少し強いって、エリアボスかな?
一瞬考えがよぎる…。
ギルドの召集したほうが確率は上がるよな…。
でも、このままの方が数段旨い!
狩れなかったらそのとき!
運よくテイミングアイテムが出ればなお良し!
素早く近づきワイヤーを首にかける!
握りしめたワイヤーが首にかかった瞬間、私に攻撃してくる猫。
倒して鑑定しないと、名前が判らないのは不便だが問題ない。
仮名ジャガーとするか。
ドックよりも数段素早い…。
爪が腕を掠める。みみず腫ができるぜ!
「問題ないようだ、怒りになったらわからないが…。一気に決めるぞ!」
拘束から抜け出そうと、もがくジャガー。
キーリングを使ったりして、拘束しようと頑張る私。
攻撃して、削ろうと頑張るアスタール・天音・ソルティ。
呆然と見守る海苔さんとふくにゃん。
攻撃しろよ…。
とりあえず、拘束したらなにしようが問題なかろう。
跳ばれたりするが、重りで耐える。
こんなんばっかだな本当に。
犬より力が弱いだけましだな。
そうこうすると、怒り状態に移行する…。
「今からだ!気合い入れろ!」
と言った瞬間、グンっと引っ張られる!
「ぐえっ!」
腹に縄が食い込む…。コイツはスピードが上がるのか…。
脚力が上がるのか、ズリズリ引き摺られる。
「ちーぎーれーるー!早く終わらせてくれ!!」
多分、レベルはグレートドックと一緒なんだろうな。
似たような感じだった。
「あー、死ぬかと思った…。」
「相変わらず、でたらめな防御力とHPだよね。」
という天音の後に海苔さんが呟く。
「なんだったんですか?あの止めかた…。」
「飛ばないための止めかたですよ。ドックの時、怒るとランダムに飛んだので後方に行かないための策です。」
「ああ、賢いですね。初めて見ました。」
さも当然のような言い訳である。
「ウチは四人ですからね。サブタンクとかいないんでね。」
「それで討伐できるなんて凄いですね。」
「自由度が高いから出来ることですよ。では、今日は終わりにしましようか。」
細かく言うと、アスタールも急所狙ったり砂で目潰ししている。
さらに暴れて私が痛いんだが…。
「では、皆さんありがとうございました。」
「またよろしくお願いします。」
そう言って、町に着くと海苔さんとふくにゃんは別れていった。
さて、ギルドでも行くか。
その日、世にも珍しい依頼書が出された
〔第2マップへの移送されたい人の募集依頼〕
第2マップへ移送されたい方募集
募集要項
・職人であること
・遠距離攻撃のみする事
・許可が出てから、攻撃すること
・10m以上距離を開けること
・盾役への流れ弾は気にしなくて問題ありません。
当方が無傷で送り届けます。
ダメージ受けたら返金します。
リアル時間で明日の朝7時半
ゲーム時間で明後日の朝6時より、順次送り届けます
1回上限人数200名(連合最大数)
集合場所は初期街の門の外になります。
支払って頂く金額:10万
世にも珍しい、冒険者から職人に対する移送依頼である。
職人から冒険者への移送依頼はよくある。
危険度が高いので、未だに受ける冒険者は居ないが…。
それより格安で大人数を送ってもらえるとあって、職人たちの間で噂が広まっていくのだった。
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ログアウトして、寝る準備を進める。
風呂に入ったり歯磨きしたり…。
色々あったが、面白かったな…。
武器持てなかったりスキル覚えられなかったり…。
濃密な1日だった…。
「じゃあ、明日は6時に起きて朝食取ったりして7時半前にはインする感じだな。」
「父さん、ほんとに移送するの?」
「私達のギルドでもハウス建てるだろうし、戦斧にもいい設備の工房作って貰いたいしな。もちろん、戦斧には貸しだがな。」
「親父…。僕はすごいことになる気がするよ…。」
「なんでだ?」
「職人が何人くらい居るかわからないけど、送る人数1万人とかになるかもよ?」
「しまった!それは多すぎる!」
一回で200人…。1万人とか、50回送らないといけない。
1回に30分かかるとしても、18時間で36回…。
ムリゲーだ。
すぐにログインしなおして、先着10往復と1文添えるのだった
やっと、一日目が終わりました。