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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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さらに数日後

皆様、『親父と家族のVRMMO日記』の時間がやって参りました。

司会は私、只野御夜市こと騎龍がお送りいたします。

本日も明るく楽しくニュースをお送りさせていただきます。


最初のニュースです。

本日未明、カルガモの親子が…。

え?それはこないだので、記事は次の?

大変失礼いたしました。


それでは、本日のトップニュースです。

本日、戦斧が船の作成に成功したとの情報がありました。

既存のオールで漕ぐタイプと違い、蒸気を用いて推進力を得るタイプの船を作成したということです。

まずはこちらの映像をご覧ください。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


のどかな公園、周囲には緑の木々が生い茂り子供が遊ぶのどかな風景。

そんな中、騎龍はベンチに座りタバコを吸っていた。

一息吸い込み、彼は呟いた…。


「あー、サボり最高…。」


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


不適切な映像が流れたことを深くお詫びいたします。

早急に準備しておりますので、暫しお待ちください。


映像どう?え?オッケー?

ほんとやめてよ、クレーム来たらどうすんの?


コホン、お待たせしました。

それではご覧ください。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


食堂で朝食をとっていると戦斧が歩み寄ってきた。

「よう、今日は暇か?」

「狩りの予定くらいしかないな。」

「なら、船が出来たから付き合え。ホドホドにでかいのが出来たぞ。」

「ほー、ついに出来たか。既に試運転はしたのか?」

「小さいのから試していき、最近は近場を回る程度には何回もしてるぞ。今日は遠出をしてみようと思ってな。」

「オッケー、何人くらいでいけば良い?」

「操船要員で20人くらいはコッチから出るから…。50位は乗れるぞ。」

「了解。適当に見繕って行くよ。」


結構時間がかかったな、まぁよくわからんが難しいものなのだろう。

相変わらず、難題をこなしてくれて嬉しく思う。

「んじゃま、そういうことだ。今日はまずは船で遊ぶぞ。」

パーティーメンバーに伝えておく。

「海っすか、楽しみっすね!」

「釣り竿いるかな?」

「それよりも水着どうする?」

「海には入らないからいいんじゃない?」


楽しみにしているのは良いが、100%遊ぶ気じゃないかコイツら?


とりあえず問題が起こっても対処できるように、主力であるギルド立ち上げ時のメンバーを中心に集めておく。

マスター陣からは5人。

私・龍桜・キリングドール・命・マリンが参加となる。

ログインしてないメンバーも結構いたが、過半数はこれで埋まる。

あとは、ギルド内で単独戦闘が最強な隼人とか実力重視で集めておく。

つい先日行った、決闘機能を使ったギルド内のイベントで上位から選出した。

今度隼人に魔法の切り方を教えてもらおう…。


ちなみに、私は攻撃力がないからたいして勝てはしなかった…。

それでも、ずる賢さで決勝リーグに爪痕は残すことが出来た。

いずれ機会があれば(要望があれば)、その戦闘風景をお披露目するのも良いだろう。

ちなみに詩音はランク外だし実力も無いため、ワーワー騒いだが連れていかないことで決定した。

ギルドに誘わない方がよかったかな…。


ひと悶着あったが無理矢理黙らせて、現在はクラウドの街の船着き場へと集合している。

目の前には木造ながらも鉄で側面が補強された頑強な船が海に浮かんでいる。

船首には美しい女性を象った像が据えられている。

「おう、来たか。進水式だの飛ばしてしまってて悪いんだが、まずは船の名前を決めてくれんか?」

「当然決まってる。ルナ●リア号だ!」

息子二人から、レーザーとショックウェーブが飛んできた。

くそぅ、名作なのに…。


「コホン、神話からとってフリングホルニでいいよ。」

神話は良くて、コミックがダメな理由を誰か教えて!

「わかった、そう刻印しておくからな。」

「おう、頼むわ…。」

すごく残念である…。


気を取り直し、選抜メンバーで乗り込んでいく。

「父さん、この先は何があるかな?」

「夢が有るのと無いの、どっちの返答が良い?」

「…。まずはある方は?」

「きっと、誰も知らない大陸がある!」

「んじゃ、無い方は?」

「一周回って、ミロクの町に着くんじゃない?」

「聞かなきゃよかった!」

ふっ、まだまだ青いな。


そんな日常的な会話を続けながら出港の時間となる。

港には多数のギルドメンバーが見送りに来てくれている。

無事に戻れたら、第二回目の試験運用で乗り込んでもらう予定だ。

「おっしゃ、出港するぞ!」

戦斧が気合いの入った声で各員への指示を出している。

「まったく、みんな暇なのかね?見送りなんていらないのに…。」

「みんな、娯楽に飢えているんだよ。」

ソルティが言ってくる。

まぁそうなんだろう。やっていることなんて日々変わらないしな…。


汽笛が鳴り、ゆっくりと船が港から離れていく。

緊急時用にマストがあったり、手漕ぎ用の櫂もある。

盗賊からの派生職である海賊の職の仲間が嬉々として仕事をしている。

「行くぜ野郎共!」

「ヘイ!親方!」

戦斧の声に返事したりしている。

お前らはなにしてんだ?


特に何事もなく船は進んでいく。

周囲には釣糸を垂らしているのも居れば、風景を楽しんでいる者や筋トレしてる暑苦しいのもいる。

「騎龍ちゃん、タイタニックごっこする?」

「恥ずかしさで死にたくなるから嫌だ。」

私はノンビリと舳先付近で風景を眺めている。


「特にモンスターとか出ないようで安心だな。」

マップ開放とかもまだだしな。

そうして進んでると、不意に視界にノイズが走る。


「ん?なんだ?」

周囲でも同じような症状が出ているのか、皆動揺している。

「戦斧!今すぐ引き返せ!やばそうだ!」

「おめーら、急速反転だ!」

「「「アイアイサー!」」」

とはいえ、船である。すぐに止まることも反転することもできない。


海上にもノイズが走り始め、雷のような放電現象が周囲に確認される。

「あぁ、運が悪い…。どこでフラグ築いたんだろう…。」

私が呟いた瞬間、周囲の海が一瞬で消え去り暗い深い穴がそこには待ち構えていた。

さすがに、こんな展開は予想外だ。


死に戻りか、隙間に挟まるくらいだったら良いな…。

帰れるならどうとでもなるんだけど…。

そんなことを思いながら、私たちは落ちていくのだった…。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


はい、画面はスタジオに戻りまして騎龍です。

ただいま入りました情報によりますと、Worldの女性陣の人気ランキングは…。


え?ソレは後でコッチが先?

もー、ちゃんと順番にしといてよ…。


失礼しました。

えー、ただいま入りました情報によりますと、行方不明者70名。

事件の発生から72時間経過してますが、まったく情報が無い状態での捜索は極めて難航している状態だそうです。


大きな問題にはなりませんが、このまま発見されなかった場合週末の戦争への参加は絶望的になると見込まれます。

残したメンバーで城の防衛は問題ないでしょうが、指揮を執る人材が少なくなるため戦争は難航すると思われます。


以上、最初のニュースでした。

続きまして、女性陣の人気ランキングに移らせていただきます。


え?もう時間?

もー、尺割りちゃんとやってよ!

終わらないとか、ニュース番組としてどうなの?


さて、様々な問題がありましたがお別れの時間となりました。

また次回(あるのか?)お会いしましょう。

本日も誠にありがとうございます。

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