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親父と家族のVRMMO日記  作者: 只野御夜市
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70連合ダンジョン3

降ちた先の部屋の掃討を終わらせると、キリングドールが指示を出してくる。

「ここが中間地点になります。10分の休憩を取ります。

この休憩の時間に、体を暖めなおしてください。」


この一言は、凄くありがたい。

周囲の仲間達は指示が出る前に、暖かい食事や道具や運動によって体を暖める準備を進めていく。

「騎龍さんもこっちに来てください、暖めないとデバフでダメージが来たりしますよ。」

心遣いががありがたい、私もこのような細やかな心遣いを見習おう。

この時間で皆から買った体が暖まる激辛ハバネロスープを暖めて飲む。

暖かいって言うか、痛くて泣けてくる…。

あまり辛いのは好みではないのだ…。


「この生姜湯も暖まりますよ。」

そう一言を添えてキリングドールから生姜湯も渡される。

以外に和風なものを出してきた。

「サンキュー、助かるよ。」

風邪には生姜湯と言われて小さい頃から過ごしてきた。

婆ちゃんの知恵袋だな。

そのようなことを体験してきたから、有り難く頂く。


そうしてキリングドールから受け取った生姜湯に口を付けようとしていると、邪魔が入ってきた。

「はっはっは、騎龍さんは自分のように体を動かして暖めるのが一番に決まってるじゃないか!」

ローズマリーが話しかけてくる。

って、こんなとこでお前は何してんだ…。

いや、何してんだというか腹筋してる意味がわからない。

龍桜のパーティーがメインだったんじゃないのか…。

ギルドが一緒だから、別に一緒にいても問題はないんだが…。


「体を暖めるなら、体の中心である腹筋をするのが当然じゃないか!」

確かに暖まるならソレも有りだろう…。

そういう予想はできるが、実際には解らない。

後でネットの先生に聞かなければならないな。

「腹筋で暖まるなら実際に実行しても構わないが、確証はあるのか?」

「自分の実体験であります!」

全く信用がない。

文章によって、理路整然とした理論を展開してほしい。


「申し出はありがたいが、時間がないからソレはまた次回で実行させてもらうよ。」

この後に戦闘があるのだから、体力の消耗は抑えたい。

「そうっすか…。残念ですが次回は共に筋トレしましょう!」

丁重にお断りさせていただきたい…、私もいい年齢なのだ。


ローズマリーは陽系をひたすらに突き詰めていった魔術師である。

火→炎→焔→浄焔→陽

といった進化過程を通っていくらしい。(攻略情報より。)

しかも複数の魔法を扱わないで、一つだけを突き詰めていった者だけが到達できるらしい。

しかし私の場合のように、一概にそうとは言えない。

どこかで踏み外せば、他の魔術師も進化できるようである。

なぜそうなるのかは解明されていない。


ソレはソレとして…。

可愛らしい名前とは裏腹に、彼は男だ。

趣味は筋トレ、好物はプロテインである。

少しの時間があれば、ひたすらに筋トレを行うナイスガイである。

一部の人間からは、ナイス●イと呼ばれてるのは秘密だ。

身長2m以上で体重100kg以上あるムキムキな体にローブがすさまじく似合っていない。

最初に顔を合わせたときに、なぜ魔術師を選んだのか聞いたことがあるのだが…、彼はこう言っていた。

「最強の拳に最強の魔法を実行したら、私が最強ではないですか?」

ネジが50本くらい吹っ飛んだ回答を答えられたのは懐かしいことだ。

以来、ギルドの中庭とかで暇さえあればトレーニングしているのを見かける。


閑話休題。

むしろ、閑話で1000文字も使うとは思ってもいなかった…。


「それでは、再開しましょう。ここで時間を合わせます。5分後丁度に中ボスを討伐します。では、反対の組は気を付けてください。」

左右に階段があり、手分けして進行していくようだ。

移動中にキリングドールが説明してくれる。

「次の部屋はそんなに強くはないですが、中ボスが居ます。

反対の組とほぼ同時に討伐しないと、HPが満タンで復活してきます。」

これも初見殺しだな…。


身長が倍くらいある氷の騎士を危なげなく討伐する。

エリアシールネックレスのお陰で、安全に討伐が出来る。

効く相手には、本当に便利だ。


さらに階段を上り、2階部分で合流する。

「では、ここからが本番となります。頑張りましょう!」

広々とした特になにもない部屋。

そこに埋め尽くさんばかりに沢山の相手が並んでいる。

最後尾には、ソレを率いている思われる巨大な騎士が見える。

「彼らはパーティー単位で連携を取ってきます。

とはいっても、ウチの面々には脅威ではないんですけどね。」


相手が動き始めると同時に、乱れ飛ぶ遠距離攻撃。

2~3人で詠唱された魔法が相手を駆逐していく。

スキルって不思議だな…。撃ち出すときは1本の矢なのに、雨霰と降り注ぐアローレインとか意味がわからん。

「あー、仕事がない…。」

凄まじい殲滅力だな…。まぁ、毎週戦争で似たことやってるしな…。

どこかから「力こそパワー!」とか聞こえてくるが、無視して進んでいく。


「さてさて、私のお仕事の相手。ちょいとここらで遊ぼうぜ。」

最奥に居る騎士と相対する。

エリアシールで封鎖し、チマチマと相手を削っていく。

火力がないから、大変だなぁ…。

代わりに防御力は他職では追い付けないレベルになっているが…。

どうせ指揮させないための邪魔でしかないし、掃討した仲間が合流するまでの時間稼ぎである。

時間が進むにつれて、仲間が合流してきてくれる。

おかげで、苦戦もなく倒すことが出来た。


「それでは、この後は凍てつく炎の女王フレイヤとのバトルのみです。頑張りましょう!」

寒いから早く帰りたい…。

本日も誠にありがとうございます。

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