襲撃。
17時を過ぎて、皆が集合し様々な報告を受ける。
都市の外には荒れた地が続き、そこではロボットが蠢いているらしい。
武装はミサイルを撃ってきたり、マシンガンとかを撃ってくるらしい。
その先はまだ未探索だからわからないという。
とりあえず、レベル上げの狩り場はソッチ方面にあるのだろう。
まぁ、まだ初日だしジックリ調べていこう。
中央のタワーに入るためには鍵が必要になるらしい。
明日にでも私達が1連合を率いて行ってみる予定だ。
これで開かなかったら、なんの鍵だろう…。コレ…。
職人達は工場で様々な研究を行っていたらしい。
NPCから購入した武器や防具を解体して、作り方や使い方、改造方法を研究していくと言っていた。
とりあえず、生産に問題は無さそうで安心する。
隼人他数名の身体能力が高い連中は、壁を上ったり空中でのダッシュ方法を確立していた。
少しコツが必要になるが、建物を越えたりしていけるらしい。
どこぞの巨人の漫画やエアトレックを使う漫画みたいで格好よかった。
今度私も練習しよう…。
まぁ職業柄、重装備だから出来るか不明だがな!
そうして皆の報告を受けながら、技術の練習をしたりして過ごしていると…。
「ヴゥーーーーーーーーーー!!」
周囲に大音量の警戒音が鳴り響いた。
「なんだ?何が起こってる?」
仲間達はすぐに装備を整えて警戒体制に入っていく。
次の瞬間、遠くで爆炎が上がった。
爆炎を確認した瞬間、数人がソッチに向けて駆け出していく。
さっき練習をしていた、壁を乗り越えてビルからビルへと跳び移って駆け抜けていった。
「父さん、行くよ!」
「オッケー、車に乗りな!」
パーティーの8人で車に乗り、現場に向かっていく。
「父さん、何があったと思う?」
「多分…。機械兵達の襲撃かなぁ…。
未来の映画とかで、こういうのよくあるし…。」
誰もいない街で、法廷速度を無視して飛ばしていく。
50kmの看板とかあったけど、無視だ!
「とりあえず、皆は周囲を警戒してくれ!
もしもパトカーが来たりしたら教えてくれ!」
「いやいや、それはないでしょ!」
「わからんよ?免許取り消しされるかもよ!」
「されたら、代わりに俺が運転するよ!」
薄情な息子だ…。
†
特に警察とかに出くわすこともなく、無事に街の外縁部へと到着する。
街はグルリと高い壁に守られて、その外から爆発音や機銃の掃射音が聞こえてくる。
「これは…。一定の時間になったらロボットが攻めてくる設定か…。」
「ってことは、街を守らないといけないね。」
「よくあるロボットの反乱っすね。」
「よし、戦闘音が聞こえるということは、隼人達はすでに戦っているのだろう。
私達は壁を越えて外に出る!そして、街の出入り口の門の安全を確保!
後続が来れる状況を作るぞ!」
「「「了解!」」」
各々姿を変え、それぞれの方法で壁を上っていく。
天音はテレポートで一瞬で門の上に、アスタールとウッドとナナミはその身体能力で駆け上がっていく。
スレインは地面をエレベーターのように隆起させ、咲夜はジャンプで上がっていく。
私は背中にソルティを乗せて、飛び上がっていった。
壁の上に到着すると、壮観な景色が目に入る。
「おー、これはレベル上げ放題ってか?」
霞んで見えるほど遠くには、機械達の生産がされてると思われる都市が見える。
その方向から、地を埋め尽くすほどの機械兵の群れが続々とこちらへ向かってきている。
隼人達は数人で協力しながら壊しまくっているが、焼け石に水だなぁ…。
というか、隼人も成長したもんだ…。
協力プレーが出来るようになっているのだから…。
「天音!スレイン!デカイのぶちかませ!」
「任せて!」
二人が魔力を練り上げ、巨岩を空中に出現させた瞬間…。
地上から多数のミサイルが撃たれて、巨岩が爆砕されてしまう。
砕かれた岩は機銃の掃射によって、欠片となって降り注いでいった。
たいしたダメージにはなっていないだろう…。
「対空防衛もされてるってことか…。っとヤッベ!」
魔力に反応したのか、ロボット達がこちらに機銃を向けてくる。
すぐさま散開し、目標を絞られないようにする。
「門に集合!」
叫びながら飛び立ち、そのまま急旋回で門に向かっていく。
「さてさて、やりますか。」
迎撃されてミニ達が破壊されたら嫌なので、近接で相手しようかね。
そう思っていたが、飛んでいる私が大きいせいか段幕の密度が半端ない。
見えてないが、今頃ソルティはミニで囲んだ箱のなかで目を回しているだろう。
吐いてないことを祈る。
「これじゃ門に合流もできない…。」
懸命に避けながら目線を向けると、門の前では6人が協力して戦っていた。
しかし、ヒーラーが居ないから回復もできない。
自己バフでは限界があるので火力も本気より低くなっているだろう。
「仕方ない、そろそろ徒歩組も着くだろう。
合流して、門から入るしかないか…。」
耐えてくれることを祈りつつ、私は壁面を越えて街に戻っていくのだった。
本日も誠にありがとうございます。