一日目終了?
さて、かなり長かったリアル一日目がもうすぐ終わろうとしている。
現在18時くらい…どうしようかな?
「このあとどうする?」
訪ねる私に、天音が答えた。
「松明やランタンでも持って少し狩りして、寝たら良いんじゃない?灯火って照明魔法あるし。夜間もやってみないとね。」
「ああ、それもそうだな。」
んじゃま、そうするか。
その前に、困ったときの戦斧。
露天が今はないから、どこに居るかわからないのでメールを送っておく。
《ウチの可愛いフローラの為の首輪とリード作ってくれ。あと、装飾品。》
拐われないように注意しないとな。
再召喚で手元にすぐ戻ってくるが。
すぐに返事が帰ってきた。
《言ってくると思ってダイアが準備してたぜ。いま、ギルド居るから取りに来いよ。》
用意が早いことで…。
向かうと、ダイアさんが真っ先に来た。
「名前決まってよかったねフローラ!ん~、可愛い!!」
手早くリボンや首輪を着けていく。
「服は着せる派?」
挨拶よりそっちが先かい!
「今晩わダイアさん。色々準備してくれてありがとう。服は…着せても良いよ。幾らだい?」
「いいのよ、こんな可愛いんだし。端切れで作ったから要らないわよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。」
「成長したら大きくなるのが残念だわ。」
「ああ、レベル上げないことにしたからずっとこのままだと思うよ。」
「マジで!何て素晴らしいの!ウチも欲しい!!」
ドロップ率幾らか知らないが、かなり低いだろうな。
まだ他に見たことないし。
そんなこと話してると、戦斧もこっちにきた。
「よう、調子はどうだ?」
「まあまあかな。そっちは工房の確保だろ?どれ位する?」
「やっぱり、一等地は高いな、1000万くらいだな。建物込みで3000万くらいしそうだ。」
「手持ち足りるのか?かなりな金額だと思うんだが…。」
「土地代くらいしかでないな。建物は暫く無理だな。」
それでも充分凄いと思う。
3日で1人辺り150万貯めたのだから。
「丁度いいな、もう少しレベル上げしてSTR上げたかったし…。もしよければ、私も貸すぞ。設備が良ければ、装備も良いのができるしな。」
「すまんな、ギルドの設備より作った設備の方がいいしな。頼んでも良いか?」
「まあ今日ももうすぐ終わりだから、また明日だな。リアル明日の7時半にINする感じでウチはいくよ。できるだけ早められるように頑張ろう。」
さて、狩りに行くか。
そうだった。ギルドチャットで連絡するんだった。
目の前の空間にギルドチャットの欄を出す。
今後、片隅に常時出した方がいいかな。
【友人の職人の移動終わりました。今から普通の狩りを始めます。】
ほどなく返事が流れる。
龍桜【お疲れ様です。狩り頑張ってください。】
カテナ【無事送れたんですね。良かったです。】
キリングドール【お疲れ様です、問題なくてなによりです。】
ソウマ【おつかれ~、俺の贔屓の職人も移動して欲しいな~!】
ソルティ【楽しく頑張ったよ~!】
グッドマン【グッッッッッッッッッド!!】
天音【移動したい人は優先するから、メールをお願いします。】
etc…。
会話してるだけで一日終わりそうだ。
このままなら、楽しくゲームできそうな面子だな。
【今からリア23時半位まで(ゲーム22時位)まで狩りします。どなたか、合流する人いますか?】
海苔茶漬け【あ、私たちお願いできますか?2人です。】
【了解です。今から町を出ます。南口で会いましょう。】
これだね、これがギルドの醍醐味だ。
ギルドという閉じた空間だが、絆が出来ていく。
今日組んだばかりだし、楽しまないとね!
南口に向かうと、外から二人が向かってきた。
「今晩わ、海苔茶漬けです。よろしくお願いします。」
「ふくにゃんと言います、よろしくお願いします。」
こうして、交流があるからこそのギルドだよね。
ソロやパーティーだけではない楽しみがある。
海苔茶漬けは双剣の軽装甲戦士の男性。
ふくにゃんは、弓使いの女性なようだ。
「さて、いつも通りだと思います。私が攻撃するので、殲滅していくだけですよ。」
海苔茶漬けがそこで言う。
「レアはどうします?」
「あ~、今回は試しですし…。全部あげますよ。ほんの3時間くらいですしね。」
うちは家族だから1で見てくる人もいるかもしれない。
隙は見せられない。
「いいんですか?家族だと装備を均一に揃えるのに喧嘩になったりとかないんですか?」
「そんな、みみっちい家族じゃないんで。」
天音が言う。それ、喧嘩売ってるだろ…。
「まあ、そんな小さなこと気にしてないんで気にしないで良いですよ。さあ、行きましょうか。」
ふくにゃんの腰に手を回してさりげなくエスコートするアスタール。
どこで覚えた、そんなこと…。
ふくにゃんは、黒髪の清楚な感じがする女性だ。大事な点は『巨乳』である。
オドオドする感じが庇護欲を掻き立てられる。
長男の嫁に来てくれませんか!
嫁の視線が痛いので、これ以上は控えさせて貰う。
ザクザク狩りを進める。
私が一撃を入れて、素早く次の敵に向かう。
そこに、天音が魔法で攻撃を加えターゲットが移動して天音に向かうところでアスタールが凪ぎ払って狩っていく。
ソルティはいつも通り素材回収。フローラが足元でチョロチョロしてるのが可愛い。
敵はネコやフクロウやコウモリ等の夜目が効きそうなのが主体だ。
まったく混んでないので、好き放題できる。
「連携がとれてるのか、狩りが早くて素材がドンドン入りますね。」
と言う海苔茶漬けさんに、ソルティが答える
「ダメージ1ですからね。一人が解体に回れるのも強みかな?」
今後、海苔さんでいいか。それに私も付け加える。
ちなみに、現在7匹にじゃれられてる。
「人数が少ないので、こんなもんだと思いますよ。むしろ、あと一人くらい回収に回っても良いかも。」
大人数なら狩りは捗るだろうが、少なければ素材は回る。
殲滅速度によってはなおさらだ。
そうして狩りを進める私たちの前に、赤黒いオーラを纏う敵が見えた。
「雰囲気が違うな…。これは…フィールドに存在するレイドか?」
そう言う私に皆も緊張する…。
「どうするの?狩るの?」
不安そうに言うソルティ。
ノンアクティブのようで、動かないのが救いか…。
常にこっちを向いているが…。
「各自待機!俺が止められなかったら、誰も無理だ!俺を置いて帰れ!」
おっと、素が出てしまった…。
そんなでかくない、ネコ型の敵…。
といっても、人くらいのサイズだが…。
まったく、狩り終わり前にこんなのに会うなんてついてない…。
でも、無視する選択はありえない!
ボックスを操作し、周囲に散らばる鉄塊。
腰にしっかり括り付ける…。
ワイヤーを手に握りしめ、すぐに首に掛けられる準備をする…。
多分、首にかかった瞬間攻撃が来るはずだ…。
「気を引きしめろ!これが終われば、終わりにするぞ!」
全員緊張した顔で頷く…。
最初の一撃で方向性が決まる…。
いくぞ!!
MMOの醍醐味はソロよりパーティーより、全体での会話だと思います。
会話だけで2000字余裕で越えそうだ。
本日もまことにありがとうございます。