表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
145/159

交渉2。

「協力体制の確立という話だが、今更そんなことを言い出すなんて都合が良すぎじゃないか?」

初っぱなから爆弾を投下してきたのは2番目に巨大なギルド『STORM』を率いるマスターであるWhiteWindだ。

今回の会議は人数が多いため、頭上に全員の名前とギルドの表示が義務付けられている。


特に、私が人の名前を覚えられないからな!


WhiteWindの発言を龍桜は軽くかわす。

「今更かもしれませんが、あなた達も近々第3へと進出するでしょう?

常時仲良くとは言いませんが、防衛時のみでいいので協力はしていただきたいのですよ。」

龍桜もここ数ヵ月で大人の返しができるようになったなぁ…。

おじちゃんは嬉しいよ…。


フンッと鼻をならし、沈黙するWhiteWind。

場を沈黙が流れる。

「とりあえず、何が欲しいのか知らないけど…。

私の引き出しはもう無いよ?」

あえてオチャラケて言ってみる。

WhiteWindが睨み付けてきた。

おー、こわいこわい。


「そんな風にふざけてるやつが、一番腹の中で何を考えてるかわからないから、信用できない。」

「おー、確かにその通りだ。私もそう思うよ。」

「素直に出すとは思えないが、全部話せ。」

「意外に思うかもしれないが、私の情報は君ほど多くないよ。

例えば、その君の装備とかね。」


もの凄い勢いで睨まれた。

「何を知ってるか知らないが、俺には隠してることなんて無い。」

「腹芸もなかなか上手いね。いやぁ、誰かさんに見習わせたいわ。」

知ってるかのように言ってるがハッタリだ。

ただ、こういう相手は隠している可能性が高いと予想しただけだ。

だからこそ、『君の装備』などと曖昧な表現で話をしている。


そんな私をWhiteWindは切れ長の瞳で睨み付けてくる。

イタッ!何かが頬に当たる感触がした。

何かのスキルかな?


「ん?何かした?」

「お…お前のステータスやスキルはどうなっている…。

傷すら付かないなんて…。」

やはり、何かのスキルで攻撃したようだ。

殺気や視線で切り裂くスキルかな?

「あぁ、やっぱり何かしたのね。

一応盾に特化させてるからなー。」


忘れてるかもしれないが、私は盾職である。

転職が終わってない相手の攻撃じゃ、まともな傷すら付かない。

本気なわけでもないから、最低保証で10のダメージとかかな?

うん、HPの0.2%くらい減ってるな。

それじゃ1ドットすら動かんわ。


「はいはい、喧嘩するなら後にしてください。

お互いの隠し事を話すのも後回しです。」

龍桜が止めてきた。


うっかり忘れてた。

この話し合いは都市防衛戦の協力の為の話だったな。

「僕達は全面的にWorldさんに協力します!」

ギルド『生徒会』の一彦君がそう言ってくれた。

城の運営を手伝ってよかったと思う。

ちなみに名前は初めて知った。


「自分も今こそ恩を返すときだと思ってるっす!」

闘技場で出会った『有限会社 社畜』の雷音も声を上げてくれる。

私は基本的にギルドに引きこもってばかりで、友好関係にいる人が少ないからとてもありがたい。


集まったうちの大半は、都市防衛戦で協力を約束してくれた。

ここに参加してるだけで多数の情報は集まる。

いつ第3まで来るかはそれぞれだが、第3の情報も入るしな。

それだけでも十分に価値はある。


とはいえ、素直に協力してくれないところもある。

STORMは筆頭だ。

いきなり攻撃してくるくらいだから、よっぽどじゃなければ協力してくれなさそうだ…。


今日の会議は上位10組中、5組が参加している。5組は不参加だ。

その中のWorld(1位)と社畜(6位)と生徒会(10位)が協力推進派だ。

STORM(2位)と猫の肉球(3位)が表面的には否定的だ。

情報の開示次第で協力はしてくれるんだろうなぁ…。


「では、少し話を詰めていきましょうか。

協力するに当たって、何をして欲しいのか。」


ここからが正念場だなぁ…。

本日も誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ