一人の暇な時間+70連合ダンジョン1
詩音と別れて、暇な時間ができてしまった。
久しぶりの再開だったから、一緒に狩りをしても良かったかもな…。
まぁ、過ぎたことは仕方ないからいいか…。
どうしようかな?狩りに行くかどうするか…。
ソルティは女子会、アスタールはゲーム内デート、天音はギャンブルに行ってるらしい。
「よし、大人なお店探検でも…。おっと、メールか…。」
《友達とたまにはゆっくり遊んでおいで。変なことしたらダメだよ!》
ソルティからメールが届く…。
発信器や盗聴機でも仕込んでるんじゃないだろうか…。
まったく、信用なんて欠片もないな。
なら仕方ない。
仕事とかでインできてなくて遅れてる分をレベル上げでも行こうかな…。
とりあえず、クラウドの城のダンジョン前に待機しておけば空いてるパーティーに参加させてもらえるだろう。
ギルドの龍舎に向かい、オーリと合流する。
「おや?主よ。珍しく一人なのだな。」
「たまにはそんな日もあるさ。レベル上げのために狩りにいこうぜ!」
「うむ、先日の相手にも負けぬために我も鍛えねばならぬと思ってたのだ。」
苦戦はしなかったが、防御を抜けなくてなかなか大変そうだったもんな。
オーリまたがり空を飛ぶ。
この世界にも四季がある。
取れる作物にも変化があるために、そういうシステムなのだろう。
12ヶ月あるのは変わらないが、一月は全て30日である。
4月から始まったこのゲームも、明日になれば8月である。
ゲームらしく、一瞬で風景が変わってしまう。
4月に咲いてた桜が、5月には消えてたのは笑った。
6月になったら、いきなり紫陽花が咲いていたしな。
そんなことを思いつつ、数分飛ぶだけで城まで到着する。
徒歩半日くらいは、オーリの飛行速度だと数分だな…。
丁度出てきたところなのか、キリングドール達が装備の点検をしていた。
「お?今から入るとこ?」
「そうですよ。騎龍さん1人ですか?珍しいですね?」
「たまにはそういう日もあるさ。私も合流させてくれない?」
「いいですよ、空いてるとこありますから。」
「とりあえず入ったけど、どこ目指すの?」
「70連合に行きますよ。指揮とりますか?」
「いや、初回だから任せるよ。」
「そうなんですか?騎龍さんがしてないって珍しいですね?」
「私が先頭を走るなんて、もう無理だよ。離されないように追いかける程度しか時間もないからね。」
1日って、なんで24時間なんだろう…。
さらに言えば、なんで人は働かないといけないのだろう…。
まぁ、私の場合は家族とゲームの為に働いてるようなもんだがな。
それは置いておいて、攻略情報の確認をするか…。
70連合のダンジョンは、氷の女王が住む城の攻略らしい。
敵を倒しながら進んでいき前哨戦で守護する騎士を倒して、それから氷の女王を倒すらしい。
割りと単純な作りとなっているようだ。
とはいえ寒さで行動制限が掛かるから、装備や魔法やアイテムが結構必要になるようだ。
深刻になると、凍傷で継続ダメージが入るらしい。
「誰か、防寒用のアイテム余ってたら売ってほしいな!」
「初回だから持ってないんですね、皆の予備分を少しずつ売ってもらいましょう。」
「手間かけてすまないね。」
「いえいえ、お互い様ですよ。」
とはいえ、防寒用のコートや手袋は付けれないからアクセサリーで火属性の物を借り、カイロのように暖まる物を鎧の裏に仕込んでいく。
せめてもの抵抗で、インナーを多めに着ておく。
お腹の底から暖まる火酒とかもあるらしいが、丁重に断った。
酔って戦闘とか、私には無理だ。
「クックック…。主よ、ブレスで暖めてやろうか?」
「お前のブレスは氷系だから、さらに凍えるじゃないか。」
ボケてくる龍とか、どうなんだ?
「では飛び入りゲストの騎龍さんも来ましたので、安全面は向上されるでしょう。
そうそう、女王以外はシール出来るらしいですよ。」
「それって、メイン盾は私だって言ってるよね…。」
「マントとネックレスの2つを装備してるのは騎龍さんだけですからね。」
影が薄くて忘れやすいが、ダメージ反射のマントを持ってたりする。
「装備面で私が良いならそれで良いさ。」
個別に揃えてる人は結構増えたと思ったのだが、両方はまだ私だけらしい。
マントなんて、30のパーティーダンジョンからだもんな…。
「では、これより突入します。よろしくお願いします。」
誰かの指揮で行動するなんて久しぶりだな。
なんか、変に緊張してくる…。頑張ろう!
本日も誠にありがとうございます。