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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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とりあえず、狩りをしたらいいんじゃない?

ギルドハウスへと戻り各地へと情報を集めに行った皆の帰りを待ち、上がってきた報告を書面に記していく。


このマップは結構大変なようである…。

都市のランクが下がった為に、販売されていた物が販売されなくなってしまった。

私が欲しがっていたハロージョンソンとかいう大型バイクも消えていた。

戦車も消えていた。

すごく残念である…。


免許がない者がエンジンをかけようとしても、反応すらしないということもわかった。

クジで当たったスクーターは、そういう制限はなかったのが、せめてもの救いだった。


都市を守る外壁の位置も変わっている気がすると、情報が上がっている。

多分その通りだろう。

とりあえず、早急に1段階でも戻さなければならない…。


つまり、全ては都市のランクによって左右されるということが解った。

都市のランクの上げ方も解らないが…。


「あー、もう…。このマップは微妙にすべてが不便だな…。

どうしたらいいかもわからん。」

私のぼやきにアスタールが返事をする。

「とりあえずゲームなんだし、狩りをしたらいいんじゃない?」


そりゃそうだ。

やることの基本はゲームなのだから変わらない。

「よし、とりあえず普通に狩りしよう。

狩りしてれば、アイテムを買うしクジも引くしな。」


情報も徐々に集まるだろう。

各地に皆が散らばってるのだから。



一部の生産系職業の人は第2に帰ってもらった。

コンビニで買えばいいのだが、それでは毎日の食費が高くつく。

武装の製作や修理に使う資材関連も取得しないといけないからな。

都市レベルが上がれば、そういうのも第3で出来るようになるだろう。

いつになるやら…。


そうして考えないといけないことは無視して、気晴らしに狩りに出掛けている。

壁面に守られた都市の門を潜り抜け、荒野をどんどんと進んでいく。

目指すは遠くに見える、機械兵の生産がされていると思われる建造物だ。


「ふはははは、我を満足させる相手はここには居らぬか!」

「アホ親父、それは演技?素?」

「演技に決まっているだろう。アホ息子。」


ストレス発散のために少々演技をしながら遊びつつ、機械兵を狩りながら進んでいく。

街道をワゴンで駆け抜けようにも、すぐに機械兵と遭遇してしまうため、もっぱら徒歩で移動だ。

乗り降りの数秒が命取りになるし、破壊されたくないし…。


「にしても、なかなか到着しないな。」

詳しく覚えてないが…。

人間が直立してるときに、4km先が地平線の見える範囲だったはず…。

まぁ、ここはゲームだし到着しなくても不思議ではない。


しばらく進むと、土壁に進行を止められた。

「おや?オープンワールドじゃないのか。

なら…。どこかに転移用のポイントでもあるだろ。」


そうして暫く壁面沿いに歩くと、土管が突き出しているのを発見する。

「まさか…。ここか?」

直系で約10mで、出入りの為の梯子が取り付けられている。

「臭いそうで嫌だなぁ…。」

「人間がいなくて、ロボットの生産ばかりだったら、臭いはしないんじゃない?」

「未来だったら、排水とかの分別もちゃんとしてるかもよ?」


それもそうか。

何となく気分が楽になった。

突入しますかね。



さて、入った先は広大な地下空間だった。

足元は丈夫な鉄板で歩く場所が作られている。

所々にある鉄板の張られてない場所には、下層が見えている。


そうした空間に機械兵が歩いているのが見えるのだが…。

一目見ただけで明らかにレベルが上がってるのがわかる。


今まで戦っていたのが、ショベルカーやフォークリフトに大砲や機銃をつけたような相手だったが…。

今目の前で立っているのは2足歩行のロボットである。

例えるなら…。

C3PO…。いや、これじゃダメだ。弱そうだ。


ガ●ダムを人のサイズにしたようなのが歩き回っている。

「相手は一体。試してみるか?」

「いいよ、どうせ最初に死ぬのは父さんだし。」

ちょい待て、死んだら逃げるってか?


十分に準備を行い、皆でタイミングを合わせて一気に距離を詰めていく。

しかし、立っているだけで相手は何の反応もない。

「え?こんな高いレベル帯でノンアク?」

立ち止まり相手を眺めてみるが、何の動きもない。


「これは、運営の自信の現れか?

それとも、最初に立っているのだからお試しか?」

悩まされる…。


まぁいい、変なことをして負けたくない。

本気でいきますか。


少し距離を空けなおし、天音の魔法で開幕の狼煙をあげる。

多数の魔法による煙幕を突っ切り、こっちに向かって突進してきた。

「エリアシール!」

天音に目掛けて駆け寄ろうとしていた相手が、不意に止まる。

やはり、ボスには効果がないがモブには最強だな。


「父さん、こいつはダメージは通るけど、メチャクチャHPが高い!」

シールによって天音に接近はできないが、機銃を撃ちまくりミサイルを飛ばして大暴れである。

「親父!コイツにシールは駄目だ!

遠距離が鬼畜過ぎて、避けるのに精一杯になる!

接近して押さえて!」

短距離転移を複数使って、攻撃を避けながら天音が言ってくる。

「オッケー。とりあえず、こいつを狩ったら撤退しよう!」

装備を新しくして、基礎となる数値を上げないといけないな…。

変身して攻撃力が上昇しても足りないとはな…。


無双ゲームになるかと思ったのに、予想外だ。

本日も誠にありがとうございます。

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