休息しつつ
フレイヤの宮殿は、寒さとかで邪魔されているせいか割りと短時間で回れる。
狩りをしながら体を暖める食事を取るため、空腹にならないのも良い点だな。
運動してるやつは知らんが…。
3周ほど回った時点であっさりとフレイヤブレスレットが出現した。
買っておいて、天音に高く売り付けてやろう。
フレイヤリング
AGI+3 DEX+3 INT+3
スキル発動時間減少 物理/魔法消費MP減少 MP自然回復量上昇
気温変動耐性 物理異常耐性
戦士系が付けても効果は高いが、わりと魔術師用のアクセサリーである。
とりあえず、天音に渡すまでは使わせてもらおう。
今回あっさり出たのは、やっぱり物欲センサーが良い仕事をしているせいだろう。
マサムネもブラドも手に入れられてないのだから…。
そうして、延々と回る。
再入場するまでの少ない時間で倉庫を漁ったり、使えそうなものを城下で買い物したりする。
倉庫を漁ってたら、ステテコが眠ってたのを見たときは泣けてきた。
いや、泣きながら拳を握った。
「これで勝つる!」と…。
一応装備スキルで保温があったから取っておいたものだった。
どこで何が役に立つかわからんもんだな。
ステテコとか親父臭くて着たこと無かったが、背に腹は変えられん。
どうせ、今では立派な親父だ。
他にマフラーやフェイスマスクとか邪魔にならなそうなのを買っておいた。
怪しい人でしかないが、仕方ない。
「では、1時間ほど休憩に入りましょう。運動で体を暖めている人は空腹の頃でしょう。
食事の人も、この間に十分な休憩をしてください。」
キリングドールが言ってくる。
一応ゲーム時間で18時だ。
ちょこちょこ空腹の回復していたから、私は空腹ではないがしっかり食事してこよう。
相変わらず、細やかな気遣いだ。
食堂で食事をしていると、家族が合流してきた。
「お帰り。」
「ただいま父さん、友人とはどうだった?」
「たぶん合流はするかもしれんが、よくわからん。」
「そっか、んでそのあと何してたの?」
「70連合に行って遊んでた。」
「うわ、親父ズリー!」
天音が批判してくる。
「そうか、ならこれはいらないな?」
ちらりとフレイヤリングを見せたら見事なまでに手のひらを返した。
「さすが親父!くれるんだよね?」
「あほう、金払え!」
「えー、仕方ないなぁ…。」
20Mとかするのをぽんぽんあげるわけがない。
「騎龍ちゃん、この後もソッチ行くの?」
「そのつもりだったけど、どうした?」
「女子会メンバーから飲みに誘われちゃって…。」
「行ってら。」
面白い嫁だ。
「アスタールと天音はどうすんだ?」
「僕らは合流できるかな?」
「多分空きがあるから行けるぞ。」
「それなら、行きたいな!」
「オッケー、とりあえず必要なの揃えよう。」
ステテコを買ってやろう。
そんな感じで、嫌がる兄弟にステテコを押し付けたりしつつ、ログアウトまでグルグルと回り続ける。
ヒートテックなんてもんはない!
ログアウトした後に夕飯を作っていたとき、嫁がやけにご機嫌だった。
女子会が楽しかったのだろう。
「んで、今夜のご予定は?」
長男が食事をしながら聞いてくる。
「フレイヤかブラドくらいしか予定はないな。なんでだ?」
「少し前から情報が上がってるんだけど、職人と合同じゃないと進めない裏ダンジョンがあるらしいんだよね。」
「らしいって曖昧だな…。」
「なんでも、採掘の護衛で一緒に行動してたら壁が崩れて裏ダンジョンに行ったとか。
伐採の護衛だったら切り株から行ったとか情報はあるんだけど、確証が無いんだよね。」
「そういう運で行くとこには興味ないな…。
ボーナスステージっぽくて良いものが出そうだけどな。」
「やっぱりそう言うと思った。良いものは出るらしいんだけど、出会えるかは運次第だからね。」
「運なんかに頼ってはダメだ!」
未だに私のLUKは0だ!
諦めたのか、長男が言ってくる。
「なら、まぁいいか。普通にブラドでも回ろうよ。」
「物欲センサー回避のため、黙秘する…。」
「物欲センサーは高性能だから、意味無いと思うよ…。」
「無駄でも抗うのが廃だ!」
くそう、今夜には出したい…。
そう思いつつ諦めかけたラスト1周で、ようやく手にはいる。
出なさすぎだよ…。
いや、私の班で出ないだけで他では出てるんだが…。
ブラドイヤリング
スタン成功率増加 スタン耐性増加 魅了耐性増加
被回復量増加 被ダメージ減少 ダメージ反射
防御力上昇 回避率上昇
夏休みも、もうすぐ終わる。子供達も普通に学校が始まるな…。
とても充実した1ヶ月だったな。
ゲームの中では4倍の時間過ごしてるようなもんだしな。
あー、次の長期休みが待ち遠しい!
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は最近、日付が変わるまで仕事だったり風邪を引いたり忙しい1週間でした。
まだしばらくは忙しい時間が続きます。
送別会シーズンが終わったら、歓迎会シーズンですからね!
待ってた人、大変お待たせして申し訳ありません。
「全然待ってなんかないんだからね!」
というツンデレな方、お待たせして申し訳ありません。
「つまんねーよ、駄作!」
と言う方、ご覧いただくだけで誠にありがとうございます。
完結するまで、気長にお読みください。
本日も誠にありがとうございます。