普通に倒そう
荘厳な神殿の中、周囲には祈りを捧げる信徒達。
私達と相対する司祭…。
祈りの光が糸のように紡がれ、束ねられ、一つとなり司祭へと送られていく。
送られるにしたがい、肥大化していく司祭。
身長が2.5mくらいまで膨れ上がった…。
「こいつは…。厳しそうだな…。」
呟く私に天音が尋ねた。
「んで、どう狩るつもり?」
「そんなん決まってる。エネルギーを送ってるっぽい信徒をまず狙う。信徒がオブジェなら、神像をぶっ壊す。その後司祭だな。どうせ、そんなもんだよ。その間私とソルティで司祭は止めとくから頼んだ。」
「了解!」
簡単な相談を済ませると司祭が話しかけてきた。
「神への祈りは終わりましたか?それでは神の元へ送り届けてあげましょう。」
「無神論者なので結構です。」
私の言葉を無視して、司祭が突っ込んでくる。
魔法を警戒したのに肉弾かよ。
「あめぇよ!」
素早く横に回り、ヘイトを重ねていく。
ディレイの合間に剣で攻撃するが、すぐさま回復していく。
まぁ、それくらい予想通りだな…。
直線運動なんぞ、避けるのも容易い。
時間稼ぎは問題なさそうだな。
そうやって時間稼いでると、アスタールが叫ぶ。
「信徒はなにかの壁で守られてるみたいだよ!!」
「んじゃ二段構えか。周囲のオブジェクトを破壊しまくれ。神像や教本。あとは…。司祭の着けてるアクセサリーだな!」
伊達にオタクに片足突っ込んでないからな、それくらい予想の範囲だ。
私は注意して司祭を見る。
肥大化したから服がびりびりに割けている。
ちなみに、パンツは割けてないから見苦しいものは出ていない。
まともなのは帽子と聖印位か。
「咲夜、帽子を叩き落とせ!ウッド、ネックレス狙えるか!?」
「わかりました!」
「任せるっすよ!」
すぐさま、咲夜が帽子を狙う…。
ターンする際に一瞬止まるのを狙って打ち落とす!
かなりの腕前だな…。
打ち落とされた帽子だが、やはり違うようだ。
本命はやっぱりネックレスかな?
「親父!祭壇回りの燭台だった!これで信徒が攻撃できる!!」
あっ、そっちっすか…。
「予想の範囲内だな。信徒をさっさと片付けてくれ!」
ネックレスを狙おうとしていたウッドが落ち込んだような顔をしている。
「ウッド、真打ちの登場はまた今度だな。今後も頼むぞ!」
「気にしてないんで大丈夫っすよ!」
盗んだネックレスを首に掛けても何もないだろうがな。あれはサークレットだし。でも、やりたかったんだろう。
信徒が段々と倒れていく。
「くっ、力が抜ける…。」
信徒を守るのは最優先なのか、信徒を攻撃する皆へ向かおうとする司祭の前に回り込む。
「おっと、お前の相手は俺だよ!」
行動をさせないために、ノックバックを入れ追撃に目の辺りを狙って剣を振り、追い討ちで盾で更に殴り付ける。
「うがあああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
暴れる司祭の手に魔力の光が集まりだす。
「初魔法か!まぁ、今はまだマシだから来いや!」
「気弾!」
…。
目が見えてないから外れるとか、何がしたいんだろう…。
いや、一瞬気を抜いて気弾の行方を見てしまった。
片手にまだ魔力を止めてしっかりこっちを見ている!!
一気に踏み込み、地面に手を当てた!!
「炸裂気弾!!」
「がはぁっ!」
数m吹き飛ばされてしまう。
HPがかなりあって助かったが、半分ほど削られてしまう。
初の三桁ダメージだわ…。二桁すら喰らったことがないのに…。でも、これくらいなら問題ない。すぐにソルティが回復してくれる。
「親父無事か!?」
「HP600越えてるからな。まだ大丈夫だ!」
「さすが普通のタンクの1.5倍以上なだけあるな…。」
「悠長に会話してる暇はないぞ!!」
信徒を倒したのか皆が集まってくる。
「異端者共め、わが神の真の恐ろしさを教えてくれるわ!」
「神が恐ろしいとか、ただの悪神じゃないか。」
まったく、狂信は理解できんわ。
「ここまで来れば余裕!注意すべきは炸裂気弾が全周囲攻撃なくらい。一気に畳み掛けるぞ!」
「あいよー」
「はいっ!」
「頑張るっす!」
「僕、この戦いが終わったら結婚するんだ。」
「あっはっは、誰とだよ!」
気が抜けた返事はソルティ、気合いが入ってるのが咲夜、「っす」かウッド、フラグ立ててる馬鹿は天音、返事をしてるアスタール。
育て方を間違った気がする…。
スレインとナナミは緊張感のない家族を呆然と眺めている。
ほんと、申し訳ない。
このあと、順当に撃破することができた。
問題と言えば、炸裂気弾を撃つときに、アスタールとナナミが私の後ろに隠れて盾にされて大ダメージを受けたくらいだろうか…。
吹っ飛ばないように押さえつけるなよ…。
衝撃が全部来るじゃないか…。
やっと、まともに狩りできた…。
約30話かかるとは思ってなかったわ…。
本日もありがとうございます。




