家族の普段の会話
【業務連絡。マスターとサブマスターは会議室に集合してください。】
【業務連絡その2。一般メンバーは明日受付を作るので、集金をお願いします。ゲーム時間30日辺り6万ずつ単位で集金します。よろしくお願いします。】
さて、書類纏めを手伝ってもらうか。
「今回の集合はなんなんですか?」
と龍桜が訪ねてくる。
「今後の為に書類に纏める作業だよ。かなりあるから分担しよう。」
建設に掛かった諸費用や設備代。
パーティーに使った費用、今後の1日の食事代の概算。
雇った人への給料…。
あれ?なんでゲームの中でも仕事してんだろう…。
なにか間違ってる…。いや、今後の為に必要なことなんだ…。
「ゲームでなんでこんなことしてるんだろう…。」
ぼやく命に私は
「社会人の勉強ができて良かったな。」
と伝えた。一瞬前まで疑問に思っていたが、微塵も顔に出さない。
ここまで大きいギルド運営は会社も同然だな…。
「みんなサンキューお陰で手早くまとまったよ。んじゃコレはマスターへの報告書ね。保管お願い。」
「そのための執務室ですか…。通りで…。」
マスター頑張れよ。私は知らん。
「私はこの後戦斧と話してくるから。今日は解散、お疲れさまでした~。」
「騎龍さんの仕事量が凄いから文句も言えない…。」
コレくらい普通だろ。何事もついでだよ。
「戦斧、調子はどうよ?」
職人棟の執務室に向かった私は戦斧に話しかけた。
「収入や支出の取り纏めが終わったとこだ。初日だから量が多くてな…。」
「今日をキッチリやりさえすれば、後は楽になるよ。」
「それもそうなんだが、誰か雇う予定はないのか?」
「別に雇っても問題ないぞ。今後を考えたら居た方がいいしな。」
プレイヤーのギルドに受付嬢が居るところってあるんだろうか?
一般事務やる人も普通居ないだろう…。
NPCで居ないかギルドに聞いてみよう。
私も楽になる。
「今後も人数が増えていく予定だから、よろしく頼むよ。」
「コッチにも人を回してくれよ?」
「それは申請すれば通るだろ。必要なとこに必要な人数を入れれば良い。」
職人の事はよくわからん。生産してないからな。
さて、これだけ大きければ敵対心を持たれるのは当然だからな…。
ギルド拡大は止まれない…。
ウチに対抗するために他が連合組むのは目に見えてる…。
世界には7つの城があるらしい…。
一番強固なとこを押さえたいもんだ…。
また明日に回して晩御飯でも食べるか…。
ログアウトすると、食事が出来上がって全員席について居た。
「親父、楽しんでる?」
「当然だろ。普通こんなギルド作れないからな。」
食事をしながら次男が聞いてくる。何を当たり前なことを?
「それなら良いんだけど、仕事してるようなもんだから気になったんだよね。」
「ゲームだからな。嫌になったら辞めたらいい。無責任にならないように引き継ぎはするがね。」
MMOに会社経営の要素が入ったくらいのもんだ。
「でも、先々どうしようかすごく悩むよ…。城主になったときの利点がよく解らないからな…。税収はあるからギルドは回しやすくなるけど、城下町の事も考えるとか付いてきたらヤバいと思う。」
「そこは、なってみないとわからないね。」
そう答える長男。
「まあ頑張っていくだけさ。それはそれとして、宿題とか進んでるのか?」
「夏休み40日のうち9日位、俺は問題ないよ。」
「僕も一応受験生だからね。夏休み前半の勉強のついでに結構進めたよ。」
「それならいいがね。友達付き合いとかは大丈夫なのか?ずっとゲームだが?」
「ボッチだから大丈夫!」
「俺も!」
ニヤニヤ笑いながら答える兄弟。
私もニヤニヤしながら答えてやる。
「ボッチ乙!」
「まあそれは冗談だとして、特に予定は今のとこ無いよ。」
「僕も特にはないな。」
それで良いのか学生…。
「彼女とかは?」
「僕は受験だから、頻度下げてるよ。祭りに一回行く予定はあるけどね。」
居ることにビックリだよ。
「俺は今はふくにゃんだから。」
「何処住んでるのか知らんだろ?」
「割りと近いみたいだよ。県は一緒。」
いつ話した、そんなこと…。
「捕まらないようにな。」
「ねーよ!」
真面目に恋愛に発展したら驚きだわこりゃ…。
まあ、私も過去にあったからそれならそれでいいかな?
「真面目に、同じギルドなんだから気まずくならないようにな。」
「それはもちろん!」
まあ、長男なら問題ないだろ。
「あと、挨拶とかどうでも良いから。結婚前提の相手の時だけで良いからな。」
「父さんは相変わらずの安定の緩さだね。」
厳格な父親なんぞ古くさいわ。
「さてと、また19時半くらいからインして頑張りましょうかな。」
茶碗を嫁と洗いながら息子たちと会話する。
「親父、このままゲーム続けてたら酒辞めれるんじゃない?」
「当然じゃないか。酔って操作ミスしましたとか、マイルール的にあり得ない!」
「ゲーマーめ…。」
「そっくりそのまま返すわ!」
多分、私は死ぬまでゲームするだろう…。
いずれは孫とこうしてやってみたいものだ…。
この瞬間私の老後の夢が決まった。
3世代でPT組んでゲームをするという夢…。
私達夫婦、息子二人+嫁二人、子供は何人かな…。二人ずつ産まれたとして4人…。10人以上で私の家で楽しくゲームする未来…。
コレはあれだな。現実で3世帯住宅を目指せってことですね!!
広々とした3家族が住める豪邸…。
無理です!
夢は夢だが楽しそうな未来に、私は心でニヤケるのだった…。
本日も皆さんありがとうございます。
最近、楽しさを羞恥心が上回ってきました。
駄文でほんと申し訳ない。