火口に移動。
しばらく進むと、再び外に出ることとなった。
って、マジかよ…。
「親父、さっきの道で間違いないんだよね!?」
「うん、そのはずだから周囲を探索して!
何か手がかりがあるかもしれない!」
皆で手分けして必死に周囲を探索していくが、何も見つからない。
「これは、二人とも気絶させられたかも?」
「父さん、どうするの?」
「どうするもこうするも、一番可能性が高い上に向かうしかない…。
火口にて祭事をするってことだろ…。急ごう。」
洞窟の祭壇は運営の罠だという可能性が上がってくる。
祭事が始まるまで、潜んで待ってたら手遅れになってしまうというパターンかもしれない。
「おっと、ギルドに連絡を入れておかねば…。全員でかからないとヤバそうだ。」
『洞窟はダミーだったっぽい。火口に向かいます。』
「まったく、振り回されっぱなしだな…。とりあえず急ごう。」
火口に向けて、山道をひたすら歩く。
火口に到着したら直ぐに戦闘になるだろうから、息が切れない程度に急ぐ。
「こんだけ開けた場所なんだから、見えてもおかしくないだろうに…。」
私の呟きにアスタールが答える。
「まさか、近道があったとかないよね?」
「言うな、見落としてたとかのフラグとかになってしまう。」
「そんな、何もかもフラグって言ってたら何もできないよ。」
「じゃあ他の言い方をしよう。見落としてた可能性がある。」
「よく違いがわかんないよ。」
「言い回しを変えただけで、意味は変わらん。」
頂上に到着すると、特に何もなく広い溶岩が固まっただけのような場所へと出た。
その中央に祭壇があり、キリングドールが横たえられている。
ウッドは地面に縛り付けられて転がされている。
この待遇の差は何?
私は周囲を見渡し、皆に告げる。
「こんなただっ広いとこ、襲撃しますって言ってるようなもんだと思わないか?」
「急いで近づくのは危険そうだね…。」
天音が答えてくる。私もそう思う。
「にしても、ここって火口だろ?
なんで、下の溶岩部分と繋がってないんだ?」
「そんなの、運営に言ってよ。」
「そりゃそうだ。」
答えがでないことを言ってもどうにもならない。
「よし、すぐ決めないといけないことがある。
皆が集合するまで待つか、すぐに助けに行くかだ。」
「親父はどう考えてるの?」
「臨機応変!何か起きたらすぐに助ける。
何もなければ合流を待つ!」
「なら、それでいいんじゃない?
無難だし、戦力が揃うならそれにこしたことないよ。」
「そう考えさせるのが運営の罠なら?」
私の一言にイラついたのか、アスタールが棘混じりの反論を言ってくる。
「だから、そんなこと言ってたら何もできないってば!」
「すまんすまん、苛めすぎたな。では作戦だ。
兵は神速を尊ぶという。素早く近づき確保し、早急に逃げよう。
私とアスタールが早急に近づき二人を奪還する。
遠距離職は私達が駆け抜ける道以外を絨毯爆撃して、援護を頼む。
他は…。」
作戦を話していると、私たちの上を影が通りすぎ、暴風が追い討ちをかけるように通りすぎていった。
「ちっ、相談する暇すらないか…。」
既に手遅れだったらしい。
私達の目の前に、飛んできた赤龍が地面に降り立った。
「うへぇ、見た目が強そう…。マジで勝てる気がしないわ…。」
オーリを連れてきてれば、少しはマシだったかもなぁ…。
失敗ばかりだ。
「騎龍ちゃん、名前聞いとく?」
「一応教えて。」
「太古の覇王、緋色の巨王龍だってさ。」
「厨二くさい名称だな。
とりあえず二人を助けて逃げよう!最悪の場合のみ戦闘!」
展開が目まぐるしすぎて、ついて行けない…。
本日も誠にありがとうございます。