仲良くなろう
盛大な寄り道が終わった。
本筋に戻していける。
「こんにちわ、よろしくお願いします。」
「こんにちわ。咲夜と申します。よろしくお願いします。サブマスターのパーティーと組むなんて緊張します。」
現在、組む予定の子達と合流したとこだ。
お互いに自己紹介したとこである。
「では、お互いにリアルに支障がない程度に頑張りましょう。」
「親父がそれ言うか…。」
天音、聞こえてるし現在有休だから全く問題ないだろ。
もぎ取るために死ぬほど仕事頑張ったんだ!
咲夜のパーティーは男女半々のパーティーである。
アスタールが暴走しないために、意図的にやった。
権力万歳!
咲夜は金髪のロングヘアーをポニーテールにしている少し吊り気味な赤い目をしている活発な印象を受ける女の子だ。
主武装は弓で機動性の高い軽装備である。
ナナミは青い髪をツインテールにしている。クリッと大きな金と銀のオッドアイが印象的だ。
主武装は槍で、重要な器官だけ押さえた感じの装備である。
ほか二人の少年の紹介に移ろう…。。
まず、ウッドチャック。これを知ってるなんて私は驚いた。
とある島の戦記で使われた名前だ…。
教えてくれたのは、両親らしい。紹介してほしいくらいだ。
うまい酒が飲めそうである。
主武装は短剣である。盗賊らしく、皮の鎧に身を包んでいる。黒のような肩くらいのざっくりとしたワイルドな髪型が印象的だ。
原作に近い感じに仕上げたのだろう。若すぎるけど!
彼を見てて、今度古本屋巡りしようと心に誓った…。私の原点とも言える作品だからだ…。
そして、ウッドから名前を決めてもらったスレイン。
ほんと、この二人を見てるだけで涙が出てくる…。歳かな?
魔法使いをしたいと言う彼に、「名前はスレインで決定だな。」とウッドが言ったから決まったという。
あまり、自己主張しない引っ込み思案な性格。
決めるときに決めてくれれば、私は満足だ!
名前だけで、姿は全く似てないが私にはどうでもいい問題である。
あー!全巻揃え直したい!(揃えるの4回目)
この名前で私のパーティーに決めたともいう。
職権濫用万歳!!
本当にどうでもいいが、咲夜とウッド、ナナミとスレインは付き合ってるらしい。
みな、同じ高校らしい。
家族でゲームを羨ましがられたが、逆にそっちが羨ましい。
隣の芝生だな。
「ウッド、君は両親からこの本を紹介されたらしいね?」
「そっすね、俺の両親は元はゲーマーだったらしいんすけど。いまは普通の口うるさい親父とババアっすよ?」
「よしわかった、洗脳するから。ちょいと話したいな!!」
少し驚いたが、彼らは隣の隣の県らしい。
車で4時間程度あれば往復できる。
とある戦記の話さえあれば、誰でも親友だ!!
「そんなんできるんすか!?ぜひお願いしたいっすね!」
「まかせろ!!」
どれくらい深く話できるのか、楽しみで仕方ない。
そんな感じで和気藹々とたのしく狩りを始める。
「騎龍さんって両親くらいの年齢なのに、あまりそういうの感じませんよね?」
とナナミが言う。
「いい方に受け取っておくよ。」
これは、若いと言われてるのだろうか?
それとも、成長がないと言われてるのだろうか?
「おっと、やはり山には洞窟があるんだな…。」
「何が出るかな?面白そうだよね。」
答える天音。私もそう思う。
「さて、本気出すか…。ウッド、先頭で罠を探って。パッと見天然の洞窟だけどわからないからね。その後ろに二列で私とナナミ。次にソルティとスレイン、んで咲夜と天音が並んで最後尾にアスタール。これでいこう。何かあったら、また隊列変えるよ。」
問題がないならそれでいい。
慎重になるなら、いくらでもなろう。
「やっぱ、天然なんすかね?なんもないっすよ?」
「そう思った瞬間が危ないよ?少し休憩入れて、改めてやり直そう。」
多分そろそろこの洞窟は終わると思う。
ゲーマーの直感だ…。
というより、初期マップで難しいマップは出さないという直感だな。
少し歩くと、大きな門が目の前に現れた。
まあ、そんなもんだろうな…。
「天然かと思ったのに…。違ってたんすね?」
「ちがうよ。只のゲームだったってことだよ。こういう演出はよくあることだよ。」
ほんと、VRはリアルすぎて勘違いさせられて困る。
門を開けると、祭壇のような場所だった…。
これは、凄まじく嫌な予感がする…。
「やっべえなぁ…。アスタール、私が倒れたら即座に逃げろよ?」
「了解。後は任せな、どうにかするよ。」
すぐに演出が入る…。
祭壇の横から司祭服を着た男が現れる…。
「ふっ、よくぞここまで来た。我が神の生け贄にしてやろう。」
「あっ、結構です。」
ガン無視で話される。
「今宵は儀式に良い日だ。さあ信徒達よこちらに来るのだ。神に祈り、力を捧げるのだ。」
同じく祭壇の横から信徒らしき男女がゾロゾロと出てくる。
レイドかな?
周囲の信徒はモブかな?それとも、何もしないオブジェクトかな?
「まっ、やってみたらわかるか。いっちょ、頑張りましょうか!」
後ろから、皆の了解の声が聞こえた。
さあ、日々狩り三昧!
毎日たのしく狩りしましょう。