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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
148/159

バカ祭。

とりあえず忙しい中で週一で投稿続けてみます。


「皆!アレやるよ!」

私から頼まれた天音が先頭へと駆け出していき、周囲に散っていた魔法使い数人に声をかけていく。


なんだ、2人じゃなくて3人以上での複合魔法か…。

どんな威力が出るもんだろうか?

初めて間近で見るから楽しみだな。

そう気楽に思ってたのが間違いだった…。


青い仮面を取りだし、おもむろに顔へと装着する天音。

「クールな参謀と思ったか!実はリーダーだ!

ワールドブルー!」

背後から青い爆発と炎のエフェクトが展開される。


アホだ…。アホが居る…。


続けてスレインがその横へと立つ。

「地味だと思うことなかれ!地属性は縁の下の力持ち!

ワールドブラウン!」


君も何してんだ…。


静かにてくてく歩いてグレイも並んだ。

『黒と白、合わさったら灰色。敵か味方か?

ワールドグレー!』


プラカードを持つグレイ。

喋れよ…。


どこかから飛んできたのだろう。

地響きと共に上空から、一人の漢が降ってくる。

「唸る豪腕!震える胸筋!力こそパワー!

ワールドレッド!」


うん、君がレッドなのは予想できたよ…。

ローズマリー。


続けて様々な属性の魔法が吹き荒れる。

炎の塊が浮かび、風が切り裂き、水によって打ち消し土柱が幾本も飛び出してくる。

その空間を暗闇が包み込み、中から光の輝きと共に一人の人物が出てくる。

「魔法の改良お任せください!全属性中途半端!

ワールドレインボー!」


君まで巻き込まれたのか…。

向島くん…。


5人が名乗りを上げ、終わったのかと思いきや…。

さらに続々と集まって名乗りを上げていった。

総勢24名!

いや、そんなのいいから急げよ…。


「僕らの力を寄り合わせ!」

ようやく、魔法の発動に移っていったようだ。

最初に天音が声を張り上げる。

どっかの戦隊物の必殺技を撃つときのようだ…。


長いから省略!

周りの敵の攻撃を防いでいる最中に、見いっている暇なんてない。

ツッコんだりしてる余裕も、皆無いのだ!


「いいな、俺もあんなのしようかな…。」

アスタールが言っているが…。やめとけ…。

二番煎じは面白くないぞ…。


「走れ!飛べ!大地を切り裂き、天を唸らせろ!

今こそ此処に召喚!

大巨人!!」

全員が声を揃えて、アホなことを言い出した。


ほっといたけど、たぶんアレは魔法の詠唱なんだろうな…。

皆の心を纏めて、全員の力を併せた複合魔法なのだろう。

合唱魔法とでも言うのかな?

私だったら恥ずかしいから絶対にやらない…。


そんなことを考えていると、魔力を使いきった皆がバタバタと倒れ伏していく。

それと同時に、地面がヒビ割れ鳴動し始めた。

「ちょっ、マジか!!」

地面の揺れに必死に耐えつつ、周囲を見回してみる。

私たちが防衛している地点と、進行方向の地面だけを残して周囲の地面が抉れて集まっていく。


不自然な地面の抉れ方をコントロールしているのは向島くんだ。

彼は必死に魔力のコントロールをしているようだ。

このように物を作る際、土は綺麗に半円を描く形で周囲の土を使用して作られる。

つまり私たちが立つ地点はほぼ中心になる。

半円の底になって、脱出も困難な状況になってしまうだろう。


それをコントロールしているのが向島くんだ。

普通ではできないことをやっているため目から血涙を流し、口元から血を流しながら必死に押さえ込んでいる。

24人分だしな、普段の何十倍も厳しいのだろう。


そんな私たちの背後に、全高が山のような超巨大ゴーレムが出現する。

何mだろうか?100や200mは越えてる。

その力強く太い手足は、マサムネどころか巨王龍も粉砕できそうなほどだ。

流石は24人の力を併せただけはある。

パーティー4組分もの人数だからな…。


「今です!一気に正面突破!目標の破壊最優先!

雑魚は崖下に叩き落とせ!」

ゴーレムが完成したのか、地震も収まり向島くんが倒れ伏した瞬間に龍桜の号令が響き渡る。

その号令が出る数瞬前には、我らの優秀なメンバーは駆け出していた。

ゲーム開始から約2ヶ月…。ゲーム内時間で240日も過ぎているからな…。

そりゃ、学んで動きも良くなるわ。


「この状態なら天音達も無事だから安心していけるな。

蹴散らして進むぞ!天音達に負けるな!」

パーティーの仲間達と一気に駆け抜けて行こうと足に力を込める。


そこで違和感を覚えた…。

「あれ?誰がゴーレムの操作するんだ?」

召喚したメンバーは全員倒れ伏している。

ただ立ち続ける巨大なゴーレム…。


「あのバカ共…。作るだけで操作できないってどうなんだよ…。」

予想だが、向島くんが操作するはずだったのだろう…。

その彼は現在、無茶と言える魔力の操作と魔力の枯渇によって気絶している。

「まぁいい、お陰で格段に進みやすくなったからな。

今回は大目に見てやるか。」


倒れた天音達と役立たずのゴーレムを置き去りにし、私達は先頭集団を追いかけていく。

出遅れちまったぜ…。

しばらく進んでいくと、先頭集団は既に機械兵の出現スポットへとたどり着いたようだ。

光の柱から湧き出てくる雑魚兵を囲んで、討伐している。


そのスポットの奥に、ボスらしきロボットがギルドの仲間達と死闘を繰り広げていた。

「湧く場所は今いるメンバーで問題なさそうだな…。

ボス討伐するぞ!」

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