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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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パワーレベリング週間。5

ふと気が付くと、雲の上で倒れている状態で目が覚めた。

周囲にはまだまだ眠りこけている者が多数居る。

幸せそうに顔に笑みを浮かべて眠りこけている。

欲望が駄々もれな寝言も多数聞こえてくる。


早く起きろよ…寝ながら笑っているのは気持ち悪いし、討伐に支障が出るからな。


「おやおや、また目覚めた者がいたか。

そのまま幸せに眠っていればよかったものを…。」

トーガのような衣服を身に纏ったロン毛のイケメンが、一彦君と話をしているのが目にはいる。

この姿は偽りの姿で、本当は別の姿なのはわかっている。

というか今までの道中も全て、コイツが見せていた幻影。

偽の世界である。


「目覚めた人は随時、合流お願いします!」

私が少々遊んでる間に大抵の者は目覚めていたようだ。

続々と目覚めていく人数が増えているが、まだ寝ている者もいる。

戦闘はまだ始まってないようで、にらみ合いを続けている。


「んで、どんな状況?」

私は一彦君に聞いてみた。

「まだ正体を見破ってないので、穏やかに話している状況ですよ。

全員が起きるまで、引き伸ばしたいですからね。」

「オッケー、あとは任せた。」


私が指揮しているわけではないので、丸投げして傍観に徹する。

見守っていると、イケメンが口を開く。

「神の名の元、幸せな時に身を置く。

そこになんの不満があるのか?」

「いやー、幸せは素晴らしいんですけどズット続くと飽きてきてしまうんですよね。

3食全部がヘビー過ぎるのはちょっと…。

たまにはアッサリしたものや、苦いものや辛いものも食べたいじゃないですか。」


皆が目覚めるまでの時間稼ぎで、一彦君がのらりくらりと会話を続けていく。

流石に手慣れているな、例えが俗っぽいけど…。

凄く同意したくなる返事だ。


そうして時間を稼いでいると、いまだに眠っていた数名の姿が消え去る。

起きれなかったか…。


横目で消え去るのを確認した一彦君が表情を引き締めて、目の前のイケメンに告げる。

「さてお喋りはお終いですね、怠惰の悪魔ベルフェゴール。

神の名を語り、偽りの天上界で僕達を堕落させようとしたようですが…。

ここまでです!」

ベルフェゴールの正体を暴き、一彦君が指を突きつけて決め台詞を叫んだ。

「ふっ、気づいていたか…。

ならば、死という名の永遠の…「フラガラッハ!」「多重詠唱!」」


流石はウチの息子達だ。

発言に被せて、数多の輝く剣と魔法が入り乱れてベルフェゴールへと襲いかかっていく。

その一瞬後には、ワールドから出向していた面々も攻撃を開始した。


決め台詞を叫んでいた一彦君他、生徒会の面々は呆然としている。


「なにしてんの?ほら、やるよ。」

一彦君に私は声をかけつつ、歩みを進める。

「え…。えぇー?良いんですかこれ…。」

「うん、システム上問題ないよ。」

そう告げつつ、私は駆け出していった。


視線を向けると仲間達からの一斉攻撃による煙が辺りに立ち込めている。

その煙を突き破り、ベルフェゴールが怒りの形相で飛び出してきた。

「人の台詞の途中で攻撃とは、無礼にも程があるわ!」

なら、攻撃される隙を見せるなよ…。

システムが許している以上、可能なのだよ。


相手の発言に返事をすることもなく、皆でガンガンと攻撃を叩き込み続けていく。

「くっ…。くそぉ!卑怯者共め!!」

悪魔に卑怯など言われたくない。


「もう一度眠らせてくれるわ!」

そう叫びベルフェゴールがブレスを吐き出してくる

今回のブレスは抵抗可能だから余裕だ!


と思っていたが、私は抵抗に失敗したようだ…。

猛烈に睡魔が襲ってきて、眠りへと落ちていくのだった…。

ほんと、重要なときほど運がないな…。


ふと気付くと、十数人の美女が私にしなだれかかっている状態で目が覚めた。

「はいはい、起きるから退いてねー。」

夢魔の判別のために、軽く手で触れながら美女達を退けていく。

この程度は私にとっては、数十万や数百万のPCを壊すよりも障害にならない。


手が滑って胸やお尻を触ったり、してしまったけど…。

たまたま手が滑ったんです!


やはり周囲の美女のなかに紛れていたようで、逃げ出そうとする夢魔を発見する。

「さっきの分も合わせて全力だ!死ねやコラ!」

猛スピードで投げられた盾により、粉砕された夢魔を眺めつつ私は再び覚醒へと向かっていった。


目が覚めて起き上がると、蹴り飛ばしたりして皆を起こして回っているのが目に入った。

眠っていたのは、ほんの数秒だったらしい。

蹴られなくてよかった…。


その後…。

戦いはじめてほんの数分しか経ってないのだが、ここは転職前の狩り場だ。

転職済みが多数居る私達には大した相手ではなかった。

ほどなく、ベルフェゴールもその身を横たえ塵と消え去るのだった。


「ふぅ、流石はワールドの方々ですね。

皆を引き連れておきながら、半分の時間で討伐が終わります。」

一息つきながら、一彦君が話しかけてくる。

「そうじゃなきゃ、手助けに来ている意味がないでしょ。

んじゃ、2周目行こうか。

7つの大罪の名を冠している悪魔を討伐したから、経験値30%アップ時間来ているんだし。」

「ですね、お願いします!」


その後土曜日までかけて、生徒会の全員のレベルを上げて転職まで済ませることができた。

手助けに出向している他のギルドも同様だ。


さぁ、先週のリベンジの準備は整った!

皆の力を合わせて第3の攻略頑張るぞ!

本日も誠にありがとうございます。

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