを分けられた。」
アスタールが答える。
続いて天音が答える。
「可能性その2、気づかない間に分けられてた。その3たまたま少ないだけ。」
その2の場合、四人が揃う可能性はかなり低い。
並のサーバーなら1万人とかだろう。
500万人ということは、500分の一を4連続引くほどの強運はない。
たまたまはあり得ない。
「ログイン順が最有力だな。とある学校のゲームでもクラス分けであったな。」
ときめくゲームのオンラインも面白かったな…。
「あたしたちが知らないだけで、可能性はかなり高いね…。」
そうソルティが答える。
普段考えないだけであって、頭は悪くないのだ。
「サーバーの人数が少ないなら好都合!数十万人を相手しないで済むんだからな!」
これまで、かなり違和感を感じてた。
一番最初に出現したときの周囲の状況にしろなんにせよ、500万にしては少なすぎると考えてた。
その違和感の結果が1万に減ったなら好都合だ。
いや、ここに居るのが1万なだけで総合的にはまだ多いだろう。
「よし、これから始まる。全軍待機。」
移動しない私たちの間に出現する人が居たりする。
これだけの立地でだれもおさえないのはおかしいからな。
そそくさと別な地点で合流を始める。
私だったらそのまま何食わぬ顔で合流する。
周囲の人数が多すぎるから紛れることが可能だからだ。
ちなみに、
「私たちは目印をつけている。それ以外の人は敵だから目を離すな!」
という達しが全軍に伝えてある。
しかも、横20人縦30人で整然と並んでいる。
みな、出現した人に目線が向かってる。
バレバレである。
大体の人は勘づいてそそくさとその場を離れる。
離れない人も居るが、いい的だな。
そのまま暫し放置する。
「あと1分切ったよ。」
ソルティの声に緊張が高まる。
目の前にカウントダウンの数字が浮かび上がる…。
3…2…1…
攻城戦start!
「全軍待機!」
丘の上だから周囲がよくわかる。
幾つものグループが城に向かって移動を始める。
ちなみに、この位置はまだ攻城戦の範囲外だ。
オーロラのような光が地面から立ち上っているのが視認できる。
「4時間もあるからな、最初は様子を見よう。」
城の周囲で戦闘が繰り広げられる。
盾が戦線を構築し、隙間から槍が飛び出す。
後方からは魔法や弓矢が飛び交っている。
近接の人はスキルで近づいて攻撃しているようだ。
そうこうしてるうちに、城にたどり着くグループが表れる。
「そろそろかな…。」
城門が破壊されて中に突入する人が見える。
外で戦っている人も少なくなってきた。
「徒歩にて前進!」
都市まで5分かからずに到着できる。
城まで10分かからないだろう。
すぐに攻城戦の範囲へと入る。
周囲で戦ってた者達が私達へと向かってくる。
最大規模のギルドだし、丘の上にいたから目をつけられていたのだろう。
私たちの後方で紛れ込んでた者達に攻撃をして、まずは不安要素を消す。
「相手は散発的に来る。順に殲滅するぞ!」
複数のギルドの生き残り達だから、連携もなく向かってくる。
私達最前列の盾へと到着するまもなく、弓や魔法を受けて近接攻撃しかできないのは倒れていく。
頭上を魔法や弓が越えていくが、あちこちに散らして配置したヒーラーが瞬時に回復して戦列の維持をはかる。
「まだ前哨戦だ。4時間もあるから、疲れすぎるなよ!」
そう回りに声をを掛けながら城を目指すのだった。




