表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
116/159

絶海の孤島3

あれから現実で1週間過ぎた。

公式サイトで確認している限り、城の維持は変わらずできているようだ。

ひとまず安心する。

メールもギルドチャットもできないのが辛い。

城の皆はどうしているだろうか?


私達が居なくなったくらいで、すぐに別のギルドに移ったりすることはないと思うんだが…。

ギルドメンバーで唯一リアル連絡先を知っている詩音に連絡を取るが、よくわからない自慢話の返事が来るだけである。

自分のことだけでなく、周囲の皆の反応が知りたいんだけどな…。

レベルが上がったとか、戦争で何人倒したとかどうでもいい。


龍桜とグレイも繋がってはいるのだが、コミュニケーションはなかなか難航しているようだ。

漢字2文字以下の文章の解読に苦労しているらしい。

リアルでもそのまんまかよ…。

ほかに繋がりがある人は、全員揃ってこの島に来ている。

ほんと、困ったもんだ…。


さて、この1週間で私達は劇的に成長することが出来た。

最初の頃は、余裕をもっておとなしい草食の恐竜を相手にしてじっくりとレベルを上げていった。

といっても、相手が強いからこっちは2パーティー以上で常に移動することが義務づけられている。


ラプトルとかの肉食系の集団で来る相手には、全力で向かわないと厳しいからな。

というか、全力でやらないと死ぬのはこっちだ。


ある程度レベルが上がった後は、複数が来るラプトルはちょうどいい相手だ。

小さくて素早いのは少々問題ではあるが、攻撃力が高くないからな。

お陰で加速度的にレベルが上がっていく。

そうして、日夜狩り続けたお陰でレベルだけなら100を越えることができた。

70越えてから上がりにくかったが、数倍の早さでレベルを上げることができた。

この島に飛ばされたことを、その点だけは感謝する。

ほかは感謝しない。

だって、城ダンジョンに行けないところが出てしまったからな!

あぁ、名前付き装備…。

サブキャラ3人目を作る日も遠くないかもしれない…。


ちなみに、未だにTーREXの討伐はできない。

まだしばらく上げていこうという話になっている…。


さて、日常生活も日々向上していっている。

職人達だけでなく、私やアスタールや天音も活躍した。

流石は地球が滅びても生きていけるように育てただけはある。

職人達がボックスに入れていた道具を用いて木を斬り倒し、今では割りとまともな家に住むことができるようになった。

葉っぱの屋根の家はしばらく前に卒業した。

鉄って偉大だなぁ…。


食料事情は遭難したときから、たいして変化はない。

狩った獲物や集めた木の実を火で炙ったりするだけだ。

味付けは海水で塩気はある。

ハーブ的な感じの葉や木の実があるから多少の変化はあるのはまだましだ。

しかし、多数の調味料に囲まれている私たちにはなかなか辛い。

味噌!醤油!ソース!マヨネーズ!

帰ったら、まずは食堂でご飯を食べよう…。

リアルの4倍の時間をここで過ごしているのだ。

つまり休日はリアル3回の食事と、ここで9回の食事を行う。

私は完全にこの味に飽きている…。米が食いたい…。


そうそう、一回海に向けて筏を出したことがあった。

ある程度の距離以上は進めないようだった。

そこで頑張って進もうとモタモタしていたら、海に住む恐竜であるリオプレウドロンに下から一気に食われてしまった。

あんなでかくて水中にいる相手、どないせいっちゅうねん!

とりあえず、海上からの脱出は不可能なようだ。


「さて、3回目のTーREX討伐に向かいます。」

私達が並んでいる前で龍桜が話をしている。

これまでの2回、倒すことができなくて皆の顔は暗く沈んでいる。

このままではいけないと思い、私は身を張った討伐方法を思い付いた。

これでどうにか士気を上げていけたらいいと思う。


ちなみにあの後、命はなんとか復活できた。

ゲーム時間で数日間は塞ぎこんでいたのかインすらしなかった。

それがなんとか立ち直ってくれて良かったと思う。

それはおいといて、TーREX討伐はなかなか難しい案件だ。

ここは連合用のダンジョンなのかもしれない。

110越えた私達が200人いたら、勝てそうな気がするからな。

たった50人では厳しいよ…。


全員のレベルが100を越えた日から1日1回討伐に向かっている。

そろそろ倒したい…。

じゃないと城がどうなっているのか気が気じゃない…。

苦労してここまで大きくなったのだ。

帰ったら誰も居なくなっていたとか嫌だぞ…。


そんなことを思いながら、草原に向かっていく。

TーREXは大体その辺でうろうろしているのだ。

1回だけだが、他のパーティーが森の中で出会ってしまったことがあった。

大木の影に隠れて、息を殺していたらしい。

前を通りすぎた瞬間、頭から食べられたと聞いた。

あまりに恐ろしい襲われ方である。

待ち伏せして、襲うような頭があることにビックリだ。


草原に到着すると、TーREXは変わらずそこに居た。

なんらかの恐竜を貪っているようである。

「よし、FAのチャンスですね。全員気づかれないように接近しましょう。」

無防備に背中を向けているTーREXへと静かに進んでいく。

このまま食事を取っていてくれれば、最大攻撃を叩き込むことができて有利な展開に持っていけるのだ。


ある程度の距離にて陣形を展開する。

各員、静かにスキルを重ねてどんどん攻撃力を上げていく。

「では、私に合わせて攻撃してください。」

無防備な背中に向けて、龍桜が駆け出していく。


今日こそは討伐してやるぞ!

本日も誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ