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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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パワーレベリング週間。

今週は、パワーレベリング週間です!

皆でレベルを上げて、週末の防衛戦にて勝利を納めましょう!


さて、先日は奮闘もむなしくタイムアップによって敗北となってしまいました。

ステータス的には耐えれるから、純粋に火力が足りないということなんだろう…。

このゲーム、鬼畜だわ…。

いや、初期からそんなもんだったわ…。


【本日から土曜日までお世話になります。よろしくお願いします。】

ギルドチャットに挨拶を流しておく。

本日から生徒会のギルドへ参加して、次のマップ移動の手伝いをしてあげる予定なのだ。

他にも沢山のメンバーが様々なギルドの手伝いに奔走している。


沢山の返事を流し読みしつつ、状況の把握に勤める。

転職済みが半数くらいってとこか…。

残りはまだなので、サックリ上げていかねばな。


今回のレベル上げでは、フィールドにある塔に来ている。

何故に城のダンジョンではないのかというと、一定の時間のみ最上階に階段が出現して鬼畜な場所に行けるという情報があったからだ。

この情報を持っていたのは、生徒会のみだという。


他にもここに来ているギルドはあるようだが、まだ低い階層で狩りをしているため、独占状態なのだそうだ。

きっと探せば、似たような場所が他に色々見つかると思う。

残念ながら、探してる暇はない…。


「騎龍さん、こっちですよー!」

各々の方法で、一気に最上階の安全地帯へ駆け上がる私の家族達を一彦君が待ちわびていた。

当然、ソルティは私が背中に乗せて運んだ。

移動方法が無いからな…。


天音は視界内の転移で楽々と移動。

アスタールは壁面の微妙な凹凸を足掛かりに駆け上がっていっていた。

逆に疲れるんじゃないかと、疑問に思う…。

モブに出会さないから、マシなんだと思うがね…。


「週末までよろしくお願いします。では早速、ここでの狩りの説明させていただきますね。」

全員集まったところで、生徒会のギルドを仕切るメインメンバーが最前列に並び説明を始めた。


簡単に説明すると、まずは部屋が別れているため、その部屋で狩りをすればいいという話だ。

ただし部屋毎に1人居る使途を12人倒してしまうと、天空へと到る階段が出現するという。

階段は一定時間出現し、一定の時間の間に誰も上らなかった場合、数十万にも及ぶ天使の群れが階段から降りてきて、塔のプレイヤーを排除するのだという。

しかも、リアル24時間塔が侵入不可になるらしい。

今回の目的では、出現前に上へと行くので気にしないで問題ない。

経験値がゼロだから、戦う意味もないらしいし…。


問題はこの先らしい。


これまで生徒会では1人しか実行できるものが居なかったミッションがあるらしい。

そこを越えて始めて、皆で雲の上の天上界へと行けるらしい。

そのたった一人の功労者は、リアルが忙しくて隠居してしまったらしい…。


皆のために頑張ってくれていたが、リアルで心身に不調が出てしまっては元も子もないからな。

泣く泣く、隠居したという。


「では、これより天上界へと進軍していきたいと思います。

騎龍さんはこの作戦の要になります。

くれぐれもよろしくお願いします!」

「初回だから、期待しないでほしいなぁ…。」

「装備やステータスでみて、問題無さそうなんで期待してますよ。」

「期待されるというか、完全に生け贄だろ…。

他にできる人も居るだろうに…。」

「様々なデバフの耐性が高くないとできないんですよ…。」

「まぁ、頑張るよ…。」


さっくりと使途を倒して、階段へと全員で集まる。

「では、騎龍さんお願いしますね。」

「頑張ってくるわぁ…。」


首をならしつつ、重い気を切り替えて一気に階段を駆け上がる!

瞬時に周囲へと視線を走らせ、視界に影が映った。

「アイツか!ヘイト!ヘイトオーラ!」

身長4mくらいの人影が目に入った瞬間に、敵愾心(ヘイト)のスキルを叩き込み私は駆け出した。


「うおおおおおぉぉぉぉ!」

その瞬間、私の立っていた位置に雷撃が叩き込まれる。

ギリギリで避けてそのままヘイトを重ねながら一目散に走り出した。

そんな私を凄い勢いで、相手が追いかけてくる。

このまま、皆が上りきるまで私は逃げ続けなければならない。


最初の相手は大天使バラキエルという名前だ。

重厚な純白の鎧に身を包んだ、その姿は大天使の名にふさわしいな。

まぁ、目もくれず走っている私には観察してる余裕なんてないんですが…。


「騎龍さん、右に避けて!」

一彦君の声に合わせて、右に飛ぶ。

その私のすぐ脇を、雷が駆け抜けていく。

「そのまま、あと4分ですよー!」

「40台の親父に全力疾走させんなー!!!」

文句を言いながらも、私は後ろを振り返ることなく全力で駆け抜けていく。


さて、ここで少し説明をしよう。

バラキエルは階段のすぐ脇に待機しているために、ヘイトで引き付けながら逃げ回らなければならない。

ついでに、スタートから5分間も無敵の時間がある。

その間、必死こいて逃げ回らなければならない。

初回で何も知らずに階段を上ったら、先頭から順に倒されて全滅となるだろう。


「麻痺のブレスが来ますよー!」

「避けれるかー!」

口許を覆って煙を吸わないようにしつつ、必死に走って逃げる。

雷は直線だからまだいい。

他に麻痺や毒、魅了など様々なデバフの霧やブレスや魔法を使ってくる。

それに耐えきれるだけの、耐性スキル持ちしか引くことができないのだ。


日々、料理人達の食事によって様々な耐性を上げてきたからな。

デバフを受けることもなくなってきた。

とはいえ、数%の確率で食らってしまうんだがな…。


「次は灼熱の息で、火傷ですよ!」

「避けれないものを言わんでいいわ!」


他人事だと思ってないか?

こき使いやがって!

次のマップに来たら、こき使ってやるわ!

本日も皆様お疲れさまです。

誠にありがとうございます。

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