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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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魔王誕生?

漆黒の禍々しい装備に身を包み、上空に浮かぶ詩音。

彼の周囲には黒い炎が揺らめき、私を威嚇するように先端を向けてくる。

チッ、ネカマ的な容姿の癖に格好いい職になったじゃないか。

ズルいぞ!


「んで?何を考えてこんな事したんだ?」

私の問いかけに焦ったように詩音が返事を返してくる。

「待ってよ、今キャラ作るからさ!」

「はぁ?まぁいい。待ってやるから早くしろよ。」

私ってば、優しいなぁ…。


私が待っている間に、詩音がなんかブツブツ言いながら一生懸命考えている。

台無しだとか想定と違うとか漏れ聞こえてきたが、そんなの知るか。

そうして待っている間に、周囲にはギルメンが続々と集まってくる。

上空には飛行系のペットに跨がったメンバーも集まっていき、着々と包囲が進んでいく。


「んで、まだか?」

私の問いかけに正面から詩音が見返してくる。

「ふっ、騎龍よ待たせたな。

少々想定と変わってしまったが、結果は変わらない。

この時をもって、世界へと我は侵略を開始するのだ!」


…。

はい?


「よし、すぐさま降りてこい四十路病!

世界に迷惑をかけるんじゃない!

今謝るなら、説教で済ませてやる!」

まだ手を出さないのだから、私も優しくなったものだ。


そうした私の優しさ?を無視して詩音が答えを返してくる。

「そ…そんなに怒っても、む…無駄だ!

我は魔王へと進化を果たしたのだ!

軍団を編成し、我の魔力で眷属を召喚し、世界に我の国を立ち上げるのだ!」


…。

よし、まだキレてない。私はまだ大丈夫だ。

「何に転職しても、詩音は詩音。

全く怖くないわ!

今ならリアル説教10分で済ませてやる!」


私の恫喝に詩音の腰が引けてきた。

逃げようとしてるのだろうが、周囲にはメンバー達が囲んで逃げられない。

死に戻りした時点で私が家に行くのが解ってるのか、攻めてくる気もなさそうだ。


「もー、だから騎龍にバレるの嫌だったんだよ!

全部台無しじゃないか!

騎龍達が次のマップへ行ってから、戦力を集めて征服するつもりだったのに!」

「キャラが崩れてるぞ、やるならキャラを通せよ。

あと、拳骨1発追加な!」

「この鬼!悪魔!」

「魔王がなに言うか。

謝らないから、追加でもう一発な!」


私の説教に心を折られたのか、空中で両膝をつく詩音。

「強くなれると思って誘いに乗ったのに、強くなっても騎龍が親のように止めてくる…。

ほんともー、俺は子供じゃないんだぞ!」

「反省の色がないな。

顔面にぶちこむぞクソッタレ!」

「ぎゃー、ごめんなさい!それだけは勘弁して!謝るから!」


ふう、ようやく謝ったか。

「んで?まだ侵略するのか?」

「騎龍が居る限り無理そうだからやめとく…。」

「ん、それが良いだろう。」

「顔面にぶちこむとか、絶対に親友じゃないだろ…。」

「あぁん?なんか言ったか?」

「いえ!何でもないです!なにも言ってません!」

「なら良し!さーて…。みんなごめんね、騒がせたね。

戻って移動の準備進めてていいよ。もう大丈夫だから。」

「外面…。」

「あぁん?」

「ごめんなさい、もうなにも言いません!」


ふう、ようやく反省したか。

騒ぎも沈静化したし、みんな解散した。

「とりあえず話を聞くからこっちに来い。喉が乾いた。」

「あの…。説教は無いよね?」

「蒸し返されるとイラッてくるよね?」

「ごめんなさい!黙ります!」


その後、私の執務室へと移動をして話を聞いた。

なんでも、転職を完了したら《魔を統べる王》という職業になっていたらしい。

ある意味、女装プレイは魔だとこじつければ納得できる。

オカ魔達の王ってか…。ウケル。


《魔を統べる王》に転職したお陰で使用できるスキルは下記の通りらしい。

スキルで眷属の召喚が行えたり、建物を作ったりできるらしい。

とはいえ転職して間もないため、眷属も弱いのしかまだ召喚できないらしい。

建物も犬小屋サイズがまだ精々らしい。

だから、私に黙って力を蓄えて戦力を整えたかったらしい。


ふっ、私の友人をしていたのが命取りだったな!

いや、友人が《魔を統べる王》なんぞになったのがマダ救いだったな。

知らないところで邪神だの破壊神だのに転職をしてたら洒落にならないからな…。

って、いかんいかん。

こういう思考はフラグになってしまう…。

これは一回、全員の職業を調べておかないといけないな…。


私の執務室へと移動し、飲み物を飲みながらそんな話を聞いた。

まったく、魔王がキャラクターから産まれるとか、どんなシステムだよ。

そんなゲームが昔あった気がするけど忘れた。


「んで、このあとどうするんだ?抜けるのか?」

「いや、計画がばれた時点で諦めたよ。何かしてもすぐに潰されそうだし…。

リアルで攻め込んできそうだし!

そんなことされたら、無理でしょ…。」

よくわかってるじゃないか。


「にしても、面白そうな職業になったな…。

どこかで生かす機会があれば良いな。

熟練度上げたり、召喚するポイントは貯めとけよ?」

「魔将が召喚できるので一番強いんだけど、リアル1週間かかるんだよね…。

以外と使いにくいんだよ?」


「時間をかければ、最強も夢じゃなさそうだな。頑張れよ。」

「騎龍が最恐じゃないか…。」

「リアルでカチコミされたいようだな?」

「そういうとこ言ってるんだよ!自覚してるだろ!」


自分の性格くらいわかってるわい!

本日も誠にありがとうございます。

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